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ビジネスの新たなきっかけづくりに「年賀状」はうってつけのツール 株式会社タニタ 代表取締役社長 谷田千里氏

会社員時代に経験したアナログなお礼状による成功体験がベースとなって、今なおメールよりも手紙やはがきの方が想いを伝えるのに有効なことも多いと話す谷田社長は、新年のごあいさつとして出す年賀状をもっと活用すべきだと言う。メールにはない年賀状のメリットについて、谷田社長に伺った。

Senri Tanida

1972年、大阪府生まれ。佐賀大学理工学部卒業後、船井総合研究所などを経て、2001年にタニタ入社。2005年タニタアメリカ取締役、2007年タニタ取締役、2008年から現職。趣味は読書のほか、子どもと遊ぶこと。活動量計「カロリズム」を常に身に着けて体をマネジメントしている。


コンサル時代に学んだ、手書きのお礼状の大切さ

 大学卒業後に入社したコンサルティング会社で、ある先輩が新規案件の営業先に同行させてくれました。先輩からは「お礼状を必ず書きなさい」と教えられていたので、お会いした社長に後日、手書きでお礼状を出したところ、新卒の若者をこんなふうにちゃんと指導している会社なら、仕事もしっかりしているだろうということで、その新規案件を発注していただきました。

 自分としては決められていたことをやっただけでしたが、見る人は細かなところまでよく見ているんだなということを、改めて痛感しました。

 先輩はカバンの中に、はがきや切手、筆などが入った手紙セットを入れていて、ちょっと時間が空くとお礼状を書いていました。私もそれを見習って、ビジネスのきっかけをつくりたいと思う相手や大切な方に、できる限りお礼状を書くようになり、社長になってからも3年ほど続けていました。お会いする方の数が増えてからはさすがに全ての皆さまにお送りするのは難しくなりましたが、今でも会社と自宅に手紙セットを常備して、いつでも使えるようにしています。

その年に新たに出会った人と年賀状で縁を結び直す

 時代も変わり、今やビジネスのやり取りはその大部分がメールです。しかし、最近はメールよりもはがきのような〝紙〟の方が、戦略的に使えば有効だと感じることが増えました。その一つが年賀状です。いつの間にかパソコンやスマホに届いているメールとは違い、〝物理的なやり取り〟が発生する年賀状は、ごあいさつしたい、連絡を取りたい、という相手にアプローチするためのきっかけになるからです。

 年賀状はこれまでお付き合いのあった人だけでなく、その1年に新しく出会った人と、もう一度縁を結び直しましょうという、日本的な素晴らしい習慣です。中途半端なタイミングであいさつのはがきを出すと「何? 営業?」と思われてしまうかもしれませんが、新年のごあいさつとして出す年賀状なら、少しくらい営業的なメッセージが入っていても許されます。ビジネスにおいても、年賀状を大いに活用すべきだと思います。

先代の社長から続けている年賀状

先代の社長から受け継がれているタニタの年賀状は、ずばり「健康」をテーマにメッセージやビジュアルにも工夫が凝らされており、タニタ式のレシピをQRコードで公開するなどの取り組みも行われた。「縁起のいい色はどっち」など谷田社長と担当が相談しながら、デザインを決めるそう。

プライベートな年賀状で相手との距離を縮める

 社員からも年賀状をもらいます。社長だから出すという部分もあるかもしれませんが、わざわざそういうところに気を配ることに、私は意味があると思います。事実、年賀状を出してくれる社員の顔ぶれを見ると、仕事をきちんとこなしている人が多い。自分で年賀状やお礼状を書いてみると分かりますが、はがきや手紙はメールよりも書くのに時間がかかります。彼らが私のために時間を使い、さまざまな想いを込めて年賀状を書いてくれているということが伝わってきます。

 日本人はプライベートな部分をあまり出したがりませんが、家族の写真が入っている年賀状をもらうと「あいつ結婚したんだな」とか「小さかった赤ちゃんがもうこんなに大きくなったんだ」ということが分かるので、相手との距離も縮まるのではないでしょうか。

 お世話になった人だけではなく、会社の上司や親しくしている得意先の方に年賀状を出せば、自分の仕事以外の一面を知ってもらうこともできるので、いい自己アピールになると思います。ただし、印刷した文面だけだと味気ないので、手書きでひと言添えてくれるとうれしいですね。

若手社員に薦める年賀状コミュニケーション

 データベースで顧客管理を行うと、どうしても現時点で仕事につながる効率の良いお客さましか相手にしないが、1年に一度、縁をつなぎ、想いを伝える好機でもある年賀状は、縁が少ないお客さまにも贈るべき。1通の年賀状がきっかけになって、関係が深まる可能性は決して低くはない。

20代の自分へ

20代にやっていたことが全て44歳の自分につながっているので、生き方に不満は全くないかもしれません。でも10代の学生時代も含めてメッセージを送れるのなら、もっと勉強をして地頭をつくっておけば、人間としての完成度がもう少し高くなったと伝えたいですね。

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お問い合わせ先/日本郵便株式会社

年賀特設サイト【郵便年賀.jp】