主催 日経ビジネス企画編集センター
コーン・フェリー・ヘイグループ 統合記念シンポジウム
経営改革・グローバル化を成功させる「トップタレント戦略」
世界最大級の人材コンサルティング会社コーン・フェリーとヘイグループの統合を記念し、特別シンポジウム「トップタレント戦略」が開催された。グローバル環境に対応し、新たな企業価値を生み出す経営人材のあり方を、先進企業3社のスピーカーとともに掘り下げる。
世界の人材ビジネスをけん引するコーン・フェリー・ヘイグループ

傑出したグローバル規模の人材コンサルタント企業として知られる、コーン・フェリー・ヘイグループ。その統合記念シンポジウムは、同社アジア・パシフィック地域代表を務める、タルマ・ラジャ氏の挨拶で幕を開けた。

「急速にビジネス環境が変わる中、経営者は多数の課題に直面しています。コーン・フェリー・ヘイグループは、これまで以上に強力な知的財産やリーダーシップ、報酬、評価など包括的なデータベースを駆使し、約7000人のコンサルタントが経営者の戦略目標達成をサポートしてまいります」(ラジャ氏)

続いて同社代表取締役会長・妹尾輝男氏が登壇し、今日のビジネス環境における企業戦略の難しさを説いた。

「従来のやり方では企業価値を生み出すことが困難な時代。その一方で、コーポレートガバナンス導入により、一層の価値創出が求められています。このような状況で経営改革を成功させるためには人材の確保や強化、適切な配置がますます重要となります」(妹尾氏)

ここでは課題に立ち向かい、経営改革に取り組む先駆的な企業として、3社のタレント戦略事例が紹介された。

コーン・フェリー・ヘイグループ アジア・パシフィック地域 代表 タルマ・ラジャ 氏 / コーン・フェリー・ヘイグループ 代表取締役 会長 妹尾 輝男 氏 / コーン・フェリー・ヘイグループ 代表取締役 社長 高野 研一 氏
従業員一人ひとりと向き合い多彩な雇用・育成の機会を用意
三越伊勢丹ホールディングス 常務執行役員 中村守孝氏

次世代経営に対応する人材を育てるには、年功序列や縦割りのキャリアパスといった従来の慣例を変える必要がある。そこで4年前から人事改革を進めているのが、三越伊勢丹ホールディングスだ。この3月末まで人事部長を務めた常務執行役員の中村守孝氏は、「これからの経営人材育成のあり方」と題した講演でその内容を披露した。

「百貨店の価値とは何か。商品はもちろん、顧客との継続的な関係性構築においても絶対的な価値を提供し続けることが必要です。そのためには最大の経営資源である“人財”の力を引き出すことが最重要といえます」(中村氏)

同社では“個と向き合う”をキーワードに、年間1000人以上の従業員と面接。能力と意欲のある人財に対しては、雇用形態や性別、学歴にとらわれない積極的な転換や雇用の機会を用意している。さらに次世代リーダーの戦略的育成に向け、体系的プログラム「MI ビジネススクール」を展開。その中で、コーン・フェリー・ヘイグループと作り上げた、部長職から選抜したメンバーを対象とする「ビジネスリーダープログラム」を導入している。

「次世代リーダーの絶対要件とは、(1)経営の基礎知識、(2)論理的な課題抽出力、(3)戦略構築力、(4)ビジネスプロセス変革力、(5)情熱。これらを満たした上で関係者との関係構築力と、知識を知恵に変える学習力を備えた人財こそが求められます。それには企業内での様々な経験と併せて、業務外で学ぶ機会の提供も必要。そこで得た多様な価値観が、企業をより強くするのです」(中村氏)

効果的なタレント戦略が経営パフォーマンスの向上に
バイエル ホールディング 執行役員 医療用医薬品部門 人事部長 舛谷隆直 氏

タレント戦略において日本より先進的といわれるグローバル企業。その理由は、人事戦略とビジネス戦略を密接に結び付けたかじ取りにある。ドイツに本社を置くバイエルも、その好例の一つ。医療用医薬品部門 人事部長の舛谷隆直氏は、「グローバル企業の国内でのタレント戦略」について語った。

「本社を含む他国でも活躍できる日本のリーダーを育てるために、当社ではタレント戦略においてもグローバルなシステムを採用。全世界共通のコンピテンシーに基づき、評価や育成を行っています。当社では、社員個々の能力開発は現場マネージャーの責任、人事部門はツールやポリシーの提供などのナビゲート役と明確に位置づけています」(舛谷氏)

同社の能力開発の根底にあるのはEveryone has talent、つまりすべての社員に才能があるという考え方。これは平等主義とは違い、一人ひとりが自分のもてる能力を発揮し、伸ばす責任を負っていることを意味する。上司は、部下とともに、フィードバックを基軸とした様々な能力開発プログラムを活用し、継続的な人材育成を行うことになる。

「効果的なタレント戦略は、社員のエンゲージメントを高めて生産性を向上させるだけでなく、それ自体が企業価値に直結し、より魅力的な人材を招く好循環を生み出します」(舛谷氏)

海外のリーダー人材を育成し経営の現地化を目指す
パナソニック 人材開発カンパニー 社長 松井 幹雄 氏

海外事業の拡大に伴い、経営・人材戦略にもグローバル化が求められている。一方で、海外人材の育成の遅れや一定ポスト止まりのキャリアなど、現地タレント戦略に課題を抱える企業も多い。その点、早くから経営の現地化を進めているのが、パナソニックだ。

同社人材開発カンパニー社長の松井幹雄氏は、「海外での人材開発 ビジネスリーダーの育成」と題した講演を行った。

「海外人材の育成においては、コーポレートと現地双方向の取り組みが重要です。多様性を理解することを出発点に、どこを目指すかを常にベンチマークし、ロードマップを描いて実践する。それを地道にやり続けた結果、海外経営ポストの現地化率は2000年当時から倍増しています」(松井氏)

同社では、2010年度より全世界を対象とした、グローバル統一の経営人材育成プログラムをスタート。パナソニック・インド社長で今年パナソニック本社役員に最年少で就任したマニッシュ・シャルマ氏も、ここで学んだ一人だ。

「今後も新たなタレントが世界各地で活躍していくことになるでしょう。パナソニックのアイデンティティーとなる、当社経営理念を深く浸透させることもタレント戦略の重要な課題です」(松井氏)

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