経営者なら必ず抱く疑問 第2回 「ITが邪魔してないか」

社長の疑問その壱

なぜすぐ変更できないのか

某月某日、サービス業A社の社長室にて

 社長:3カ月後の体制変更にシステムの準備が間に合わないとはどういうことか。いま使っているシステムを変更するだけで済むと聞いていたが。

 システム責任者:申し訳ありません。準備の作業を精査した結果、最低5カ月は見ていただきたいのです。既存システムの変更と、新サービスに伴う機能の開発をすればよいのですが、変更と開発に3カ月かかります。さらに変更によって他のシステムにどう影響が出るかを調べる期間、業務担当者への操作教育の期間、などを含めますと5カ月でもぎりぎりかと。

 社長:そんな悠長なことは言っていられない。ライバル企業が始めたサービスが人気を集めている。我が社としても早急に同様のサービス体制を整えなければならない。3カ月後でも遅いくらいだ。

 システム責任者:関係者で議論した結果が5カ月なのです。何とかご了承いただけないかと。

 社長:いちいち作らずに出来合いのパッケージソフト製品を買ってくればいいのではないか。

 システム責任者:おっしゃる通りなのですが、今回の新サービスは当社ならではのところが結構ございまして、手作業でシステムに変更を加えたり、独自機能を作ったり、という方法しか採れないので……。

 社長:とにかく何とかならないか。影響を調べるとか、よく分からなかったが、そこを後回しにできないのか。

 システム責任者:当社のシステムは複雑に入り組んでいます。ある個所を変更したら、ほかの個所に影響が及び、システムの動作が不安定になるおそれがあります。そうなると新サービスどころではなくなってしまいます。そのような事態を回避するため、どうしても時間をいただきたく……

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社長の疑問その弐

なぜ思い通りのシステムができないのか

某月某日、製造業B社の社長室にて

 社長:先日出来上がった生産管理システムが頼んだ通りになっていないと、製造部長が言ってきた。一体どうなっているのか。

 システム責任者:お言葉ですが、生産管理システムの開発にあたっては、生産管理の責任者が忙しく、どういう機能が必要なのか、なかなか決めてもらえませんでした。やむをえず、私たちシステム担当者と開発会社で検討し、おそらく必要になるであろう機能を仕様書にまとめて提出し、「これでよいでしょうか」と確認をお願いしました。責任者から「これで大丈夫だ」と承認してもらったのですが、出来上がったシステムを見せたところ、「機能が足りない。これでは使えない」という話になったのです。

 社長:製造部が悪いということか。

 システム責任者:いえ、誰がどうということではなく、経緯を申し上げました。

 社長:確かに責任者の対応にまずい点があったのかもしれない。だが、現場は忙しい。製造部長は「システム仕様書を渡されてもなかなか理解できない」と言っていた。しかも、こういうトラブルは初めてではない。いい加減、なんとかできないのか。

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私の疑問はおかしいのだろうか
 なぜシステムを変更するのにこれほど時間がかかるのか。

 なぜシステムを作ると思い通りのものが出来上がらないのか。

 市場の変化や制度の変更に応じ、経営として舵を切ろうとすると、必ずと言ってよいくらいシステムに足を引っ張られる。

 システムの開発にあたって相当の費用を投じ、さらに毎年、維持管理のコストを払い続けてきた。それなのにこの体たらく、到底納得できない。

 私の疑問はおかしいのだろうか。
——あなただけではありません。
システムへの疑問

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疑問を抱く人が沢山います

~ITコストへの疑問 調査報告~

『経営者なら必ず抱く疑問』シリーズは読者の皆様のご意見を伺い、公開していきます。
第1回記事「ITコストが高くないか」で実施した調査「ITコストへの疑問」の結果を報告します。

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「ITコストに納得がいかない」そういう経験がありますか?
例えば「システムの維持費を増やすと言われた」「基本ソフトの入れ替えに伴ってシステム全体を作り直すことになった」「開発の途中で追加費用が必要になった」など

第1回記事「ITコストが高くないか」で実施した
調査「ITコストへの疑問」の回答を集計。
※有効回答数=30(2016年6月17日までの集計値)

読者意見より

  • ITのコストがシステムの保守(メンテナンス)ばかりにまわされ、利益につながる投資として使われていない。その点をおかしいと感じる。
  • 記事にある通り、OS(基本ソフト)をバージョンアップすると利用側が諸々のコストを負担しなければならない。システムを人質にとった脅迫と感じる。また、システム開発コストの見積りの精度が低すぎる。途中で見えていなかった要件や課題が出てきてコストが膨らむ一方になる。
  • システムに関わる費用は何の対価なのかが不透明に思える。結局はそこに携わる人員の労務費でしかないように感じることもある。対価を支払ったことによって、格段に業務改善やリソースの削減ができるならまだ理解できるが、そうではないことの方が多い。使う側の思想、使い方次第なのだろうが、ともすれば手段が目的になってしまう。
  • IT側の人間として「OSのバージョンアップは必要、関連するソフトも改修するのに費用が・・・」と説明するのだが、「使う側の業務は何ら変わっていないのになぜバージョンアップや改修が必要なのか」と問い返されると回答に窮する。
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