徳力氏が考えるテクノロジー活用と働き方改革組織や個人によって働き方改革は異なるはず~アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 取締役CMO 徳力 基彦 氏(後編)

  • Writer : 野本 幹彦
  • Data : 2017/10/30
  • Category : 業務改革

組織のリスクと個人のリスクの
考え方が変わってきている

ーーFacebookやLINEを活用している企業も増えてきているというが、社内統制のために企業向けのチャットツールやソーシャルツールを導入しなければならないという議論もある。新しいテクノロジーを使うことで、企業のリスクが増えたりはしないのだろうか。

会社側でコミュニケーションツールを用意してくれるのであれば別ですが、新たなテクノロジーを使うことで業務を改善できると気付いたのであれば、率先して使って社内に広げたほうがいいと思います。これまでは、組織の力が強く、社員はルールを守って、組織としてのリスクを低くすることがよい会社で、安定して高い給料をもらえる会社でした。

非常に変化が激しい時代となる中で、これまでの組織の考え方で行くと、会社がビジネスを失ったときに、社員も仕事を失ってしまうようになっています。組織にとっても、ボトムアップの力が非常に大きくなってきており、テクノロジーを使うことで個人がやれることが大きく広がっていくようになっています。個人にとってのリスクと組織にとってのリスクは、真逆になっているのです。

ーー組織のリスクと個人のリスクの話題は、働き方改革でも注目されている副業の問題についての話に移る。

たとえば、副業を認めるかといった議論がありますが、これまでは社員が組織と関係のない活動を行えば組織のリスクと考えられていました。しかし、個人からすれば、会社がなくなったときに、副業をやっていれば、次の仕事の選択肢が広がることにつながります。

つまり、これからは、副業を許容してくれる会社のほうが個人のリスクが低くなり、よい会社と考えられるように変わっていく可能性があります。全員がフリーランスになるといった社会はあり得ないと思いますが、これからの若い世代に「よい会社」と思ってもらうために、従来の組織の常識をどれだけ緩められるかが問われていると思います。