成功する海外展開 中堅・中小企業の海外進出を官民で総力支援 まずは現状分析・戦略策定からワンストップサービスで 「これまで個々に支援してきた政府機関、地方自治体、商工会議所、金融機関などが連携し、日本全国で最適な支援サービスを提供します」 独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO=ジェトロ)理事長 石毛 博行氏

 日本や米国を含む12カ国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP)をはじめ、ヒト、モノ、資本、情報が自由に行き来する自由貿易の拡大は、世界的な潮流として、ますます進むだろう。
 こうした状況により、輸出や海外進出など海外展開による新たな成長のチャンスも広がる。大企業だけでなく、世界的に優れた品質、技術力、サービス力などを誇る日本の中堅・中小企業にとっても、大きな飛躍のチャンスとなる。
 とはいえ、自力だけで海外展開に踏み出すのは難しく、何から手を着けたらよいかもわからないという企業も少なくないだろう。

新輸出大国コンソーシアム

 そこで、官民の支援機関が連携し、経験豊富な専門家の知見も活用し、全国の中堅・中小企業の海外展開を一歩踏み込んで支援していく「新輸出大国コンソーシアム」が、政府主導で今年2月に設立された。
 同コンソーシアムの特長を、「これまで個々に支援してきた政府機関、地方自治体、商工会議所、金融機関などが連携し、日本全国で最適な支援サービスを提供できること」と説明するのは、独立行政法人 日本貿易振興機構(J E T R O=ジェトロ)の石毛博行理事長。現時点で約1000機関が参加し、ジェトロが事務局を担当している。
 支援を受けたい企業は、まず無料でコンソーシアムに会員登録。すると、企業ごとに「コンシェルジュ」と呼ばれる担当者がつき、最適な支援機関や専門家を紹介する。こうしたワンストップサービスも特長の一つだ。


専門家による支援も無料

 経験豊富な専門家による支援も無料で受けられる。現地調査などで海外渡航に同行する場合も、専門家の旅費や滞在費などはコンソーシアムが負担する。
 専門家は、商社やメーカーなどで様々な海外ビジネスを経験してきた約300人。「海外展開フェーズに応じた専門家」「重点産業を支援する専門家」「個別課題に対応する専門家」の大きく3タイプに担当が分けられる。

1 海外展開フェーズに即した専門家
2 重点産業を支援する専門家
3 個別課題に対応する専門家

様々な分野のニーズに対応

 海外展開フェーズに応じた専門家には、海外展開戦略策定支援エキスパート、ハンズオン支援パートナーの2タイプがある。何から手を着けてよいかわからない企業などに、その現状と課題を分析し、アドバイスするのが、前者の海外展開戦略策定支援エキスパートだ。その一人の竹田真奈美氏は、「答えは実は各企業の中にあります。SWOT分析などで、それに気づいていただくようにしています」と話す。
 ハンズオン支援パートナーは、戦略策定から事業計画作成、計画実行まで一貫して支援する。「ジェトロの長年の知見がマニュアル化、ツール化されていて、我々の経験と合わせて、柔軟かつ的確に判断できると考えています」と、ハンズオン支援パートナーの浅野修一氏は説明する。
 重点産業を支援する専門家は、それぞれ農林水産・食品、ものづくり、サービス/ヘルスケア/クールジャパン・コンテンツの3つの重点分野を担当する。各関連業界に精通した専門家が、ニーズに合わせた情報提供、アドバイス、キーパーソン紹介などで支援する。
 個別課題に対応する専門家は、基準・認証、英文貿易実務、高度外国人材の採用・定着といった個別課題に関して、その豊富な知見・経験を基に、的確な支援を提供する。
 海外展開に向けて、できるだけ費用を抑えながらも充実した支援を受けたいと考える企業からすれば、まずアプローチしてみる価値はあるだろう。

企業に寄り添う経験豊富な専門家

VOICE 利用企業の声

坂本 智美氏

目標だった海外展開を現実的視野に

丸信金属工業株式会社(栃木県) 専務取締役 坂本 智美 氏

 花器などのアルミ製装飾品の自社ブランド「ALART(アルアート)」を立ち上げて18年。海外の展示会に出品して単発的な取引もありましたが、本格的な海外進出は難しいと感じていました。海外展開戦略策定支援を受けて、SWOT分析などで足下を見つめ直せたことで、目標だった海外展開が現実的な視野に入るようになりました。(談)

岩﨑 秀樹氏

模索していたベトナム進出をスピードアップ

株式会社アイ・ディ・ケイ(神奈川県) 代表取締役社長 岩﨑 秀樹 氏

 主力事業の映像機器関連で現地法人をベトナムに設立する計画があり、神奈川産業振興センターのご紹介でハンズオン支援を受けています。欧米などに進出した経験はありましたが、ベトナムの現地事情は全くわからず、今は試行錯誤する時間的余裕もありません。的確なアドバイスのおかげで、計画実行をスピードアップできていると実感しています。(談)

島田 政典氏

「釣り金目」をタイに初輸出、HACCP対応も

有限会社〆印島長水産(千葉県) 代表取締役 島田 政典 氏

 新たな事業の柱とするために、銚子特産のブランド水産物「釣り金目」を、タイをはじめアジアに輸出する事業を進めています。ジェトロ千葉を通じて、このコンソーシアムを知り、支援いただき、新たな協力企業との関係も構築できたからこそ実現できました。取引拡大に向け、食品安全性の観点からHACCP対応にも着手しています。(談)

鈴木 宏子氏

自動車部品試作で米ビッグ3向けも視野に

共和産業株式会社(群馬県) 代表取締役社長 鈴木 宏子 氏

 国内メーカー向けに自動車のエンジン部品などの開発試作を請け負ってきましたが、これからは米ビッグ3向けなど海外への進出も必要です。そのためには現地のコネクションづくりが重要で、米国での展示会への出展、セールス顧問探しなど、具体的な方策を臨機応変に的確に助言していただける専門家の存在は、本当に心強いです。(談)

前田 一成氏

日本米おにぎり専門店をグローバル展開

アグリホールディングス株式会社(東京都) 代表取締役社長 前田 一成 氏

 農業から流通まで、農産物のグローバル・フード・バリューチェーンの構築を目指しています。シンガポールで始めた日本米おにぎり専門店「さむらいす SAMURICE」、続く米ニューヨークへの出店で、このコンソーシアムを利用しています。現地のキーパーソンなどに関する情報・助言の精度が高く、事業展開を加速できています。(談)

専門家による個別支援サービス 新輸出大国コンソーシアム
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