連載Review Ruby biz Grand prix 2017 vol.3 松江市で活躍する3社に聞く島根県で花開いたRubyを核とするOSSコミュニティ

アクセスが抜群の会議室を無料で利用可能
進出企業エンジニアの交流の場としても活用

──他の皆さんは、ここをどのように利用されていますか。

福光:当社にとって、ここは非常に重要な場所です。最も若い30代の役員が、社内でのRubyの第一人者となったのはここに通ったおかげです。彼が、ここに半年くらい通って周りの方々から多くを学び、OSSを含めRubyを理解して、社内でRuby開発の流れを作りました。あの半年がなければ、Ruby関連の事業はこれほど急激には立ち上がらなかったと思います。

田窪:当社は、島根Lab立ち上げの時にオープニングイベントをさせていただきました。IT企業の採用関連の会議などにも使わせてもらっています。無料で使えて、アクセスも抜群なので重宝しています。東京なら、打ち合わせをする際に会議室を使うにもかなりのお金がかかり、それらを踏まえた収支を考えなければなりません。しかし、そういう時に気軽に使える場所があるというのは、非常にありがたいです。

井上:島根県や松江市がIT企業の誘致に頑張っておられて、新たに島根県に拠点を構えたIT企業が40社以上あります。そういう会社のエンジニアが、ここで仕事をしていることも結構ありますね。東京から離れて1人で松江に来たりすると、どうしても疎外感を感じがちです。でも、ここに来れば誰かしらいて、情報交換もできる。そういう場としても活用されています。

Ruby City MATSUEを支える島根県と松江市

Ruby biz Grand prix 審査委員長
まつもとゆきひろ氏

松江市が構想した「Ruby City MATSUE プロジェクト」はソフトウェアによる産業振興で、当時もおそらく今もほとんどないと思います。前例がないことに行政がチャレンジするのに驚きましたし、大丈夫かとも思いましたが、相談に来られた方が非常に熱心でした。そこで、みんなが集まれる場所があるといいと提案しました。ネット経由だと場所が関係なくなってしまうからです。その提案を受け、松江市が駅前に会議室を用意してくれて、それがオープンソースラボとして現在まで交流の場となっています。

島根県に関しては、2007年に就任された溝口知事が熱心で、このRuby biz Grand prixも知事の肝いりで開催が決まりました。現在は、松江市が中学校でRubyの授業を行うなどどちらかというと人材育成を、島根県は企業誘致や事業創出支援など比較的ビジネス寄りの支援、という風に役割分担をしながら協力して活動されているようです。

──今後の目標を、それぞれお聞かせください。

福光:Rubyは盛り上がってきていますが、いかんせんRuby技術者の数がまだ少ない。なので、小規模なシステム開発なら受けられますが、10人、20人が必要となる大規模なシステム開発になると人が集まらないというのが現状です。そこで、Rubyを扱える人材育成やパートナーを増やす努力をしたいと思っています。

井上:Ruby biz Grand prixのエントリー企業は、そうそうたる企業ばかりです。そして、いずれも自らリスクを取って事業を起こしている人、すなわち経費やビジネスモデルに強いこだわりを持っている人がRubyを選んでいます。IT市場全体ではまだまだRubyのシェアは低いですが、このことが重要で、今後の流れを表しているのではないかと感じています。我々は、その流れを加速したいし、Rubyのシェアをもっともっと増やしていきたいと考えています。

田窪:人材育成に注力していきます。採用したエンジニアはもちろんですが、学生や外部の企業のエンジニアも視野に入れています。まだスタートしたばかりなので現状ではおこがましい話ではありますが、人材会社として培ってきたノウハウを活かして、地域に貢献していきたいです。

お問い合わせ

Ruby biz グランプリ実行委員会 島根県

http://rubybiz.jp

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