イクメン推進シンポジウム2016開催 イクメンが日本の働き方を変える

イクメン企業アワード2016

管理職を巻き込んで行う、仕事と育児の両立支援の取組

 男性の仕事と育児の両立を積極的に促進し、業務改善を図る企業を表彰する「イクメン企業アワード」。4回目となる今年は、応募総数31社の中から、グランプリに2社、特別奨励賞に2社が選ばれた。男性の育児休業取得の数値に大幅な効果を上げるとともに、企業にもさまざまなメリットをもたらしている、その具体的な取組を紹介する。

「今年の特徴は、ハードワークなイメージの業界からも受賞企業が出ている点」と総評する、イクメンプロジェクト推進委員会座長の駒崎弘樹氏
受賞した4社と、厚生労働省 吉田学氏、駒崎弘樹氏での記念撮影

イクメン企業アワード2016 グランプリ受賞 株式会社丸井グループ所在地東京都業種卸売業、小売業従業員数5962人

トップダウン、ボトムアップ、両者からの取組が成果につながる

 子どもが1歳になるまでの間、最大7日間有給休暇を取得できる「短期育児休職制度」を導入。また、管理職同士が多様な働き方や両立支援について話し合うワークショップ「ダイバーシティフォーラム」を多数開催することで、男性の育児休業取得率の大幅上昇につなげた。さらに、制度の存在を知らない従業員をなくすため、全従業員向けに「ダイバーシティブック」を作成。トップコミットメントの発信や、ロールモデルの紹介も行う。一方、育児の時期に一時的に勤務地エリアを限定できる「エリア限定制度」や、30を超える多様な就業パターンの設定など、従業員のニーズに応じた取組を講じる。また、事業所別に「時間外勤務目標」を、設定根拠とともに毎月提出する仕組みを設けるなどの業務改善を行い、労働時間の削減を達成するなど、着実に成果を出している。

丸井グループは一昨年にも特別奨励賞を受賞。着実に成果を出した結果、今年のグランプリに。

主な取組

子どもが1歳になるまでに最大7日間有給を取得できる「短期育児休職制度」を導入

育児を事由に一時的に勤務エリアを限定できる「エリア限定制度」を導入

営業店には10分単位30種超の「多様な就業パターン」を設定

事業所別に月別の「時間外勤務目標」を設定

効果
  • 男性の育児休業取得率 2013年度14%→2015年度66% 2年で52%上昇
  • 所定外労働時間 2007年130時間→2015年40時間 年間90時間削減
  • 総残業代 2007年33.6億円→2015年7.6億円 年間26億円削減

イクメン企業アワード2016 グランプリ受賞 リコーリース株式会社所在地東京都業種物品賃貸業従業員数670人

リコーリース株式会社は、上司や配偶者も巻き込んで、全方位的にイクメンを推進した。

育児休業取得の積極的な推奨で、
男性の育児参画に対する意識を改善

 子どもの生まれた男性社員が最低5営業日以上の育児休業を取得する「育メン・チャレンジ休暇制度」を導入。単なる育休ではなく、休暇中に育児や家事に率先して取り組むことで男性の意識改革を図ることを目的としている。制度では、配偶者からのコメントつきの実施内容の報告書の提出を求めるなど、男性の育児参加に効果的な制度となっている。休暇取得の案内を出す際は、本人はもちろん直属の上司、役員にも案内を送り、報告書の提出も上司を通じて人事部へ提出する。そのようにして上司らを巻き込むことで、男性の育児参加及び育児休業取得に対しての理解促進が進んだ。また、残業時間を減らすため、部門別の残業時間目標値を設定。2カ月連続で未達成の場合は、理由と、達成に向けた改善報告書を提出しなければいけない仕組みとしたことで、残業は取組前と比べて約50%削減。「終わらせる」意識を根付かせた。

主な取組

子どもの生まれた男性社員が最低5営業日以上の育児休業を取得する「育メン・チャレンジ休暇制度」を導入

育児休業取得後は、配偶者からのコメントつきの「実施内容報告書」を提出

「残業時間削減」のために部門別の残業時間目標値を設定

「長時間労働に対する注意喚起」のために労働時間管理徹底のための支援ツールを導入

効果
  • 男性の育児休業取得率 2013年度20%→2015年度76.5% 2年間で56.5%上昇
  • 月間平均残業時間 2008年度16.9時間→2015年度8.6時間 7年間で半減
  • 長時間残業(月45時間超)件数 2013年度73回→2015年度37回 2年間で半減

イクメン企業アワード2016 特別奨励賞受賞 大成建設株式会社所在地東京都業種建設業従業員数8095人

労使一体となり、働き方改革に取り組む

 「年間100日以上の休日・休暇の確保」「残業時間を毎月100時間以内におさめる」「節目休暇(作業所異動時に取得できる休暇)の取得率100%」を目指した「トリプル100」運動を実施。その後、「男性育休取得率100%」の目標が加わった「トリプル100プラス1」運動を2016年7月より開始。

男性比率が比較的高く、ワークライフバランスの充実が難しいといわれる業界での受賞だ。

 トップダウンでの取組も積極的に取り組む。毎月1日に働き方に関するトップメッセージを発信。さらに、定期的に社内を巡回し、育休をとるように働きかけるなど、従業員がいきいきと働ける職場環境を目指しているというトップの姿勢を継続的に示す。その他、育児休業5日間を有給扱いにするなど制度も整え、ワークライフバランスの充実が難しいといわれる業界で、着実に成果を残した。

主な取組

子どもが2歳になるまでに取得可能な育児休業のうち「5日間を有給化」

長時間労働削減と男性の育児休業取得向上を目指す「トリプル100プラス1運動」の実施

効果
  • 男性の育児休業取得者数
    2006~2015年度年平均2.7人
    →2016年度上半期26人
  • 節目休暇(作業所異動時休暇)取得率
    2014年度68%→2015年度95%

イクメン企業アワード2016 特別奨励賞受賞 大和証券株式会社所在地東京都業種金融業、保険業従業員数8519人

目標を掲げた取組で、職場環境を整備

 年休や連続休暇、育児との両立支援制度の利用予定を社員同士で共有できる「制度利用カレンダー」を導入。年休取得促進につなげた。男性の育児休業取得促進については、子どもが生まれた男性社員本人および、上司にも案内メールを送り、休暇取得の働きかけを行っている。2016年から、子どもの行事に合わせて休暇を取得できる「キッズ・セレモニー休暇」も新設。こういった取組を通し、2020年度までに男性の育児休業取得率を100%にすることを目標に掲げている。一方、労働時間の削減に向けては、全社員に19時前退社を励行。結果、自己研鑽に励む社員が増加し、CFP(高度な知識と経験を持つファイナンシャルプランナー)資格取得者は2016年10月時点で、金融機関NO.1の624名の実績をあげた。

CFP取得者の増加は、人材の高度化であり、結果的に競争力のアップにつながる。

主な取組

年休や連続休暇、育児との両立支援制度の利用予定を所属部署全員が共有できる「制度利用カレンダー」を導入

全社員に向け「19時前退社」を励行

効果
  • 男性の育児休業取得者数
    2013年度2%→2015年度73%
  • CFP取得者 2005年170人→2016年624人

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イクメン推進シンポジウム2015

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