旭硝子株式会社(AGC旭硝子) - 日経アーキテクチュアSpecial

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ジェイアール東海ホテルズでは、現在、名古屋駅に建設中のJRゲートタワー内に2017年4月、客室数350のホテルを開業予定。併せて、2017年1月から順次、同駅の真上にそびえる名古屋マリオットアソシアホテルの客室774室の改修工事に取り掛かる。開業16年余り。インバウンドへの対応を迫られるなか、快適性・機能性を高め、時代に見合った内装に改める。

室内空気質にこだわった客室
反面、結露が眺望を損なう

同社企画部次長の伊奈和久氏は「名古屋マリオットアソシアホテルは、改修によって建設中の新ホテルとの違いを打ち出し、競争力を高めていきます」と話す。

同ホテルはもともと、「快適な眠り」が可能な環境を実現しようと、室内空気質にこだわっていた。「ホテルの滞在時間帯は夜。睡眠の満足感と客室の快適性がホテルの評価につながります」(伊奈氏)。

こだわったのは、湿度と気流の制御だ。建設当時を振り返り、伊奈氏はこう解説する。「室内空気質を決める要素の中で湿度と気流は制御しにくい。設計の段階から配慮が欠かせません」。空調機器に関して言えば、取り込む空気に湿気をより含ませやすい蒸気加湿を採用し、湿度管理を徹底したという。

ところが客室の窓は、設計当時のやむを得ない事情からシングルガラス。冬場の結露を生んでしまう。結露防止には客室を乾燥させるほかないが、それでは室内空気質へのこだわりを生かせない。しかも、名古屋マリオットアソシアホテルの客室は全て地上20階以上。売り物の一つである眺望が、結露で妨げられてしまう。

悩ましい状況が続くなか、伊奈氏が3年前にようやく出会ったのが、現場施工型後付けLow-Eガラス「アトッチ」だ。取り付け前後の熱貫流率を試算すると、ガラスの表面温度の違いから結露を防止できることが確認できた。

今後も改修工事に併せて
Low-E複層ガラス化を

すぐに24階の客室で、その後、37階の客室でも試験施工に踏み切った。以降、施工上の課題を探り、納まりや結露に対する効果を確かめてきた。

「最初の試験施工箇所ではふた冬を越して、結露は発生していません。更に、遮熱性が高まることから、夏場には冷房負荷の軽減も図れそうです」。伊奈氏は効果を認める。

試験施工での納まり確認や効果検証を受けて、ジェイアール東海ホテルズでは「アトッチ」の採用を決める。本施工はホテル全体の改修工事に併せて、グレードの高い客室を配置する3フロア・76室から開始、気候の影響がある冬場を避けて、16年9~10月に一足早く「アトッチ」の施工を済ませた。

施工を担当したのは、AGC硝子建材。名古屋ビル支店営業部リノベーショングループの吉野利樹氏は、「フロア全体としては客室を稼働させながら、6室単位で段階的に進めていく必要があったため、安全確保に向けて現場作業員を増強するなど、施工上の課題に対応しました」と話す。

1月から順次始める客室内装などの改修工事は「向こう3~4年をめどに終えたい」と伊奈氏。併せて客室窓のLow-E複層ガラス化も、今回同様に進めていく方針だ。

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