D.Y.F.C発足40周年に取り組むジオキャンプ

「D.Y.F.C」が掲げるスローガンは、「地球を感じ、いのちと出会い、のびのび育つ」。人生で最も感受性豊かな時代に過ごした自然の中でのかけがえのない体験を、その後の人生に生かしてほしいという願いが息づいている。

 1976年に発足され、今年40周年という大きな展開期に、さらなる付加価値のある自然体験を構築することで、次のステップへと進む基軸を示した。その表明となったのが、7月に開催されたジオキャンプである。「自分で考え、自分で工夫し、自分で動く」を体現するカリキュラムが重視された。活動の場も、釣り場から、森へと移し、他では体験できない自然との対話を大切にしたプログラムが組まれた。

森の講習会が行われた、須坂市にある「グローブライドの森」。森と川や海の関係性を実地で学び、下草刈りや昆虫体験を通して、子供たちの興味や理解を深める内容にした。

森の講習会が行われた、須坂市にある「グローブライドの森」。森と川や海の関係性を実地で学び、下草刈りや昆虫体験を通して、子供たちの興味や理解を深める内容にした。

行政と取り組む地域復興と自然環境保護

 初の宿泊込みの3日間のプログラムはもちろん、その活動の場も特別だった。いつもは、海や川といった釣り場が活動の場となるが、今回の舞台は長野県須坂市にある野山である。実は、グローブライドでは、環境保全の取り組みとして、長野県の「森林の里親促進事業」に賛同。須坂市で森林管理と運営を行う一般財団法人 仁礼会と一緒に10年をかけて再生した「グローブライドの森」がある。通常、5年契約が多い中、10年間続く成功例は珍しいそうだ。「明確な理念を持つグローブライドと、地域に根ざして森林を守る仁礼会だからこそ理想的な形で継続されている」と、長野県長野地方事務所で林業普及指導員を務める高橋太郎さんは言う。また、仁礼会の理事長・駒津幸司さんは「一緒に汗を流してきたからこそ、上手くいっている」と話す。新入社員内定式や里山の手入れなど、折に触れて、この森はグローブライドの活動の場となっている。この活動は、1月に長野県ふるさとの森林づくり賞にて、長野県知事賞を受賞したばかりだ。

「自分で考え、自分で工夫し、自分で動く」を
体現するカリキュラム

ジオキャンプ3日間のカリキュラム

 2日目の朝、「グローブライドの森」で「森林と水(川・海)との関係を学ぶ自然体験会」からプログラムが本格的にスタート。長野県長野地方事務所で林業普及指導員を務める高橋太郎さんが、紙芝居形式で、森林の役割や森林と水の関係の深さを説明してくれた。「整備された森林を有する山に蓄えられた肥沃な養分を含んだ水が、川となり海に流れこむことで海面下の生態系が豊かになる」ということを知り、大自然が営むサイクルの不思議に、子どもたちは時折、質問を挟みながら真剣に耳を傾ける。大切な森林を育てるために、下草刈りや樹々の間引きが必要であることを十分理解した上で、作業に臨んだ。高橋さんと仁礼会の指導のもと、鎌を手にすすんで下草刈りに臨む子どもたち。途中で、昆虫探しの楽しみもあり、学んだ知識を実践に生かす有意義な時間となった。

 午後は、子どもたちは4種のルアー作りを体験。鉛筆を削って作るルアーから、D.Y.F.Cのオリジナルである自ら組立てるプラモデルタイプのものまでが揃った。一緒に参加している父母のためにも、それぞれアクティビティが用意されていた。父親向けには、仁礼の朴の樹を使ったまな板作り。母親向けには、樹のツルを編むカゴ作りだ。徐々に打ち解けていく参加のご家族たち。子どもたち同士の交流や意見交換も活発になり、それをDAIWA契約スタッフの若者たちがサポートしていく。夜のバーベキューでは、子どもたちが自主的に協力しながら火起こしをするほどになった。

 最終日、締めくくりとなったのが、水辺で楽しむ水中の生物観察の体験だ。バケツのような水中メガネや、ガサガサと呼ばれる大きな網を使って、多様な生物を見つけていく。なかには、サンショウウオなど、珍しい生き物も。すっかり絆が深まった子どもたちは、大人も感心するようなアイデアを出しながら、一つでも多くの種類を観察しようと一丸となって取り組んだ。「この川は昨日の森から続いているんだよね」。そんな声もあり、前日学習したことが体験と結びついている。毎日、日常では経験できないプログラムに、きらきらと目を輝かせ、生き生きとした表情で取り組む子どもたち。最高の夏休みと最高の仲間との出会いになったことだろう。

未来をささえる子どもたちに
写真 写真 写真 写真 写真