イクメン推進シンポジウム2016開催 イクメンが日本の働き方を変える

イクボスアワード2016

イクメンを応援する仕組みづくりと
風土づくりに励むイクボスたち

 今年で3回目となる「イクボスアワード2016」では、応募総数59名の中から、グランプリ3名、特別奨励賞4名が表彰された。部下の仕事と育児の両立を支援する取組を行いながら、自ら率先して定時退社や休暇取得を実践し、ワークライフバランスの大切さを示しながらその風土づくり行っている、7名のイクボス達の声を紹介する。

「一人のイクボスの存在が、未来のイクボスを育てることにもつながる」とイクメンプロジェクト推進委員会委員の坂爪洋美氏。
受賞者らと厚生労働省の吉田氏、イクメンプロジェクト推進委員会のメンバー。今年は過去最多となる7名の受賞。

イクボスアワード2016グランプリ受賞 青森県警察 弘前警察署長 齊藤 重光氏

仕事ではやりがいを、家庭では生きがいを

 かねてより、結婚や出産を契機にした退職=人財(「財」=たから)喪失がもったいないと思っていました。そこで、夫婦や家族を同じ所属や勤務地に人事配置し、共に生活できるような制度改革に取り組みました。
 また、定時退社を自ら率先して実行するとともに、「月一休暇と八日飲み」と称した、月1回の年次休暇の取得と8の付く日のノー残業を推奨。さらに、メールによる月2回の「署長訓示」や給料日の「メッセージ」、毎週金曜日の「週末ランチ」などで、積極的に署員への情報発信とコミュニケーションを行い、居心地の良い職場環境づくりに励んでいます。
 結果、当署においても男性警察官の育児休業取得第一号が出たり、配偶者出産休暇や育児参加休暇を取得する署員が増えてきました。仕事ではやりがいを、家庭では生きがいを持ってもらえるよう努力することが、地域を守ることにもつながると思っています。

齊藤重光氏は、公務員として初のイクボスアワード受賞となった。

イクボスアワード2016グランプリ受賞 戸田建設株式会社
東京支店 建築工事5部長 森田 誠氏

現場で撮った写真や動画をまとめた映像を作り、懇親会で上映。団結力に寄与しているという。

風通しの良い職場環境づくりが管理職の仕事

 会社から、ある程度自由と責任を任される現場監督という仕事をしています。だからこそ、部下がいきいき働けるように、風通しの良い職場環境をつくることが自分の仕事だと思っています。
 具体的な取組としては、18時以降の残業については理由を提示させて、付き合い残業を減らす努力を行っています。また、3カ月先までの休日を全員で共有し、皆がお互いに休みやすい雰囲気を作っています。飛行機が早割で買えるようになった、といった声も聞かれます。
 自ら率先して「この日は子どもの誕生日なので早く帰ります」と宣言するなど、自己開示を積極的に行って、ワークライフバランスに対する社員の意識向上を図っています。また一級建築士の資格試験受験者には、1カ月前から残業を禁止し、試験前1週間は休みにするなど、スキルアップをサポートしています。
 常にコミュニケーションをとることが、なにより効率化につながると思っています。

イクボスアワード2016グランプリ受賞 P&Gジャパン株式会社
経営管理本部アソシエイトディレクター 鷲田 淳一氏

部下一人一人の能力を信じる

 自ら毎日定時出退社し、「フレックスワーク」(勤務時間を月単位で管理・調整できるフレックス制の進化形)や「ロケーションフリーデー」(月に5日間、自宅やそれ以外の場所で勤務できる在宅勤務の進化形)などの制度を最大限活用して、ワークライフバランスの充実を図っています。責任のある立場だからこそ、限られた時間の中でも効率よく結果を出すことを心がけています。
 一方で、部下への配慮も欠かせません。同じように制度の活用を勧めたり、一人一人に合った働き方を一緒に考えます。また、個人面談を2週間に1回1時間ずつ行っています。進捗はもちろん、それぞれのキャリア形成や、強み・弱みを理解。丁寧に面談をすることが、能力を引き出し、チームとしての最高のパフォーマンスにつながると思っています。これからも綿密なコミュニケーションをとり、部下=チームメイトの能力を信頼するカルチャーを醸成していきます。

「上司と部下の関係性というよりは、自分にとってはチームメイト」だと話す鷲田淳一氏。

イクボスアワード2016特別奨励賞受賞

株式会社セプテーニ
オペレーション本部
シニアディレクター 井上 祥子氏

同社の平均年齢は29歳で、ライフイベントも多い世代。だからこそきめ細やかな支援は効果的だ。

きめ細かな施策と支援がイクメンへの理解につながる

 これまで、社員のワークライフバランス向上を目的とした部署横断プロジェクト「hug-kumi(はぐくみ)委員会」の施策として、出産を控えた女性社員に対して社内外の支援制度の説明をする「ママ面談」を行ってきました。男性社員向けにも実施してほしいという要望が増え、昨年からは「パパ面談」も実施するように。これをきっかけに男性社員の育児への理解度が高まったと思っています。普段から「今日は妻が残業なので早く帰ります」という男性社員の声も聞かれ、効果が表れていると感じます。
 また、チームのタスク管理のために「キャパシティカレンダー」を作りました。どのような仕事にどれだけ時間がかかっているのかをエクセル化。これは、残業の削減や、部署間の仕事量の差を減らすことに役立っています。

イクボスアワード2016特別奨励賞受賞

日本オーチス・エレベータ株式会社
東日本支社 神奈川支店 横浜営業所
所長 日比野 寿実氏

プライベートでは4児の父。幼稚園の「パパの会」に所属し、園の力仕事やバザー等に参加する。

柔軟な働き方で
ワークライフバランスを推進

 エレベーターのメンテナンスや点検を行う現場職は、休日出勤や夜間作業、突発的な出勤など、時間が不規則なことが多いです。そのため、早朝に点検業務があった社員は早い時間に退社するなど、変形労働を導入しました。また、現場からの帰社が遅くなるときは、直帰を推奨。そうすることで、いったん会社に立ち寄って、工具をおろし、作業服から着替えてから帰宅する。この時間が短縮できます。
 また、営業所で独自に「ワークライフバランス委員会」を設立しました。休暇取得理由をオープンにすることで互いにサポートし合う空気が生まれるなど、より良い職場環境がもたらされています。自分自身も4人の子育てのために早く帰宅したり、積極的に休暇を取り、部下が休みやすい雰囲気を醸成しています。

イクボスアワード2016特別奨励賞受賞

株式会社JSOL
流通・サービスビジネス事業部 
チームマネジャー 三尾 幸司氏

先に年間スケジュールを考え、PTAの集まりなどの行事の時は予定が入らないようにしている。

自らが見本となり楽しく働ける職場環境をつくる

 営業で100人ぐらいの部ですが、働き方を変えるプロジェクトのリーダーをしています。このプロジェクトでは、残業時間の削減に取り組んでいます。ノー残業デーはもちろん、週の残業時間の上限を7時間にし、超えるときは申請を必要とする仕組みにした結果、2カ月で3割減を達成しました。また、チームごとに業務効率化を進め、その取組を他チームに共有する仕組みを作りました。これらの取組はほとんどの社員から好評です。
 その他、毎月部下との面談を行っています。仕事の話はもちろん、プライベートの話も聞いたりして、コミュニケーションをきちんととるようにしています。
 これからもイクボスとして、定時退社を基本とし、家事や3人の子育て、学校のPTA会長の仕事など、プライベートも全力で楽しんでいきます。

イクボスアワード2016特別奨励賞受賞

コネクシオ株式会社 常務執行役員 
コンシューマ・マーケティング部門長
森下 大二郎氏

働き方改善は、ES向上、ひいてはCS(お客様満足度)向上につながっているという。

一つのモデルケースから大きな働き方改善の実現へ

 年中無休の店舗業務におけるES(従業員満足)向上のための職場環境改善を考えていた頃、育児で時短勤務をしていた女性副店長から、「フルタイムではないですが、効率は負けません!」と言われました。それがきっかけで、時間単位の生産性や自分時間の充実が、従業員や会社を成長させる原動力だと実感。その後、社内外の調整を経て、その女性を社内初の短時間勤務の店長に就任させることができました。
 それ以降、総勢4000名の従業員が働くショップ営業関連部門において、「働き方改善」に本格的に取組ました。14時始業や15時退社といった変形労働制の導入、年次有給休暇7日連続取得の推奨などを行いました。休むと評価が下がってしまうのではなく、業務に対してしっかりと評価するような意識が根付いていると感じます。

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