事例研究・バリューアップ戦略

入居しやすく、退去しやすいオフィス
“第2スタートアップ”の成長を支援

工事会社が仕掛ける既存ビル再生事業

2018/08/08
事例研究・バリューアップ戦略

JR西日暮里駅から徒歩4分の立地に、築27年のビルをリノベーションした賃貸オフィスが誕生した。手がけたのは、店舗やビルの内外装工事を事業の柱とする成和(本社:東京・千代田区)。第2スタートアップといわれる、成長過程にあるベンチャー企業にイニシャルコストを抑えたオフィスを提供する。成和代表取締役の飯田泰敬氏と、PM(プロパティマネジメント)を担当したバリューレイズ代表取締役の石田竜一氏に話を聞いた。

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グランプラス西日暮里の4階。家具付きオフィスのモデルルームとなっている(写真:渡辺琢哉写真事務所)

──まずは賃貸オフィス経営に乗り出した経緯を教えていただけますか。

飯田泰敬氏(以下、飯田) 商業施設などの内装工事会社として創業しましたが、事業拡大に伴い、工事規模の大きな不動産業界との関わりが深くなりました。そして、ビルオーナーにリノベーションの提案などをする機会も増えてきました。

しかし、中小ビルに多い個人オーナーは目の前のキャッシュフローを重視するため、相応の投資が伴うリノベーションや改修には、及び腰になる傾向があります。「こうしたらテナントが入る」「ビルの価値が上がる」と提案してもなかなか実現には結びつきませんでした。そこで、まずは我々が自分で実践してみようと考えたのが始まりです。

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成和代表取締役の飯田泰敬氏(写真:バウム)

築年数のたったビルを購入し、リノベーションの企画から設計・施工まで、すべて自社で行った上で賃貸物件としています。ビルを対象にした不動産事業をいくつか構想して試しつつ、次第に今の形にまとまってきました。我々はこれを「築古ビルの再生事業」と呼んでいます。

──再生事業がテーマなのですか。賃貸経営ではなく?

飯田 はい。我々が手掛けたビルはこれまでに3棟。出口戦略としては、いずれ売却する方針です。目的はあくまでも、ビルを再生し、価値を高めることです。

──石田さんは、この事業にどう関わっているのですか。

石田竜一氏(以下、石田) 今回の西日暮里の物件をはじめ、いくつかの物件のPM(プロパティマネジメント)として、賃貸管理を担当しています。また、リノベーションに関しては、マーケティング側の視点から、いくつかの提案をしました。

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バリューレイズ代表取締役の石田竜一氏(写真:バウム)

グランプラス西日暮里についても、立地とコストに関するアドバイスの他、屋上庭園の設置などについて積極的に提案しました。

──屋上庭園は必要でしたか。

石田 はい。オフィスビルにおいて、共用スペースの充実にはニーズがあります。テナント同士が顔を合わせ、自然に交流できる場を用意すべきと考えました。そして何より、写真映えが違います。募集に際して非常に有効です。

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グランプラス西日暮里の屋上庭園(写真提供:渡辺琢哉写真事務所)

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