INTERVIEW 石田大成社タイランド - 海外進出とクロスメディアによる情報戦略で企業のグローバル展開をサポート

「クロスメディア」と「グローバル」を組み合わせた実行力を強みとする石田大成社。積極的な海外展開に取り組む同社は、近年、加速度的にグローバル化を進め、海外拠点は15都市にのぼる。その一つである石田大成社のタイ現地法人、石田大成社タイランドの厚見紀彦社長に現地での具体的な業務内容について話を聞いた。

日本で確立したビジネスモデルを横展開

石田大成社 海外拠点

石田大成社タイランドは、北米、ベルギーに次ぐ石田大成社の3番目の海外拠点として、1999年に設立された。タイ進出の原動力となったのは、主要な顧客であるトヨタ自動車のニーズだったと厚見氏は話す。

オフィス

「トヨタ車のタイ語版の取扱説明書や販売店で使用するツールなどの制作と印刷をタイ現地で行うために当社は設立されました。現在、タイ本社のほかに印刷工場と物流拠点を構え、トヨタ自動車様の拠点に営業支援および教育支援の部隊を常駐させ、社員110人体制で運営しております。現在は、主にタイに進出した日系企業をクライアントに、各種紙媒体の企画・デザインなどのコンテンツ制作と印刷のみならず、モーターショーなどのイベントサポート、Webサイト制作、アプリ開発、ECサイト制作、EマーケティングやSEO/SEMなど、広告や販売促進に関わる業務をボーダーレスに行っております。当社はASEANを統括する機能も担っており、社員のうち100人の国籍はタイ、ベトナム、インドネシア、ミャンマーと多彩。非常に国際色豊かな組織であるのが特徴です」

現在の石田大成社タイランドの売り上げ比率は印刷約35%、翻訳約30%、広告代理業務約20%、ITソリューション約15%となっており、印刷を祖業としながらも、翻訳を含めたコミュニケーション全般がビジネスの軸になっていることが分かる。

「私がタイに来たのが2009年。2010年に現地の印刷工場を買収し、これから印刷業務を拡大させていこうという2011年に洪水で工場が大きな被害を受けました。立て直しを図るにあたり、印刷の競合もいるタイにおいて日本企業として私たちはどのような成長を目指すべきかを一度立ち止まって考えました。そしてあらためて石田大成社が日本で何をやってきて、どう成長したかを研究しました。印刷を祖業としながらもその川上であるコンテンツ制作に業務を拡大し、デジタルサイネージなど最新のITソリューションを駆使したコミュニケーションも実現する。このビジネスモデルをタイに構築することが、石田大成社の真骨頂であると再認識したのです。以来この4~5年で、当社は印刷以外の事業を急激に拡充させてきました」

事業1

IAI Robot(Thailand)社のブース企画・設営・運営(Metalex 2015)。

事業2

Pocket Wi-Fiブランド「SAMURAI Wi-Fi」のブース企画・運営(タイ国際旅行博 2016)。

事業3

日野自動車がタイの販売店向けに企画した営業ツールタブレットの開発サポート。


「情報の現地化」と「インフォメーションデザイン」

海外において日系企業のニーズに応え、さらなる成長を力強く後押しする“石田大成社らしさ”とは何だろうか? 厚見氏は「情報の現地化」と「インフォメーションデザイン」という2つのキーワードを挙げる。

AR

現地の大手日系情報誌“U-machine”が、2016年6月より運用を開始したスマートフォン向けARアプリケーションを開発。

「まずベースとなる情報が現地に合ったものになっていることが必須です。精度の高い翻訳はもちろんのこと、宗教や民族などナーバスな問題も含めた文化的背景を考慮し、法令や慣習に即して情報を徹底的に現地化します。石田大成社はこれを即座に実行する独自のネットワークとノウハウを持っています。さらに、ローカライズされた情報を最も効果的な手段で適したターゲットに伝えるインフォメーションデザインを突き詰めていきます。石田大成社は最新のITソリューションを駆使したインフォメーションデザインを強みとしており、ワンストップでスピーディーに提案し、そして速やかに実行していきます」

厚見氏はサービススタッフを教育するための情報を扱った際の例を挙げて解説する。

「ある企業がタイ人従業員に“おもてなし”の概念を伝え、提供するサービスの洗練を図ろうとしました。しかし、おもてなしを言葉で表現するのは難しく、また日本人のように文章による解説をしっかり読んでもらうことも期待できません。そこで私たちは、これぞおもてなしに当てはまるであろうというシーンを集めた映像を作成しました。教育ビデオであっても、終始まじめに作ってしまうと、タイ人にはやはり集中して視聴してもらえないので、コミカルな要素を随所に盛り込みます。この映像コンテンツをEラーニングに展開し、くまなく浸透するように取り組みます。このように、クライアント企業を“コミュニケーションを支える”という観点で、川上から川下まで柔軟にサポートするのが、私たちの事業の姿です」

現地の人の心を動かすクリエーティブ力

広告代理業務もビジネスの主要な柱とする石田大成社タイランドは、進出以来17年かけて培ってきた知見をクリエーティブに生かしている。

ウェブサイト

豊田通商フォークリフトタイランド社ウェブマーケティング。

「日本でいくら優れた実績があっても、海外で通用するかどうかは未知数です。例えば、タイで好まれるデザインは、日本人からすると独特の色づかいだったりしますし、いざそのデザインテイストを真似しようとしても一朝一夕にできるものではありません。タイのデザインを高度にこなすプロフェッショナルの存在が不可欠です。また、日本ではやや問題視されるような表現が許容されることも多く、むしろ広告的な表現として歓迎されることもあります。つまり、タイ人の心を動かし、本当に“ささる”効果的なクリエーティブを実現できるのは、地域に根差し現地の事情を熟知したプロのチームなのです。加えて、私たちは大手クライアントの実績を豊富に持っており、ベンチマークを確立しています。クリエーティブのプランも決して感覚的なだけでなくロジカルに説明できます。もしロジックで納得いただけないようなら、販売店など現場の意見をヒアリングして回るフットワークの軽さを備えています。これがローカルで長く取り組んできた私たちの持ち味だと考えています」

石田大成社は「クロスメディア」×「グローバル」という強みを生かすべく、日本とタイにインバウンド事業を立ち上げた。石田大成社タイランドは、日本と東南アジアのインバウンド事業でリーダーシップを取る。

「東京、名古屋、大阪、広島を結ぶ、いわゆるゴールデンルートだけでなく、日本の地方に東南アジアからの観光客を誘客するために、地方自治体をクライアントとする案件を多く手掛けています。例えば、北海道の“雪”をコンテンツにしたツアーのプロモーションや人気ブロガーを起用した日本の知られざる観光名所を旅レポート、また海外でのインバウンドイベントのサポートなど、多種多様な手法を駆使します。インバウンドの概念もフレキシブルに捉え、日本で入手できるコスメ関連商品を扱うEコマースサイトをタイ向けに構築するといったプロジェクトの実績もあります。日本企業のインバウンドへのニーズに対し、東南アジアの現状を熟知するプロとして、今後はより積極的に応え、石田大成社ならではのソリューションを提案していきたいと思います」

インバウンドを喚起する独自媒体

Madoo Japan
クリック

2014年にはフェイスブックページ「Madoo Japan」を立ち上げ、日本の観光に関する記事を毎日配信中だ。現在、同ページは4カ国語に対応し、「いいね!」はタイ語で約38万、ベトナム語で約29万、インドネシア語で約72万、英語(マレーシア向け)で約20万にも達している。

「日本でも観光地として最も有名ともいえる京都発祥の当社が、日本の生の情報を伝えることにより、インバウンドを喚起するのが狙い。『Madoo Japan』は観光関連の展示会などにも積極的に出展し、おかげさまで急激に認知度を高めています。媒体としてさらに成長させ、インバウンド事業に活用しています」

さらなるグローバル対応を目指す石田大成社は、ドバイ、マレーシア、ベトナムと海外拠点を続々と設立し、海外事業およびインバウンド事業の体制整備に余念がない。かつては進出する日本企業に寄り添う形で海外拠点を構築してきたが、近年は自ら新たな国へ進出し、これから日本企業が進出しやすいように現地で準備を整えるというスタンスを重視している。

「東南アジアの中でも、メコン川流域のラオス、カンボジア、ミャンマーはまだ日本企業があまり進出していないエリアです。ポスト・チャイナやポスト・タイが叫ばれる中、これらの国々をはじめ、今後日系企業のビジネス拡大が見込まれる地域において、石田大成社のノウハウをいかんなく発揮できるよう急ピッチで体制を整えています。また、タイとベルギーなど海外拠点間の連携も強化し、石田大成社のグローバル対応をさらに強化していきたいと考えています」

現地化の独自ノウハウを、個々の企業のグローバル化サポートの中身へとよりきめ細かに落とし込むべく世界中で動きを活発化させる石田大成社。タイ現地法人はその一例だ。日系企業の陰で黒子となって活躍する、知られざるグローバル企業の姿を見た。

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石田大成社のインバウンド事例

海外拠点との連携など、石田大成社ならではの強みを生かしたインバウンド支援事業を展開。自治体をはじめ、大手旅行会社や百貨店など国内外の各種イベントサポート、訪日客の受け入れ対策、パンフレット等のツール制作やメディア運営など、企画制作から翻訳、印刷、運営までワンストップで対応する。豊富な実績の一例を紹介する。

現地語・現地配布のパンフレット制作
現地語・現地配布のパンフレット制作

それぞれの国の特性を生かしたデザイン、翻訳が可能。

イベントサポート
イベントサポート

2010年上海万博や2015年ミラノ万博など、海外の万博に出展する地方自治体や企業のイベントをサポート。企画から運営まで対応。


ムスリム受入対応施策セミナーの実施
ムスリム受入対応施策セミナーの実施

飲食店、観光&商業施設でのムスリム受け入れの課題に対応。戒律や訪日ムスリムの現状、そしてハラール料理の調理指導と試食会を実施。

自社運営ソーシャルメディアの活用
自社運営ソーシャルメディアの活用

「Madoo Japan」上で地方自治体や旅行代理店、企業とのタイアップ、イベントを実施。さらにポータルサイトを構築し、日本に興味を持つ層に対して、相互にコミュニケーションを図る場を提供している。


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お問い合わせ/株式会社石田大成社