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「基幹クラウド」成功事例:株式会社熊谷組 基幹システムをクラウドに完全移行 安定性と柔軟性を両立した環境を実現 総合建設会社の熊谷組は、オンプレミスで運用していた基幹系を含む全社内システムのクラウド化にかじを切った。その基盤に採用したのが、ソフトバンクの「ホワイトクラウド ASPIRE」である。高度な冗長構成により可用性を向上し、安定的なシステム運用を実現したほか、わずか1日でサーバー構築が可能になり、素早い事業展開も可能になった。成長するビジネスを支える盤石のシステム基盤が確立できている。

TCO削減に向け、社内IT環境の刷新を決断

株式会社熊谷組 経営企画部 IT企画グループ 部長 鴫原 功氏

 高層ビルや大型施設、トンネル工事など様々な社会基盤づくりに貢献する熊谷組。同社は、持続的な成長を実現するため、先進ITを積極的にビジネスに取り込んでいる。

 例えば、2010年にはオンプレミスで運用していた基幹システムをVMware vSphere®の仮想化基盤へ移行。また翌年には、社内で運用していた全サーバーを外部データセンターのハウジング環境へ移行し、拠点と接続するネットワーク環境も再構築した。

 だが、ビジネスが拡大していく中では、新たな課題も生まれていた。それが、インフラの管理負荷である。「業務拡大に伴い、増え続けるシステムを支えるためには、サーバー機器やラックスペースも随時追加していく必要があります。それらの管理や、機器の保守・更新作業の負荷、コストなどが悩みの種になっていました」と熊谷組の鴫原 功氏は述べる。

 管理が追いつかなくなることで、ハードウエア障害によるシステム停止も月に1~2回発生。ビジネスに少なからぬ影響を及ぼしてしまっていたという。

 そこで同社は、IT戦略のキーコンセプトに「クラウドファースト」を掲げ、全社内システムのクラウド化にかじを切ることにした。「全システムを『サービス利用型』に切り替えることができれば、煩雑なインフラ運用から解放されます。同時に、SLAに応じた安定稼働やリソースの柔軟な追加といった効果も狙えると考えました」(鴫原氏)。

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既存環境を継承しつつ運用を効率化

シーイーエヌソリューションズ株式会社 アウトソーシング部 主任 亀田 栄一氏

 複数のクラウドサービスを比較・検討した同社は、かねて利用してきた仮想化基盤のノウハウが継続して活用できる点を評価し、ソフトバンクが提供するVMware vSphereベースのIaaSを選定。その後、同サービスの国内提供終了とともに、後継となる「ホワイトクラウド ASPIRE」(以下、ASPIRE)に移行することを決定した。

 「ASPIREは、SLA99.999%の高い稼働率や信頼性を強みとしているほか、通信キャリアであるソフトバンクは、セキュアなネットワーク環境も含めてワンストップで提供してくれます。これなら、基幹システムを含む、様々なシステムを支える基盤として適していると考えました」と熊谷組のシステム開発・運用パートナーであるシーイーエヌソリューションズの亀田 栄一氏は評価する(図1)。

 こうして、システムの移行プロジェクトはスタート。ASPIREは多彩なOSをサポートしているため、古いOSで動く既存システムもひとまず移行し、順次アップデートするといったことが可能だ。そのため、移行に当たっては、シンプルで余裕を持たせたスケジュールを組むことができたという。同社は、業務への影響を抑えるため段階的な移行プロセスを組み、約1カ月半で全システムの移行を完了した。

「認証およびリソース管理基盤として利用するActive Directoryの移行は手間のかかる作業でしたが、ソフトバンクがヴイエムウェア社や協力会社と調整を図り、一体的に推進してくれたおかげで、大きなトラブルもなく移行できました」と鴫原氏は語る。

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TCOを削減しつつ、機動力の高いシステム環境を実現

 現在は基幹系システムを含め、サーバー約80台分のシステムをASPIRE上で運用している。新たなクラウド環境は、同社に様々なメリットをもたらしている(図2)。

 例えば、従来の課題であった機器の保守・更新作業は不要になり、情報システム部門の業務負荷は20%ほど軽減できている。ほかにも、サーバー調達や日々のバックアップなどの作業までを含めると、より大きなTCO削減効果が得られているという。

 「特にバックアップ作業の負担削減はありがたいですね。オンプレミス時代はテープバックアップを行い、遠隔地の保管場所へ送付していましたが、現在はASPIREからソフトバンクの閉域ネットワークを介して、別のクラウドサービスへオンラインバックアップを行えるようになりました」と亀田氏。人手による作業がほぼ不要になったため、バックアップ/リストア作業が従来とは比較にならないほど簡単かつ短時間で行えるようになっているという。

 また、基幹システムに不可欠なシステムの信頼性・安定性も向上した。機器類の保守サポートサービスがソフトバンクから提供される上、クラウド環境であれば、個々のシステムが必要とするSLAに応じて、構成を柔軟に設計することが可能だからだ。「特に基幹系は、高度に冗長性を持たせた構成とすることで、可用性を大幅に向上させることができています。従来、課題だった頻発するシステム障害も、ASPIRE移行後はまったく起こっていません」と鴫原氏は満足感を示す(図3)。

 さらに、ビジネスの機動力も大きく向上したという。オンプレミスの場合、サーバーを追加しようとすると、機器の調達、環境設定、検証などの作業が必要で、少なくとも1カ月程度はかかっていた。それが現在は、ASPIREの管理ポータルを使って、OSやミドルウエアをセットアップするだけ。最短1日でサーバー環境を用意することが可能になった。「開発環境などをすぐに用意できるため、新しいアイデアを気軽に試せる環境が整いました」(亀田氏)。

 こうした同社の取り組みは、公益社団法人企業情報化協会主催の2016年度「IT戦略総合大会」で「IT特別賞」を受賞。革新的なITの活用で既存システムの運用にかかるコスト構造を見直したことが高く評価された形だ。

 「3D CADの普及や、ドローンで空撮した画像データの活用など、建設業界で扱うデータの量は年々増加傾向にあります。そのため、今後は本社で運用するファイルサーバーもクラウド移行を進め、リソースを柔軟に拡大できる体制を実現したい。同時に、建築現場事務所で使う端末のクライアント仮想化も考えていく予定です」と鴫原氏は今後の展望を語る。

 クラウドファーストの方針の下、ASPIREを基盤としたビジネス環境を実現した熊谷組。今後も一層のクラウド活用をベースに、IT変革と業務効率化を推進していく構えだ。

※ 第32回IT戦略総合大会(http://www.jiit.or.jp/ITMC2017/)
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ユーザープロフィール

株式会社熊谷組
本社所在地:東京都新宿区津久戸町2番1号  URL:http://www.kumagaigumi.co.jp/

ビジネスを支える高信頼のIaaS
「ホワイトクラウド ASPIRE」

ソフトバンクが提供する、高信頼・高可用性を強みとしたIaaS。システムの安定性を示す稼働率は業界トップクラスの「99.999%」を保証しており、ミッションクリティカルな運用が要求される基幹系システムのクラウド化に対応できるのが大きな強みだ。 同社のネットワークも併せて提供されるため、顧客拠点やモバイル端末を閉域ネットワークでセキュアに接続することができるほか、外部のクラウドサービスともインターネットを介さないダイレクトアクセスが可能。モバイル活用や、ハイブリッドクラウド環境でのシステム利用にも柔軟に対応することができる。 なお基盤には、企業システムで広く利用されているVMwareの最新仮想化基盤(vSphere、NSX)を採用。VMware vSphere環境の移行もスムーズだ。任意の仮想マシンサイズを作成できるほか、CPUやメモリなどのリソースを必要な分だけ提供するなど自由度も高い。運用までを請け負うマネージドサービスやサポートサービスもワンストップで提供する。
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