:【Report】Digital Marketing Conference BigData Conference 2016 Spring

今マーケターは悩んでいる!?デジタル化時代のデジタルとアナログの活用最適解とは何か?

2016年4月18日(月)に東京の目黒雅叙園で開催された「BigData Conference」。ここでは、その幕開けを飾ったパネルディスカッションの模様をレポートする。MAを導入しても成果が出ないという悩みを持つ企業のマーケター必見の内容を、ぜひチェックしていただきたい。

  • 日本郵便 郵便・物流商品サービス企画部 担当部長 鈴木睦夫氏

    日本郵便
    郵便・物流商品サービス企画部
    担当部長
    鈴木睦夫氏

  • 日本オラクル クラウドアプリケーション事業統括 オラクルマーケティングクラウド本部 コンサルティング&エデュケーションサービス シニアディレクター 大山 忍氏

    日本オラクル
    クラウドアプリケーション事業統括
    オラクルマーケティングクラウド本部
    コンサルティング&エデュケーションサービス
    シニアディレクター
    大山 忍氏

  • マルケト バイスプレジデント 戦略・ビジネス開発担当 小関貴志氏

    マルケト
    バイスプレジデント
    戦略・ビジネス開発担当
    小関貴志氏

  • エクスペリアンジャパン クロスチャネルマーケティング部 プロダクトマーケティング シニアマネージャー 北村伊弘氏

    エクスペリアンジャパン
    クロスチャネルマーケティング部
    プロダクトマーケティング
    シニアマネージャー
    北村伊弘氏

  • 博報堂プロダクツ ダイレクトマーケティング事業本部 データベースマーケティング1部 部長 シニアデータベースマーケティングディレクター 大木真吾氏

    博報堂プロダクツ
    ダイレクトマーケティング事業本部
    データベースマーケティング1部 部長
    シニアデータベースマーケティングディレクター
    大木真吾氏

96%の消費者が自分に関係のない広告にうんざりしている?

 本パネルディスカッションのパネリストは、日本郵便の鈴木睦夫氏、日本オラクルの大山忍氏、マルケトの小関貴志氏、エクスペリアンジャパンの北村伊弘氏の4名。

 日本郵便でダイレクトメール(DM)市場の活性化に取り組む鈴木氏は、いわばマーケティングにおけるアナログツールを提供する側。一方、他の3名はマーケティングオートメーション(MA)ツールを提供する各社から招かれている。こちらは、マーケティングにおけるデジタル活用の旗振り役的存在だ。一見相反する立場のパネリストが集まり、何を語るのか? 注目のプログラムを見逃すまいと会場に集まった数多くの来場者が見守る中、ディスカッションがスタート。

 登壇者の自己紹介に続き、モデレーターを務めた博報堂プロダクツの大木真吾氏が最初のテーマに掲げたのが「企業がMAに期待していること」。鈴木氏を除く、MAツールを提供する企業の3名に質問が投げかけられた。

 日本オラクルの大山氏は、その問いに対して、消費者がデジタル化している中で企業もそれに対応しようとしているものの「96%の消費者が、自分に関係のないメッセージ、自分に関係のない広告が送られてくることに対して不快感を示している」という現状を指摘。これは多くの企業でデジタル、オフラインのデータを扱う事業部や担当者がバラバラで、統一されたメッセージを発信できていないことに起因しているという。そのため、現在「社内のデータを統合して360度の視点でお客様に向き合い、消費者のニーズに合わせてきちんとシームレスに情報を届けること」がMAに求められていることだと示唆した。

 続いて「BtoBのお客様もBtoCのお客様も突き詰めていくとそのゴールはライフタイムバリュー(LTV)の最大化を求めている」と延べたのが、マルケトの小関氏。そして、そのために「ツールベンダーとして企業とお客様のエンゲージメントを高めていくサポートを行っていく」と自社の役割を語り、「エンゲージメントを高めていくというのは、お客様の関心のある情報を『関心のあるカタチ』『望むチャネル』それから『望むタイミング』で届けること。これをツールとして実現することが(MAの役割)だと思います」と説明した。

 小関氏の話で特に重要だと思われたのが次の発言である。

「エンゲージメントを築くためのコミュニケーションは様々あるが、本質的に突き詰めていくとデジタル、アナログは関係なく、エンドユーザー様の望むカタチ、情報、タイミングで、届けていくことが重要だと考えています」

コミュニケーションのすべてをデジタルに閉じるのは間違い

 エクスペリアンの北村氏は、先の質問について、同社が長年取り組んできたメールマーケティングの観点から「(スマートフォンや『LINE』のようなコミュニケーションアプリの普及で)いままでのメールマーケティングのやり方──いわゆるバルク(メール)でアプローチするというところだと効果が頭打ちになってきている」と感じ、この課題を解決するためにMAを活用しようとする企業が多いと説明。

 ただし、この傾向について「本来MAが解決するものは『良好な顧客との関係の構築』です。そう考えると、単にいままでのメールマーケティングを(MAで)改善するというのはすこしギャップがある」と指摘した。

 つまり、MAはメールマーケティングだけを最適化するためのものではなく、オフラインも含めたクロスチャネルマーケティングを実現させるものだということ。しかし、メールマーケティングの改善だけを考えて運用してしまうと、MAは単なる「高価なメール配信エンジン」になってしまう。

 現在、マーケティング業界では、デジタル技術を活用したツールや技術ばかりが取り沙汰されているが、以上の発言をまとめると、アナログツールもないがしろにはできないということになる。しかし、それは考えてみれば当然のことかもしれない。大木氏がディスカッションの中で触れた言葉を借りれば、「情報選択や購買プロセスにおいて、生活者は無意識のうちに、デジタルもアナログも縦横無尽に行き来している」からである。

 また、話は前後するが、この内容に関して、プログラムの冒頭のパネリストの自己紹介の中に象徴的な発言があった。

 それは「技術の進歩でできることがたくさん増えてきているんですが、その一方でコミュニケーションまで全部デジタルに閉じてしまっている傾向を感じます。そこにすごく危機感を覚えています。ターゲティングなどはデータドリブンで構わないと思うんですけど、人間はデジタルではなく、アナログなので、すべてのコミュニケーションまでデジタルで閉じてしまうのはちょっと違うのではないでしょうか?」という日本郵便の鈴木氏のコメント。

 ここまでのやり取りを聞く限り、デジタルマーケティングの先端を行く3社とも、本質的なところでは、その考えに近いことが分かる。

 以上3名の発言を受け大木氏は「小関さんから『お客様の関心のある情報をいかに伝えるか?』という話がありましたが、(そのための前提となる)企業の顧客データは、基本的な性別、年代、あるいは職業などの情報が取れていると思います。しかしこれには限界があります。その中で、データを太らせる工夫にはどのようなものがあるのでしょうか?」と改めて質問。

 これに対し、小関氏は「昔からある手法で今でも根強いのがアンケートです。イベントごとに取るのですが、これをこっそりと行っているのがWEBサイトの行動トラッキングだと思います。消費者の方や企業の購買担当の方がWEBサイトに来ると、その方が『どのリンクをクリックしているのか?』『どのページを見ているのか?』『どの資料がダウンロードされているのか?』『どの動画を何分見ているのか?』ということが今の技術では分かる。これを続けていけばその人の興味の度合い(に関する情報が)、どんどん貯まっていくのです。それでも足りない場合はDMPのオーディエンス情報などの外部データの活用が考えられます」と語った。

 デジタルとアナログの活用の鍵は、まずデジタル技術で顧客情報をうまく集めることにあると言えそうだ。

デジタル化社会だからこそのDMのさまざまな優位点

このページのトップに戻る