世界を相手に挑戦し、社会に新たな価値を生み出そうとする様々な分野の博士課程学生が、「学生会議」として千葉県・幕張メッセにて一堂に会した。会議では、応用力や問題解決力を鍛えるためのアイデア創出型ワークショップや講演を行った。一方で、広く企業関係者にも公開し、専門分野のみへ特化しているとイメージされがちな博士人材像を打破し、幅広い知識と人脈も有した「T型人材」として育ちつつある学生の姿を発信した。

専門を超えて互いの意識を高め合う

実行委員長 森本 侑樹さん

 「『博士課程教育リーディングプログラム』に所属している学生は全国各地にいますが、我々が一堂に会するもので最大のものが学生会議です」と、学生会議実行委員会の森本侑樹委員長。この会議は企画から当日の運営まで、すべてがプログラム所属学生の手によって行われた。
「意見がぶつかることもあれば、理解し合うのが難しいこともありました。しかし、このプログラムに参加する者として、”将来社会を率いるリーダーを目指す”という志は同じです。協力し合って作業を進めることは、かけがえのない経験となりました」。留学生が多数参加していることもあり、学生会議の公用語は英語となっている。いずれそれぞれの国を背負って立つ人材となるであろう外国人学生とネットワークを築くことができる、貴重な場でもあるのだ。

グローバルなT型人材を企業にアピール

 会議の主催は、リーディングプログラムの所属学生からなる実行委員会であり、今年は千葉大学と筑波大学の学生によって組織された。これまでは2日間だった期間を3日間に拡大し、約300人が参加する過去最大規模の会合となった。
 会議の主なプログラムは、有識者を招いた講演と、学生たちによる「アイデア創出型ワークショップ」である。
 今年の講演では、アステラス製薬株式会社の畑中好彦代表取締役社長CEO、帝人株式会社の鈴木純代表取締役社長執行役員、また第57次南極地域観測隊隊長を務めた門倉昭国立極地研究所教授が登壇。リーダーシップを養うための提言に、学生たちは熱心に耳を傾けていた。
 もう一つの柱であるワークショップは、funny(面白い)とinnovation(革新)を組み合わせた造語「funnovation」がテーマ。具体的には、「成功を収めた社会的リーダーとして、経済誌に掲載された」という想定で、参加学生たちがそれぞれ架空の雑誌記事を作成。専門や国籍、年齢の異なる学生たちが意見を戦わせ、「感情をあらわすコンタクトレンズ」「子どもの肥満対策となる石けん」などユニークなfunnovationのアイデアが飛び出した。
 この会議は学生や大学関係者らだけでなく、広く企業からの観覧者も募っている。自分の専門をタテ軸とし、知識・人脈を横に広げたリーディングプログラムの「T型人材」を、グローバル人材を求める企業の人々にその目で確認してもらおうというのが狙いだ。「これを機会に、博士課程の学生が何を考え、何を生み出しているのか、社会の人たちにさらに理解してもらうことができたらうれしい」と学生たちは語っていた。

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