事例研究・バリューアップ術

大手不動産会社の
「老朽ビル・バリューアップ」に学ぶ

空室をリノベーションで解消する三菱地所レジデンスの「Reビル」事業

2018/01/17
事例研究・バリューアップ術

新しい働き方を提案するビルへ

デザインのチカラでバリューアップしたフロアを歩きながら、「働きたくなるオフィスビル」のあり方について、あらためて考えさせられた。

海外では、ITベンチャーなどの先進企業が古いオフィスビルをリノベーションするケースがトレンドとなっている。自由な発想を生むための空間、新しい働き方を実践する空間をいかにつくるかという発想が定着しているという。酒井氏も「Reビル事業では、働きたくなるオフィスビル、自分たちらしさ、個性を発揮できるオフィスという潮流を生んでいきたいと考えている」と話す。

実際に、Reビルの物件に入居しているのは、ITベンチャーやコンサルタント会社、アパレル企業などが多く、ビルの特性を活かしてそれぞれの個性に合わせて空間を作っているという。

テナントによって、望んでいるオフィスや働きたくなる空間の考え方は違う。移転するビルを選定する際、多くのテナントはイメージが浮かびやすい空間を求める。募集時の内装デザインは、問い合わせや内見の数を増やし、新しいテナントを誘致するうえで重要な要素となる。

ただ最近では、自ら働きたくなるビルを実現したいと考えるテナントも増えてきた。そうしたニーズに対しては、コンクリート躯体や設備配管などをあらわしにしたスケルトンで募集し、テナントがある程度、自由に手を加える余地を残して募集することも考えられる。

どういったターゲットのテナントを狙うのか、ビルの立地に合った空間や募集方法は何か――。テナントが自由に空間をデザインできるReビルのコンセプトは参考になるはずだ。

■三菱地所レジデンス Reビル 既存ストックリノベーション事業
http://www.mecsumai.com/re-build/


文・写真:村島正彦

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