連載レビュー Ruby biz Grand prix 2016 Vol.3  「Ruby biz Grand prix 2016」を彩る開発、コミュニケーション、健康・医療など多岐にわたる多彩なサービス

国を挙げた健康寿命延伸をICTでサポート

正興ITソリューション株式会社
代表取締役社長
有江勝利氏

2015年9月総務省は、日本の総人口に占める65歳以上の割合が過去最高の26.7%となったと発表した。このような超高齢社会に突入した日本の大きな課題のひとつが、医療費の高騰である。正興ITソリューション 代表取締役社長 有江勝利氏は、「税金から支出される医療費だけで、年間約1兆円ずつ増えています。このままでは国が潰れる」と危機感を募らせている。そこで、同社が開発したのが、今回ソーシャルイノベーション賞を受賞した健康経営支援サービス「Health-Ledger(ヘルスレジャー)」である。

Health-Ledgerは、従業員の健診データや生活習慣、食事などの健康情報をデータベース化して見える化。本人の自覚を促すと共に、産業医などからSNSでアドバイスも受けられる。また、ゲーム感覚で楽しく運動をするためのコンテンツも用意しており、このサービスを利用することで社員やその家族が健康になり、会社としても貴重な人材を病気で失うリスクや医療費の負担を軽減する効果が期待できる。

福岡にある同社グループは、2013年から自社グループでこのサービスを実際に利用しながら九州大学と共同研究を実施。場所や時間を選ばずシステムにアクセスできるので、より自身の健康に関心を持つようになり、さらにアドバイザーからのフィードバックを受けることで、「個別の継続的なフォローアップツールとして十分に利用価値がある」と判定された。自社での実践を有江氏は、「今のところ積極的に利用している社員は20%程度ですが、これらの人たちでは、若干ながら健診結果でも異常なしが増え、要二次検査や要受診が減少しました。以前は生活習慣病予備軍が増加傾向にあったので、一定の効果がありました」と語る。

生産性の高さから従来Rubyを利用してきた同社では、本サービスのサーバーサイドのシステムをRubyで、フロントのセンサー制御機構をmRubyで開発した。「2016年には外部へのサービスを開始し、現在、地元の金融機関にご利用いただくなど、実績もできてきました。APIも充実させており、他ベンダーのアプリケーションなどとも連携していきたい。企業から家族、さらには社会へと、健康寿命の延伸をサポートする新しい市場を創出していきます」(有江氏)。

ゲーム仕立てでトレーニングできる面白いサービス。特に、mRubyとRaspberry Piを活用した虚弱予防アプリ「起立の森」は、高齢者のやる気を引き出す面白い試み。

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本気で医療とITのコラボに取り組みいち早く遠隔診療アプリを提供

株式会社メドレー
取締役
開発本部長
平山宗介氏

メドレーがソーシャルイノベーション賞を受賞したサービスは、オンライン診療アプリ「CLINICS(クリニクス)」である。パソコンやスマートフォンで、診療の予約や問診、医師との会話、決済などができ、現在、北海道から沖縄まで全国約200の医療機関に導入されている。

メドレーは、2015年8月の厚生労働省の通達により、遠隔診療が事実上解禁となったことを受け、CLINICSの開発に着手。要件定義確定後の12月末に開発を開始し、2016年2月にはいち早くサービスをスタートできた。「このスピード感で開発できたのは、やはりRubyならではです」と、メドレー 取締役 開発本部長 平山宗介氏は語る。

遠隔診療は事実上解禁されたとはいえ、まだグレーな部分も残る。「そこを、CLINICSを利用することで、法に則った形で手軽に実現できるようになります。常備薬が必要な生活習慣病の方や、禁煙外来を受診している方など、こまめな通院が必要だけれども、それが負担となっている患者さんに好評です」(平山氏)。

メドレーは、「医療ヘルスケア分野の課題を解決する」というミッションを掲げ、本気で医療とITのコラボレーションに取り組んでいる。技術力はもちろんのこと、実際に医療現場の課題に精通した医師が5名常勤し、開発チームと席を並べ対等に議論しているのが、同社の大きな強みだ。

とはいえ、医療系のシステムは現状、導入作業が必要な業務パッケージがほとんどであり、このようなインターネットサービスはかなり珍しい。平山氏は、「こういうサービスもあるということを、エンジニアの方々にアピールしたいと、今回Ruby biz Grand prix 2016に応募しました。デジタル化が遅れている医療へのIT活用を進め、世の中を変えたいという意欲のあるエンジニアに、ぜひ参加してほしいですね」と期待を語った。

「初診は対面が必要」など、制限がありながらも可能になった遠隔診療を、手軽に実現する新しいサービスにより、いち早く医療の課題を解決した点を評価した。

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Ruby biz グランプリ実行委員会 島根県

http://rubybiz.jp

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