セントラル空調システムで新しい省エネ性の実現を 空調専門メーカーが提案する次世代熱源機器HEXAGON Force

建物のセントラル空調の省エネ性は、熱源機器(チラー)の性能が鍵を握る。ダイキン工業は、今年10月に、業界トップクラスの省エネ性と省スペースを実現したモジュールチラー「HEXAGON Force」を発表。機器単体でも、空調システム全体の要としても高い省エネ性能を発揮し、さらにその先の提案を可能にする、空調の価値を高める次世代チラーの登場だ。

 近年、セントラル空調用熱源機の主流となったモジュールチラーの市場に、ダイキン工業から業界トップクラスの性能を誇る「HEXAGON Force(ヘキサゴンフォース)」が登場した(2017年1月発売予定)。高い省エネ性能、省スペース設計に加え、その先を見据えた次世代モジュールチラーともいえる性能を兼ね備えた新製品だ。その特徴を3つの視点から見てみよう。

業界トップクラスの省エネ性能

 「ヘキサゴンフォース」の一番の注目すべき特質は高い省エネ性能だろう。開発において重視した指標は、実省エネ性を示すIPLV※だ。「ヘキサゴンフォース」は、IPLVもCOPにおいても、業界トップクラスの数値を実現している。

 「冷暖房機のエネルギー消費効率は定格COPの数値で比較されてきたが、COPは限定された条件下での成績係数。ダイキン工業では実使用時の運転効率を示すIPLVを重視する設計を、今までのモジュールチラーの開発でも行なってきた。IPLVを見ることで、実際の運転に近い省エネ指数を知ることができる」(ダイキン工業淀川製作所・空調生産本部アプライド商品グループリーダー・富川匡氏)。

※ 定格COPが機器100%負荷時のみの運転効率なのに対し、IPLVは100、75、50、25%の各負荷でのCOPに運転期間中の各出現率を加味して加重平均した期間成績係数で、実際の運転条件に近い省エネ指数を知ることができる。

高性能・省エネを追求する空調システム、ダイキン・アプライドテクノロジー
【図版のクリックで拡大表示】

運転状況の見える化だけでなくIoT対応も視野に入れる

 「ヘキサゴンフォース」は、運転状況の見える化にも対応する。従来は消費電力などの結果でしか判断できなかった性能把握が可能になり、「省エネ性能は、実際に使用される場面で評価されるべきだ。納品して終わりではなく、その後の運転状況を把握することで、状況に応じて最善な省エネ運転が可能になる熱源機を目指している」と富川氏。

 また、収集データとの連携などビッグデータ活用によるIoT対応も視野に入れ、「機器の省エネは当たり前。その先にある新たな価値を提供していきたい」と富川氏は語る。

空調専門メーカーの強みを活かす

 セントラル空調は熱源機器、ファンコイルユニットやエアハンドリングユニットなどの二次側空調機で構成される複合システムだ。これらに加え、業界トップクラスのシェアを誇るビル用マルチまでダイキン工業は多彩な製品群をラインアップしている。

 「建築物の主な空調方式は、個別空調方式(ビル用マルチなど)とセントラル空調方式(チラー、エアハンドリングユニットなど)があるが、それぞれ得意分野があり、適材適所に配し補完しあう設備設計を行えば、より運転効率がアップする。ダイキン工業には新製品「ヘキサゴンフォース」を含めた多彩な製品群があるので、今後は製品の連動性向上、一括監視などで空調システムのさらなる省エネ性向上の可能性があると考える」と富川氏。

 空調専門メーカー ダイキン工業の強みを活かせるメリットは大きい。

新製品「ヘキサゴンフォース」開発の経緯を
ダイキン工業淀川製作所の技術者に聞く
ダイキン工業株式会社 淀川製作所 空調生産本部 アプライド商品グループ グループリーダー 富川 匡 氏

 「チラーを設置する屋上の面積は限られている。省スペースへの課題は、組み込み可能で、最大の性能が発揮できる空気熱交換器のサイズと、それをどうレイアウトするか。左右非対称フォルムは、その課題解決で導かれた合理的形状だ」(ダイキン工業淀川製作所・空調生産本部商品開発グループ・石田好人氏)。

 ダイキン工業の新製品開発では、形式的な開発会議だけでなく、社員が職制を超えて自由に議論する通称「ワイガヤ」と呼ばれる場で、課題解決やイノベーションを模索することも多い。「今回の開発では、ワイガヤで役員クラスの幹部もペンを持ち、ホワイトボード上で、機械骨格の検討が繰り返された」と石田氏は振り返る。

 淀川製作所のテクノロジー・イノベーションセンター(TIC)は、ダイキン最大のR&D拠点で、空調はもちろん、化学や機械、電気から制御技術分野まで、多様な技術者たちが研究を行っている。「淀川のこうした特長も生かし、ワイガヤには小型エアコン開発担当者も参加し、多様な視点から幅広い論議ができた。熱交換器周囲の気流分布は、TICの解析シミュレーションで最適化を図った」(石田氏)。

ダイキン工業株式会社 淀川製作所 空調生産本部 商品開発グループ 石田 好人 氏

 「ヘキサゴンフォース」のユニークなフォルムの方向性が固まり、その後、ミリ単位で寸法を詰めて最終形が決まる。モジュール連結設置時の省スペースを可能としつつも十分な空気を取り込める構造を生み出せた。

 「今後はIoT、エネマネ対応を推進。モジュールコントローラを用いて当社のサービスシステム『エアネット』との連動を強化したい。連動機器を遠隔監視して、無駄な運転を制御し、同時にメンテナンスの予報や、実際の省エネ性効果の予測や状況に応じた改善提案も視野に入れている」(富川氏)。より複雑化する建築プランや空間構成に、空調設備はどう最適化し、対応できるのか。「ヘキサゴンフォース」は、その課題に対する答えである。

PageTop
お問い合わせ
ダイキン工業株式会社
〒530-8323 大阪市北区中崎西2-4-12 梅田センタービル TEL. 06-6373-4312
http://www.daikin.co.jp/