連載レビュー Ruby biz Grand prix 2016 Vol.3  「Ruby biz Grand prix 2016」を彩る開発、コミュニケーション、健康・医療など多岐にわたる多彩なサービス

Rubyの持つ可能性を、日本から世界へと発信する「Ruby biz Grand prix 2016」。その概要から、受賞企業、彼らが手掛けたRubyの活用事例を紹介する本連載も、いよいよ最終回。今回は、特別賞3社とグローバル賞1社、さらにソーシャルイノベーション賞2社の計6社に話を聞いた。いずれも高い志と卓越したアイデアで、世の中を変える可能性を持ったユニークなサービスばかりだ。

日本初のRubyによるコードレビュー自動化ツール

アクトキャットが受賞したのは、コードレビュー自動化ツール「SideCI」である。今やプログラミングに欠かせないソースコード管理サービス「GitHub」の公式ツールとなっており、GitHubとの連携にも対応。従来はレビューを依頼されたレビュアーが目視で実施していたコードレビューを一部自動化できるので、レビュー業務の効率化に有効だ。導入も極めて容易なので、簡単に全社で利用を開始可能。手間をかけることなく、バグやセキュリティーホールといった不具合を見つけやすくなるだけでなく、コーディング規約に対する個々の認識のズレを調整し、ベストプラクティスなコードに統一しやすくなる。その便利さが評価され、既に世界中の400以上の都市で、多くのエンジニアに利用されている。

株式会社アクトキャット
CEO & Engineer
角幸一郎氏

アクトキャット CEO & Engineer 角幸一郎氏は、「より多くのエンジニアの生産性向上に役立ちたいと思っています。さらに強力なツールへと進化させ、世界中のエンジニアに使われるデファクトスタンダードを目指しています」と意欲を語る。

同社のワークスタイルはユニークで、コーディングに集中したい日などはリモートワークも可能。特に月曜日は、強制的なリモートワークの日となっている。これは、複数のタイムゾーンにメンバーがおり、今後さらに多彩な人材が参加することを見越して、どんな環境の人でも働きやすい会社にしたいと導入した制度だ。また、書籍の購入や勉強会への参加を会社として奨励しており、エンジニアの成長を強力にサポートしている。

新たなエンジニアの参加に期待していると角氏は、「エンジニアは常に開発の生産性を上げたいと思っており、そのためのツールを自作したりします。アクトキャットなら、それが仕事となります。その分、技術的難度も高いわけですが、成長意欲が高く、生産性にも敏感なエンジニアにとっては、魅力的な仕事だと思います」と語った。

CI(継続的インテグレーション)とコードレビューを組み合わせたオープンソースツールは画期的。エンジニアとして、とても興味がある。

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地域の課題を解決する社会インフラを目指す

同名の地域情報掲示板「ジモティー」で特別賞を受賞したジモティー。誰でも無料で利用でき、不用品の売買やペットの里親探し、バイトの募集などさまざまな情報を交換できるサービスだ。この種のサービスは掲載側に費用が発生する場合も多いが、ジモティーは掲載も無料。その名の通り地域を限定して情報を提供するので、たとえば大型の家具・家電の売買などに有効だ。

株式会社ジモティー
CTO
鈴木智之氏

ジモティー CTO 鈴木智之氏は、「大型家電などは捨てるだけでお金も手間もかかりますが、近所の欲しい人に取りに来てもらえれば、お互いメリットがあります。地域の今を可視化することで、潜在ニーズのマッチングを行っています」と語る。同社は「生活の中で生まれる問題を地域の人同士で補い合える仕組みをつくること」を使命としている。2016年11月の月間利用者数は、約650万人。「お得な情報を探して毎日訪れるようなヘビーユーザーも結構いらっしゃいます」(鈴木氏)。

ジモティーのユーザーは多岐にわたり、必ずしもデジタルスキルに長けた人とは限らない。そのため、使い勝手がよくなければすぐに使われなくなってしまう。そこで、ユーザーのフィードバックを聞きながら、素早い改善を続けている。Rubyで作っていることが、その実現に極めて有効と鈴木氏は次のように語る。「Rubyはコミュニティが活発でライブラリが揃っており、プロトタイプを動かすところまでが非常に速い。1日数回デプロイすることも少なくありませんが、15人のエンジニアでこれができるのは、Rubyの高い生産性に負うところが大きいと思っています」。

同社は今後、社会のインフラとなっていきたいと、鈴木氏は次のように意欲を語る。「インフラとなるには、まずユーザー数を増やすことが重要で、今はこれに注力しています。その結果、地域の課題を解決し、地域活性化などにも貢献していければうれしいですね」。

バーチャルと対面の中間という、極めてユニークなサービス。海外には同じようなサービスがあるが、日本では珍しい試みで、今後に期待。

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