第6回 木質建築空間デザインコンテスト審査結果発表

主催:大阪ガスケミカル 共催:日経アーキテクチュア 後援:日本建築士会連合会

一般建築部門賞

「東京クラシック 馬主クラブ棟」
古谷 俊一古谷デザイン建築設計事務所
「東急池上線戸越銀座駅」
東京急行電鉄、 鈴木 靖/奥村 政樹アトリエユニゾン
「NOCO」
黒田 隆士/帽田 秀樹/小平 純子竹中工務店

審査委員講評

「東京クラシック馬主倶楽部」
 手入れが行き届いた周辺環境と厩舎が人と動物の出会いの場を、そして新しい風景を作る。草屋根や小屋組を利用した排気方法、断面の押さえ方、そして適材適所、素材を使い分け清潔感とぬくもりのある、何とも贅沢で美しい厩舎です。

「東急池上線戸越銀座駅」
 駅に休みはない。思いを形にするということはこういう事なのでしょう。木を使う事で実現させた町作り。利用者を魅きつけるそのアイデアが及ぼす影響は大きいと思います。

「NOCO」
 ファサードでしのぎを削る銀座の専門店の中に、また新しい表現が生まれました。高く伸びた樹木の木の香りが漂うかのようにも思えてきます。

平倉 直子 氏

「東京クラシック 馬主クラブ棟」
 建物は垂直性の強い木立の中に水平に伸びやかに配置されています。空気が澄んだ非常にすがすがしい北欧の風景を感じさせるような印象の厩舎です。馬にストレスを感じさせないように配慮された木質空間が秀逸です。

「東急池上線戸越銀座駅」
 駅という利用時間の制約の中で構法が考えられている。極力重機を使わないようにハンドリングの良い木材を採用したことはとても合理的な解法だと思います。都市の中のオアシスのような場が木質によって生み出されたように思います。

「NOCO」
 レンガから木へ。木を使うことで銀座に新しい歴史を生み出そうとした意欲的な作品です。視線を上方へ導く疎密のデザインも成功しています。コンクリート、鉄、ガラスの建築の中にあって改めて素材の力を感じさせられました。

石田 敏明 氏

「東京クラシック 馬主クラブ棟」
 厩舎の窓から顔を出している馬の穏やかな眼差しが、受賞の理由を物語っています。森の中で人と馬が一緒に穏やかな時間を過ごす情景を思い浮かべると、優しい気持ちになりました。構造は安心感があります。周辺の樹木の濃い緑、木の素地と塗装のグレー、屋根の芝生の緑、照明の温かな電球色が美しく調和し、貴族的な上質の空間を生み出しています。丁寧に考えられた建築で、最優秀賞候補作品でもありました。

「東急池上線戸越銀座駅」
 都市の公共空間にこのような木の建築があらわれて、人々が木の魅力に触れる機会が増えると、環境への意識が変わるはずです。リニューアルにあたっては、地域住民が多摩の森で木の勉強もしています。こういった取り組みは他の応募作品にも見られ、街と森をつなぐ意識が作り手に定着してきたと感じます。集成材パネルで作られたシザーストラスのデザインには、意匠設計を支える構造設計者の力量を感じます。

「NOCO」
 鉄とコンクリートとガラスで作られた都会に木の素地が現れると、こんなに風景が変わるのかと感動します。
木造都市の夢もみんなで見れば、夢は現実になると思わされました。全部木造で作らなくても、こんな風に少し使うだけで、木の存在感が大きいので効果的だと教えてくれる作品です。

 惜しくも次点となった「たねや農藝」は周辺環境を丁寧に読み取り、大地に溶け込むような有機的な木質空間を創出しています。ディテールが美しく、建築の完成度の高さが評価されましたが、塗装についてのコメントがなかったことが勝敗を分けました。

桝田 洋子 氏
審査委員長
平倉 直子 氏 建築家 平倉直子建築設計事務所 代表
■1950年 東京都生まれ ■1973年 日本女子大学 家政学部住居学科卒業 ■1978年 平倉直子建築設計事務所設立 ■1989〜2012年 日本女子大学 住居学科 非常勤講師 ■現在 早稲田大学 芸術学校、非常勤講師
審査委員
石田 敏明 氏 建築家 神奈川大学 教授
■1950年 広島県生まれ ■1973年 広島工業大学 建築学科卒業 ■1973年 伊東豊雄建築設計事務所入社 ■1982年 石田敏明建築設計事務所設立 ■1997年-2016年 前橋工科大学 教授 ■現在 神奈川大学 工学部 建築学科 教授
桝田 洋子 氏 構造エンジニア 桃李舍 代表
■1959年 大阪府生まれ ■1984年 京都工芸繊維大学 工芸学部 住環境学科卒業 ■1984年 川崎建築構造研究所入社 ■1993年 同大学大学院 工芸科学研究科修士課程修了 ■1989年 桃李舍設立
作品提出(計 467件)
● 住宅部門 218件
● 一般建築部門 140件
● テーマ部門 109件
インテリア 35件
リノベーション/コンバージョン 74件
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