Special Interview アルテラ×インテル:共創力で価値を高め成長を加速

―まずはじめに、お二人が今の時代をどのように捉えているかを伺いたいと思います。これまでのIT投資はどちらかといえば業務や管理運用の効率化が主な目的でした。ところが最近、ITによってイノベーティブな新しい事業モデルなどを創出しようという動きが、ITには直接関わっていない業界の人たちにも広がっています。

江田 さまざまな企業の方々とお話をする機会がありますが、ここ1年から2年ほどでIT投資にCEO(最高経営責任者)が直接関わるケースが増えてきたと感じます。テクノロジーの細かいところはもちろんCIO(最高情報責任者)の方々のほうが詳しいわけですが、ビジネスの根幹を見ているCEOの方々は本当によく勉強されていらっしゃっていて、ITで何ができて何ができないかというところの理解が深く、自社にITを組み込むことで競争に勝とうという意識を一層強く持ち始められたように感じています。

和島 同じ意見です。経営者の皆さんは今まではITは専門外だからとおっしゃることが多かったのですが、ITを上手に使えば企業の価値を飛躍的に高められることが浸透してきたように思います。

―日本におけるIT投資マインドは年々高まりを見せているように感じていらっしゃいますか。

江田 ITの使われ方が大きく変化してきているので、増えた・減ったという単純な比較はなかなか難しいのですが、これまでのように数年に1回のタイミングでITシステムを更新するような投資から、ビジネスの価値を高めるために新しいシステムを導入するといった、よりダイナミックな投資へと変化しているように感じます。

両者の技術で革新的なサービスや製品を。それが「Better Together」です。
日本アルテラ 代表取締役社長 和島正幸(わじま・まさゆき)氏
1985年日立製作所入社。DSP、ASIC設計に携わった後、Rockwell Semiconductor(現Conexant Systems)、National Semiconductor、Intersil Corporation各社の米国本社ならびに日本法人において要職を歴任。2014年日本アルテラ入社。産業、民生、電源、代理店統括等の営業部門を統括する。2015年7月より現職。

製造技術への投資と進化を享受

―投資といえば、インテルは製造を含むR&Dに莫大な投資をしていることでも知られています。

江田 研究開発と半導体製造設備の双方に業界の中でもかなりの投資をしている自負があります。

和島 今回、半導体技術に関して潤沢な資金と人材を持っているインテルと統合することはアルテラにとってもメリットが大きく、これまでにない次元でFPGAの成長を加速できるのではないかと期待しています。

―アルテラは以前から製造をインテルに委託してきました。

和島 回路をプログラミングできるFPGAは、回路情報を記憶するSRAMが中身の大部分を占めていることもあって、製造技術が製品の性能や機能を大きく左右します。
 そこで最先端のFPGAを世の中に出すためには、最先端の製造技術を持ったインテルと組むのがベストという判断のもと、14nm世代の製造をインテルに委託するという発表を2013年2月に行っています。奇しくも今は統合したわけですが、まずは「Stratix® 10」というハイエンドFPGAをこのプロセスで製造します。

江田 インテルは、14nmの次の世代や、その次の世代の研究開発ももちろん進めていますが、微細化の進化の背景にあるいわゆる「ムーアの法則」は10年以上も前からもう限界だと言われ続けてきましたが、今も全力で頑張っており、インテルだけではなくて半導体業界全体が法則を維持しようと取り組んでいる感じですね。

競合他社を含めての取り組みも進めます。いわば業界を交えた「共創」です。
インテル 代表取締役社長 江田麻季子(えだ・まきこ)氏
米国の大学院修了後、米国内でマーケットリサーチ・アナリストとして勤務。帰国後、市場調査会社を経て、2000年インテル株式会社入社。2010年マーケティング&コンシューマー・セールス・ディレクターとして、香港を拠点にインテルのアジア太平洋地域のマーケティング活動を統括する。2013年10月より現職。

FPGAのロードマップを継続

―アルテラがインテルと統合することで、FPGAの戦略やブランドは今後どうなっていくのでしょうか。

和島 「アルテラ FPGA製品」は「インテル® FPGA製品」に名前を変えますが、「Stratix®」や「Cyclone®」などの製品ブランドやロードマップは継承されます。
 もうひとつ、お客様からは、ARM プロセッサー・コアを搭載する「SoC FPGA」はどうなってしまうのだろう、といったご心配の声も聞かれるのですが、2016年8月にサンフランシスコで開催された「IDF (Intel Developer Forum)2016」で、インテルCEOのBrian Krzanich(ブライアン・クルザニッチ)が登壇して、「インテル® FPGAにはこれからもARMコアの搭載を続けていきます」と明確に表明しています(写真)。どうかご安心ください。

―インテルから見たときに、アルテラと組むメリットはどこにあるとお考えですか。

江田 最新プロセッサーが持つパフォーマンスおよび汎用性と、FPGAが持つカスタマイズ性というコンビネーションは、お客様からも魅力的と捉えていただいています。既に両者を活用されているお客様も含めて、幅広い提案を差し上げられるようになったわけで、アルテラと組むことがさらなるプラスになるようにしていきたいと考えています。

Intel® ロゴが刻印されたStratix 10 FPGAをIDF 2016の壇上で掲げるインテルのBrian Krzanich CEO

インテルとアルテラで共創を目指す

―インテルとアルテラは「Intel+Altera=Better Together」というメッセージを出しました。

和島 先ほども触れましたが、製品のサポートや供給などを今まで通り行うことに加えて、両者の技術が一緒になることで生まれてくるイノベーティブなサービスや製品を提供していこうというのが「Better Together」の意味です。今風の日本語で表現すれば、両者による「共創(きょうそう)」とでもなるでしょうか。

江田 インテルは、サーバー、科学技術計算(HPC)、PC、ノートブックPC、タブレット、さらにはウエアラブルなどの機器やデジタルデバイス、クラウドやデータセンターのようなバックエンド、そしてそれらをつなぐコネクティビティーで構成される戦略的サイクルを回しながら成長を目指していて、ここに、「3D XPointメモリー」という高性能メモリーや回路のカスタマイズが可能なFPGAをさらに取り込んで、好循環サイクルをより加速していこうというのを大きな戦略として掲げています(図1)
 一方で業界全体および社会全体が先に進まなければ当社の成長もありませんので、エコシステムを拡充するとともに、新しいテクノロジーを対象にしたコンソーシアムに積極的に貢献するなど、業界全体とともにイノベーティブな取り組みを進めています。いわば業界を交えた「共創」によって、お互いが盛り上がっていこうというわけです。

―なるほど、顧客およびインテル自身の発展だけではなく、エコシステムを構成する各社の発展や、さらには業界全体の発展が、「Better Together」という言葉に込められていると言えそうですね。

図1 インテルの成長に向けた戦略的サイクル

自動車やAIへの採用拡大に期待

―さて、11月にはいよいよ日本法人も統合し「共創」の加速に期待が持たれます。最後に、2017年に向けて、注目しているマーケットがあれば挙げてください。

和島 まずは自動運転技術やインフォテイメント・システムなどの自動車分野ですね。

江田 自動車に関しては、インフォテイメント向けのインテル® Atom プロセッサーに続いて、最近はデジタル・コックピットやADAS(先進運転支援システム)や自動運転機能向けのソリューションにも力を入れていますので、FPGAとのコンビネーションは自動車業界のお客様にも喜んでいただけると思っています。

和島 データセンター、5Gを代表とする次世代通信インフラなど、処理パワーが必要な一方でソフトウエアで処理すると消費電力が上がってしまうようなアプリケーションにも注目しています(図2)

江田 もうひとつ注目しているのが人工知能(AI)やディープラーニングですね。欧米が先行していますが、日本でも人口が減少していく中でどうやって経済を成長させていくかという課題に向けて応用が広がっていくよう、インテルとしても最適なIAソリューションを提供してまいります。

―2020年とその先に向けた投資も活発化する中、インテルとアルテラの「共創」による新たな価値創造に期待がもたれます。ありがとうございました。

※3D XPoint、Altera、CYCLONE、Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Atom、STRATIX、は、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation またはその子会社の商標です。
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図2 戦略的サイクルのあらゆるところで採用が広がるFPGA

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