IT技術の発展で取り払われたテレワーク導入の障害――
それでも取り組まない企業に待ち受けている未来とは?

  • Writer : Motoki Honma
  • Data : 2017/10/23
  • Category : 業務改革

テレワークを導入するか否かで
経営者の資質が問われる?

結局、経営者のやる気次第なんです――夏野氏はそう語り、言葉を続ける。

「『本当に経営する気があるかどうか?』ということ。ITを自分のものとして使えない経営者は、経営者として生き残れません。たとえ自分がITに疎くても、知っている社員に聞けばよいだけです。『なんか皆で集まって会議するのは時間の無駄だから、今あるテクノロジーで何とかならない?』って聞けば『じゃあLINEのグループ通話でやってみましょうか?』って――。それで話は終わりですよ」

そもそも経営者の役割は意思決定(ディシジョン)すること。故に分からないことを、他人に任せるのに何ら不思議はない。むしろ目的達成のための仕組みを構築するのに、自分が分からないから躊躇することの方があり得ないことだ。

言い換えると、テレワーク導入にあたって、どう行動するかで、経営者としての資質が問われているのである。

さらに、夏野氏は「テレワークは現場からではなく、まずは上層部から行うべき実践するべき」だと提言する。

なぜなら、ディシジョンが主な役割である経営層こそ、テレワークが実現しやすく、そのメリットも享受しやすいからである。

そして、テレワークが浸透すれば、移動に対する考え方が変わっていくだろうと夏野氏は予測する。

「物理的な移動が贅沢なこととして捉えられ、わざわざ移動して行くまでの価値があるかどうかが問われるようになるでしょう。現在、日本では、役職が高い人ではなく、どちらかというと役職の低い人が各地を飛び回っている印象がありますが、逆になる。それは役職の高い人の方が、出向くことによる影響が大きいからです。米国の企業のように、経営者が世界各地を飛び回る一方で、普通の社員はテレビ会議で済ませてあまり移動しないというスタイルが一般的になると思います」