知っておくべき制度・補助金

PCB製品の処分期間迫る、あなたのビルは大丈夫?

2017/12/13
知っておくべき制度・補助金

東京が最も遅れている

環境省によると、2016年3月末時点での進ちょく状況は、最も進んでいる北九州事業エリアで、変圧器が94%、コンデンサーが94%、最も遅れている東京事業エリアで変圧器が78%、コンデンサーが66%となっている。

さらに西日本と東日本に分けて処分を進めている照明器具の安定器は、北九州、大阪、豊田の事業エリアで58%、東京、北海道の事業エリアで39%にとどまっている。

PCBを使用した代表的な電気機器の例(資料:環境省、経済産業省)

PCBを使用した代表的な電気機器の例(資料:環境省、経済産業省)

すでにPCBの製造中止から45年が経過したが、現在でもPCBを使用した変圧器やコンデンサーで稼働中のものが残っている。これらも処分期間のうちに使用を停止して廃棄する必要がある。

稼働中の設備は電気事業法の自主保安の対象となるため、委託先の電気主任技術者がPCB使用製品かどうかをチェックし、PCB使用製品であれば経済産業省への報告を義務付けている。ビル所有者にも報告があるはずだが、報告が漏れていないとも限らない。念には念を入れて確認する必要があるだろう。

問題となるのは、すでに使用済みとなった機器だ。経産省の関東東北産業保安監督部によると、JESCOが広域処分施設を設置する2004年以前に交換済みの変圧器やコンデンサーは、当時は処分先がなかったためにビルの倉庫などに保管されたまま忘れられていたケースがあるという。

ビル所有者が相続などで変更になっていると、使用済み変圧器やコンデンサーの存在が引き継がれていない心配がある。また、解体されないまま放置している空きビルや工場では、高圧受電契約を打ち切って電気主任技術者が検査しなくなっている場合、所有者がPCB廃棄物の存在に気が付かない可能性もある。

都道府県市では、PCB特措法改正後からPCB廃棄物を保管していると思われる事業者を対象に掘り起こし調査を開始している。対象事業場は全国で約86万カ所と多く、アンケート形式による調査では時間がかかるため、処分期限内のできるだけ早い時期に調査を完了することが喫緊の課題だ。掘り起こし調査には積極的に協力することが求められる。


文:千葉 利宏

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