知っておくべき制度・補助金

PCB製品の処分期間迫る、あなたのビルは大丈夫?

2017/12/13
知っておくべき制度・補助金

PCB廃棄物処分の流れ

最後に、PCB廃棄物処分の流れを簡単に説明しておこう。まず最初にPCB使用製品・廃棄物の確認を行う。変圧器とコンデンサーの場合、機器に取り付けられている銘板を見て、1953年~1972年に製造されているかどうかを調べる。照明器具の安定器も銘板をチェックして1977年3月以前の製品であればPCBが使用されている可能性がある。

高濃度PCB廃棄物などの処分までの流れ(資料:環境省、経済産業省)
  • 技術基準適合命令違反には300万円以下の罰金が処せられます。
  • 改善命令違反には3年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金または併科が処せられます。
  • 処分期間の末日の1年後である特例処分期限日(計画的処理完了期限と同じ日)を適用する場合は、PCB特措法に基づき、確実に特例処分期限日までにJESCOに処分を委託することを約した契約書の写しなどを保管の場所を管轄する都道府県及び政令市(以下、「都道府県市」という。)の長に届け出る必要があります。使用中の高濃度PCB使用製品についても同様に、これらを廃棄する見込み等について都道府県および政令市の長に届け出る必要があります。

高濃度PCB廃棄物などの処分までの流れ(資料:環境省、経済産業省)

次に処分の届け出を行う。使用中の場合は電気事業法に基づいて、経産省が各地に設置した産業保安監督部に設置届け出を行うとともに、JESCOにも登録を行う。使用済みで保管している機器は都道府県市に届け出を行い、JESCOへも登録し、環境汚染を起こさないように適正な保管を行う。

実際の処分は、JESCOに申請を行い、処分費用を確定したうえで契約を結ぶ。処分料金は、機器1台の総重量が3~10kgでは1kg当たり3万240円で計算。10kg以上は重量区分で設定しており、170kgを超えると処分料金は100万円を超える。変圧器の重量は100kg以上、コンデンサーでも数10kgとなる製品が多いので、1台を処分するだけで約50万~100万円の料金がかかる。

国では中小事業者と個人を対象に処分費用の軽減制度を設けている。JESCOに申請し、中小事業者などに該当するかの審査に通ると、中小事業者で70%、個人で95%の軽減措置が受けられる。その処分費用を支払ってJESCOと処分契約を結ぶ。ここまでの手続きを決められた処分期間内で行う必要がある。

その後、JESCOから処分場への受け入れ準備が整ったとの連絡が入る。処分場への運搬は所有者が行う必要があり、JESCOのホームページでPCB廃棄物の収集運搬許可業者を調べて手配し、運搬日を決定する。当日は所有者が立ち会い、廃棄物処理のマニフェストの受け渡しを行う。2カ月以内に処分完了のマニフェストが送られてきて全ての処分手続きが終了となる。

処分期間は、処分場を開設する時の地元との合意に基づき、変圧器・コンデンサーが北九州で2018年3月末まで、大阪で21年3月末まで、豊田、東京、北海道で22年3月末までと決められている。安定器および低濃度汚染廃棄物が、北九州・大阪・豊田で21年3月末、東京・北海道が23年3月末だ。

処分期間内に処分しない場合には、3年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、または併科となる。重い罰則なので確実に対応してほしい。


文:千葉 利宏

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