コンサドーレ 野々村芳和の経営論サッカークラブも働き方改革~株式会社コンサドーレ 代表取締役社長CEO 野々村 芳和 氏(前編)

  • Writer : Cross Architects
  • Data : 2017/11/6
  • Category : デジタル活用、働き方改革

やりがいをどう提供できるかが
「働き方改革」の第一歩

ーー現在、国や地域、企業が一体となって「働き方改革」への取り組みが進んでいます。クラブにおいて「働き方改革」はどのように進めていらっしゃいますか?

働き方の議論になると、労働時間の話が大きなテーマになりますよね。もちろん、休めるときに休むことは大事だと思っています。実際、クラブスタッフの仕事は不規則だったりします。サッカーの試合は土日が中心ですし、コンサドーレの場合、ホーム会場の札幌ドームをプロ野球北海道日本ハムファイターズと併用している関係で、設営時間に夜遅くまでかかってしまうこともしばしばです。だからこそ、大事なことは、スタッフに『やりがいをどう提供できるか』だと思っています。

ーー野々村社長の考えるやりがいとは具体的にはどのようなものでしょうか?

チームを勝たせる、チームを成長させる。そのことに自分たちの仕事が直結していると感じてもらうことに尽きると思います。2017年シーズン、コンサドーレは勝ち点28を取っているんですが、そのうちホームで獲得した勝ち点が25(2017年10月6日取材時の数字)(※)。逆にアウェイでは現時点で勝ち点3しか取れていないということもあるんですが。クラブスタッフの仕事の一つは、チームを勝たせるためにサポーターに少しでもスタジアムに足を運んで頂き、勝てる雰囲気を作ること。実際、結果が出ていることはスタッフとしても仕事冥利に尽きますね。
※:現在、Jリーグでは勝利すると勝ち点3、引き分けで勝ち点1、敗戦は勝ち点0が与えられる。

チームにはさまざまな仕事がありますが、クラブの立ち位置を理解し、同じ方向性を向くことが大切です。例えば法人営業に対しては、『クラブを勝たせるためには、ある程度のサイズ(売上規模)がないと勝てない。自分たちが探してくるパートナー企業が、チームの戦力に直結する』ことを伝えています。その仕事の一つ一つが積み重なり、例えば、2016年シーズンでいうと、J2優勝しJ1昇格を果たすなど、結果に結びついていることが実感できていると思います。

現場やクラブスタッフ、サポーターの一体感によって「空気」ができると、一時的にでも変わるのがサッカーの魅力です。実際、2016年のJ1昇格は、そんな空気を作り出せたおかげで、あのときのチームの力以上のものを出せた。まずは北海道の人たちに喜んでもらえるクラブにならない限り、ある程度のサイズにはなりません。同じ思いを共有しているスタッフとともに、北海道コンサドーレ札幌、そしてサッカーには価値があることを少しでも多くの方に知っていただきたいですね。

J1リーグ、アジア、そして世界を見据え、着実に結果を出し続けているコンサドーレ野々村社長。記事の後編では野々村社長の考えるデジタル活用、アジア戦略などについてお話を伺います。ご期待ください。

オフの日は家で過ごす日が多いという野々村氏。
海外サッカーの試合のチェックも欠かさないという。

profile

野々村 芳和氏

1972年生まれ。静岡県清水市(現・静岡市清水区)出身。清水東高校、慶応大学法学部法律学科を経て、1995年にジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド千葉)に加入、頭脳派MFとして活躍。
2000年に岡田武史監督(現FC今治運営会社「株式会社今治.夢スポーツ」代表取締役)
の誘いを受けてJ2コンサドーレ札幌に移籍。キャプテンとして1年でJ1リーグ昇格に貢献した。2001年に引退。引退後はスカパー!のJリーグアフターゲームショーの司会をはじめ、解説者として活躍。コンサドーレ札幌のチームアドバイザー、株式会社クラッキ代表取締役社長としてスクール事業を展開するなど、多岐にわたって活躍。2013年、コンサドーレ札幌の代表取締役社長に就任。座右の銘は「起死回生」。

北海道コンサドーレ札幌

北海道コンサドーレ札幌は、札幌市を中心とする北海道をホームタウンとする、Jリーグに加盟するプロサッカークラブ。チーム名の「consadole(コンサドーレ)」は、一般公募によって決定された。コンサドーレの意味は道民を意味する「道産子(読:どさんこ)」の逆さ読みと、ラテン語の響きを持つ「-ole(オーレ)」の2つを組み合わせたものが「コンサドーレ」です。
http://www.consadole-sapporo.jp/