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[コージェネ財団 特別講演会2018 レビュー2]鼎談 エネルギー基本計画の実現に向けて ~次世代のエネルギー需給におけるプロシューマーシステムの重要性~(前編)

[コージェネ財団 特別講演会2018 レビュー2]鼎談 エネルギー基本計画の実現に向けて ~次世代のエネルギー需給におけるプロシューマーシステムの重要性~(前編)
2018年8月22日(水)公開
取材・構成・文/小林佳代 写真/加藤康
 

特別講演会では「エネルギー基本計画の実現に向けて~次世代のエネルギー需給におけるプロシューマーシステムの重要性~」と題し、IHIの水本伸子取締役常務執行役員高度情報マネジメント統括本部長、経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部の山影雅良政策課長、コージェネ財団の柏木孝夫理事長が鼎談を行った。第5次エネルギー基本計画の内容を確認しつつ、再生可能エネルギーの主力電源化における水素の役割や可能性などについて官民の立場で語り合った。

2030年は現実的に、2050年は野心的に

山影雅良(やまかげ・まさよし)
山影雅良(やまかげ・まさよし)
経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政策課長
1994年4月通商産業省(現経済産業省)入省。特許庁、資源エネルギー庁、製造産業局などで電力関係、住宅関係の業務を担当する。2009年5月経済産業政策局地域経済産業グループ地域経済産業政策課、2009年10月内閣府行政刷新会議事務局を経て2010年7月内閣法制局第四部参事官に就任。2016年6月資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力基盤整備課長、2017年6月資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギーシステム課長(併)水素・燃料電池戦略室長に。2018年7月より現職。

柏木孝夫氏(以下敬称略):7月3日、エネルギー政策のバイブルとなる「第5次エネルギー基本計画」が閣議決定されました。山影さん、今回の計画は2030年、さらに2050年を見据えて方針を示したのが特徴ですね。ポイントを説明してください。

山影雅良氏(以下敬称略):2015年、2030年のエネルギーの姿を示した「エネルギーミックス(長期エネルギー需給見通し)」を策定しました。その進捗状況を見ると、現在はまだ「道半ば」といえます。今回の基本計画では、引き続き、エネルギーミックスの確実な実現に向け、各分野でしっかり取り組みを強化していく方針を示しました。

 一方、「パリ協定」発効などで世界的に脱炭素化への動きが加速していることを受け、2050年に向けては、従来の延長線上で考えるのではなく、全く新たな取り組みとして野心的に挑戦していく方針としました。脱炭素化への取り組みというと、「どの電源を選ぶか」という議論に終始しがちですが、それぞれイノベーションを図り、また「化石燃料と水素」「再生可能エネルギーとバッテリー」など組み合わせも検討しながら全体の最適化を図ります。第5次エネルギー基本計画では多種多様な技術を取り上げました。「こんなにいろいろな分野に張るのか」という批判もあるかもしれませんが、ここまでやって初めて、どれかが当たり、2050年に向けた野心的目標を達成できるのではないかと考えています。

柏木:基本計画では「2030年に向けた政策対応」の「二次エネルギー構造の改善」の項で「コージェネの推進」が取り上げられるなど、コージェネレーション(熱電併給)システムに関係する内容が多く含まれているとも感じました。ぜひ実行に結びつけてほしいと思います。

山影:分散型、地産地消型のエネルギーシステムにおいて、電気も熱も生み、省エネ効果の高いコージェネは核になる存在です。エネルギーマネジメントシステムと組み合わせ、需要や供給を管理しながら地域で面的にエネルギーを融通し合うことは、脱炭素化に向けて重要な取り組みであり、引き続き力を注いでいきたいと考えています。

 
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