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リーダー世代のビジネスのカギ 勝敗を分けるセルフプロデュースとは

仕事さえできれば、見た目などさして重要ではない──。日本のリーダー世代は、いまだこうした意識を抱きがちだ。しかし、この前時代的な思考のままでは、ビジネス戦線からの離脱という憂き目にも遭いかねない。今や、ビジネスを成功させるために必要不可欠なのは、セルフプロデュース力だ。ビジネスシーンにおいて、リーダーにふさわしいイメージを自ら発信できるかどうかがカギとなる。
イメージコンサルタントの第一人者にうかがいました!
大森ひとみさん

大森ひとみさん

株式会社大森メソッド 代表取締役社長兼CEO
大森メソッド アカデミー主宰
国際イメージコンサルタント
外見力コーチ&人財教育コンサルタント

AICI国際イメージコンサルタント協会最高位CIM。世界を代表するイメージコンサルタントとして、大手企業数百社、トップブランドショップのブランディング研修をはじめ、プロフェッショナルアピアランス、エグゼクティブプレゼンスをテーマに、国内外で服装、マナー、プレゼンスキル、スピーチなどの研修・講演、コンサルティングを行う。またイメージコンサルタントの養成講座も人気。

「あか抜けない」原因はA・B・Cの欠如

「ビジネスにおいて第一印象がいかに重要か。それは、“メラビアンの法則”が示しています」と説明するのは国際イメージコンサルタントの大森ひとみさん。これは、米国の心理学者アルバート・メラビアンが提唱した概念で、初対面の人物を判断する要素となるのは、55%が見た目、38%が話し方、7%が言葉そのものというもの。「また、最初の印象が後々まで持続する“初頭効果”という心理法則もあるため、初めに悪いイメージを与えてしまうことは致命的。ビジネスパーソンには、自分を語る力、すなわち“外見力”が不可欠なのです」と大森さんは続ける。

 外見力とは単に外見を飾ることではなく、本来持っているスキルやキャリアなどの“内面を表出する”セルフプロデュース力のことだ。グローバル化やスピード化、加えて商品やサービスなどが均質化してきている現代の競争社会の中で、瞬時に「品格」や「信頼」といった印象を与えられる力は、ビジネスにおける「優位性」を生む強力な付加武器となるのだ。

 しかしながら、「日本のリーダー世代は、セルフプロデュースがまだまだ不得手。関心は高まってきましたが、外見に対して無頓着、無関心、無防備な方が多く、とても戦略的とはいえない。自らが商品の付加価値とならなければ、これからの時代を勝ち抜いていけません」と大森さんは指摘する。

 セルフプロデュースにおいて着眼すべきABC は次の通りだ。A=Appearance・服装やヘアスタイルなど。B=Behavior・姿勢や動作などの立ち居振る舞い。C=Communication・話し方全般。

「このABCを総合的に磨き、セルフブランディングしていくことが大切。日本人はよく外資の方たちから“あか抜けない”と言われますが、ABCに手ぬかりがあるため。リーダー世代は特に、高価なのに体形に合っていないスーツ、清潔感がない着こなしやヘアスタイル、足を引きずるような歩き方、語尾がはっきりしない話し方などで損をしている方も少なくありません」(大森さん)

 では、実際にどのようにセルフプロデュースしていけばいいのか。それを伝授してもらった。

自分目線から他人目線への変化がカギ

 まず、Q.1とQ.4の読者アンケート結果を見比べてみたい。日本の男性ビジネスパーソンのリーダーはセルフプロデュースができているかという問いに65.2%の人が「いいえ」と答えているにもかかわらず、48.5%の人が自分自身はセルフプロデュースできていると回答。「このギャップは、自分ではできているつもりでも、他人にはそう見えないことからくるもの。他人からの視点が欠けているのです。大事なことは“自分目線から他人目線に変化させる”こと。自己評価ではなく他者からの評価に頭を切り替えることが必要」(大森さん)。

 同時に、セルフプロデュースする際には、演出したい自己像をしっかり定め、その目標に向けて的確にアプローチしていくことが重要だ。大森さんが提唱するその手法とは、まず自分の強みや自分が他人からどう見えているのかを分析する「イメージアナリシス」を行うこと。次は、右の図のように、“会社からの期待” “家族など周囲からの期待” “自分自身のやりたいことや強み”を挙げ、それらが重なる部分=“自分のありたい姿”を見つけ出す「イメージクリエーション」を行う。その姿が見えてきたら「イメージソリューション」として、自分のイメージ目標と現状のギャップを先述のABCに照らし合わせて補っていく。これにより、自分本位な自己像ではなく、他者目線を十二分に取り込んだ「あるべき自己像」を設定し、近づいていくことが可能になるのだ。

 セルフプロデュースをするに当たり、もうひとつ大事なことは「コンプレックスとどう向き合うか」という問題だ。アンケートによるとリーダー世代は、ファッションや頭髪、スタイルなど様々な部分にコンプレックスを抱いていることがうかがえる。
「コンプレックスは誰にでもあるもの。落ち込むのではなく、コンプレックスを受け入れ、前向きにカバーやケアをしていくことが重要です。その結果として、自分の強みが増え、自信が生まれ、リーダーとしての余裕ある振る舞いへとつながっていきます」と大森さん。「コンプレックスこそ、新たな自分に出会うチャンス」と強調する。

ビジネスパーソンがコンプレックスに感じている外見的パーツは、ファッション、頭髪、姿勢、スタイルなど様々で、特に突出した傾向があるわけではない。ただ、そのコンプレックスとビジネスパーソンのリーダーに求められる部分は比較的合致しており、コンプレックスを前向きにカバーしていく重要性がうかがえる

コンプレックスに打ち勝つ有効な手段とは?

「実際に、コンプレックスを克服してずいぶん変わった方もいらっしゃいます。例えば、薄毛を気にするお客様の中で、奥様からの後押しで増毛に挑戦した結果、外見はもちろん内面にも変化が生まれ、堂々とおじぎができるようになったりと、自信にあふれた表情や行動に変わりました」(大森さん)

 アンケートからも、頭髪に関しては特に薄毛に対する悩みが多いことがうかがえた。そこで、コンプレックスをカバーしていく選択肢のひとつとして注目したいのが「増毛」だ。ナチュラルさと自由自在なスタイリングにより、いつでも自然体でいられる。それゆえに、「見られたくない」「隠したい」といった、ともすれば卑屈になりがちな振る舞い、ひいてはコンプレックスそのものから解き放たれる大きなきっかけになるはずだ。たとえばアデランスの「バイタルEX(エクス)」や「ピンポイントシリーズ」などは、自分の希望に合わせられる多彩なラインアップが魅力。リーダーとしての自信を持ち、印象を変える有効なセルフプロデュースの手段として、取り入れてみてはいかがだろうか。

各データは、日経ビジネスオンライン読者155人を対象に、2016年7月に行ったアンケートから抜粋しています。