デジタルトランスフォーメーション デジタルの力で未来を変える

Microsoft Foresight Report 02 人を中心とするデザインとコグニティブ(認知)で顧客経験価値を向上させるには?ソフトバンクロボティクス、トヨタメディアサービスの事例に学ぶ

データ活用は試行錯誤で進化する
すでに現場での成果は出ているがその裏には地道な取り組みがある

パネルディスカッションの1つめのテーマは「テクノロジーの進化により顧客接点で得られるデータとその活用法」である。ソフトバンクロボティクスの吉田氏は「Pepperは、来店客数、男女別カウント、感情といったビッグデータを収集するための装置としても究めて有用です」と語り、セールストークの内容を店舗ごとに変えて購買に関するA/Bテストを実施するといった試みも数時間で始められることを強調。トヨタメディアサービスの堂原氏は「音声認識の精度を高めるのは難しいというのが実情。当社では単語の追加や条件判定の精緻化といった泥臭い取り組みを続けています」と苦労を語ったうえで、“頭でっかち”の考えよりも、まずデータを集めて何が出てくるかを地道に検証していくことが結局は近道になると語った。

こうした現場からの声に対して、IDEO Tokyoのペレズ氏は「ビッグデータに対してどのような質問をすれば問題を解決できる回答が得られるか、まだ誰にも分かっていません」と回答を導き出せるような質問を考えることの重要性を指摘した。また、日本マイクロソフトの田澤氏は試行錯誤や“考えるために作る”を可能にする技術として、マイクロソフトにはCortanaベースの自然言語型ユーザーインタフェース「Conversation as a Platform(CaaP)」があることを紹介。「機械学習や深層学習の技術が進むと、より顧客のことを知り、顧客に快適な反応を返せるようになることでしょう」と語った。

2つめのテーマは「テクノロジーによる新たな顧客経験価値の創造」。ホスピタリティや顧客経験価値を向上させるには、顧客が何に関心を持っているかをよく観察することから始めるべきだという議論がなされた。例えば、顧客はどうやって商品を選んでいるのか、その情報源は何か、どのような方法で購入しているか、店員やコールセンターオペレーターとどのように対話しているかといった情報をクラウドやコグニティブの技術を通じて入手し新しいサービスの提供に役立てることできる、そのような未来が、すぐそこまで来ているのではないか。

ソフトバンクロボティクスの吉田氏は「Pepperの画像認識は、進化を続けている途中です。将来的には、金融機関の店頭で振り込め詐欺の犯人の認識などにも役立てるといった可能性もあるのではないでしょうか」と、AIをはじめとするテクノロジーの進化に期待する。また、堂原氏は「G-Linkのコンシェルジェサービスでもっとも多い要求の1つは、『自宅への帰り道を設定してほしい』という人的サービスの領域です。こうした領域にもAIを活用できると可能性が広がりますね」と未来への展望を語った。

最後に、田澤氏は「デジタルによるトランスフォーメーションと併せて、われわれ血の通った人間としてのアナログな感覚を生かしていくことも大切です」と語った。人を中心に据えた顧客経験価値をデザインしていくためにもデザイン思考やインクルーシブデザインは重要な役割を担うことになるとパネルでの議論をまとめた。

ビジネスの大転換をデジタルで支援
デジタルトランスフォーメーションでお客様の成功を支援
マイクロソフトが提供すするデジタルアドバイザリサービスとは

変化のスピードがますます加速し、他業種からの参入や新しいアイデアによって業界の秩序や構造が一夜にして変わってしまう――。

今、日本を含む世界のあらゆる企業がこのような動きの激しいビジネス状況に直面している。そこで注目されているのが、デジタル技術でビジネスモデルを大転換することによって“生き残り”と“さらなる成長”を図るデジタルトランスフォーメーションだ。

日本マイクロソフト エンタープライズ&パートナーサービス統括本部 デジタルアドバイザリサービス本部 チーフデジタルアドバイザー 田澤孝之氏は「製品の特長と機能を重視する製品経済の時代には、イノベーションの周期はおよそ8年から25年でした」と語る。その後にITをベースとした自動化が特長の「情報経済」と顧客経験を価値とする「エクスペリエンス経済」の時代が続き、現在は継続性のあるビジネスモデルとイノベーションを追求する「デジタル時代」に突入していると説明する。

日本マイクロソフト株式会社
エンタープライズ&パートナーサービス統括本部 デジタルアドバイザリサービス本部
チーフデジタルアドバイザー 田澤 孝之 氏

このようなデジタル時代の企業には、最新のデジタル技術をビジネスモデルにうまく取り込み、デジタルトランスフォーメーションとして結実させることが求められている。すでにビジネスでもプライベートでも幅広く使われているデジタル技術の代表格が、スマートフォンである。そして、製造業の世界では産業用ロボットや3Dプリンタ、流通業などではドローン、マーケティングやエンターテインメントの領域ではAR(拡張現実)、VR(仮想現実)やMR(複合現実)を実現するデバイスも使われ始めている。また、世界のすべてのモノをネットワークにつなぐことを目指すIoTでは、センサーの役割も重要だ。

そうした現状認識を踏まえて、マイクロソフトはデジタルトランスフォーメーションに取り組む企業を「よりパーソナルなコンピューティングの実現」「生産性およびビジネスプロセスの改革」「インテリジェントなクラウドプラットフォームの構築」の3つの技術領域で支援していく。さらにその具体的なシナリオとして、「お客様とつながる」「社員にパワーを」「業務を最適化」「製品を変革」の4つを定義。例えば、顧客経験価値を高めることでデジタルトランスフォーメーションを成し遂げようとしている企業には、顧客接点の最適化と顧客からの情報の分析にコグニティブを活用する「お客様とつながる」シナリオを勧めようとしている。

マイクロソフトはデジタルトランスフォーメーションに取り組む企業を
「よりパーソナルなコンピューティングの実現」「生産性およびビジネスプロセスの改革」
「インテリジェントなクラウドプラットフォームの構築」の3つの技術領域で支援

ただ、ディスカッションのテーマでもあった「顧客中心デザインとコグニティブを活用して顧客経験価値を高める」ことが理解でき、すでに実践している企業での活用実態を知ったとしても、それだけですぐにデジタルトランスフォーメーションが実現できるわけではない。適切な目標を設定し、実行可能な計画を立て、きちんと成果を確認するには、専門家によるアドバイスが不可欠だ。

そうしたコンサルティングをサービスとして企業に提供するのが、Microsoftのデジタルアドバイザリサービスである。このサービスがマイクロソフトのグローバルなプログラムとして、スタートしたのは、2016年7月。すでに、国内でも10名のデジタルアドバイザーが、マイクロソフトコンサルティングサービスの一環としての活動を始めている。

デジタルアドバイザリサービスで提供するプロセスは、Vision(デジタルトランスフォーメーションジャーニーの文書化)、Value(デジタルトランスフォーメーションのあるべき姿とロードマップ)、Realize(デジタルトランスフォーメーションの具現化)の3つである。最後に、田澤氏は、日本企業におけるデジタルトランスフォーメーションの実現にあたり「業界動向の調査から始まり、デジタルエンビジョニング→デジタルトランスフォーメーション計画→バリューマネージメントとレポートと進むプロセスを通じて、製造業、金融業、自動車、小売り、消費財メーカーといった各業種・各業界ごとのベストなデジタルトランスフォーメーションジャーニーをお客様とともに、考えデザインしていきたいと思います」と今後の方向性を語った。

デジタルトランスフォーメーションに向かうプロセスの最初から最後までを、
一貫して支援できる

マイクロソフト デジタルアドバイザリーサービス
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