2016年9月28日(水)から30日(金)の3日間、「日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2016」が開催される。本イベントの主役は、社会課題の解決に向けた優れたアイデアを持つ10組11人のソーシャルイノベーター。公募によって選ばれた彼らには、上限1000万円の事業資金が日本財団から提供される。さらに、イベントの最終日には特別ソーシャルイノベーターが3名選出され、これまでにない大規模な資金が提供される予定だ。ソーシャルイノベーターの選定を行うプロジェクト委員を務める日本交通の川鍋一朗氏と日本財団の青柳光昌氏が、本イベントの意義について語り合った。

社会課題の解決にはマルチセクターの協力体制が欠かせない

CAPTER 01 社会課題の解決にはマルチセクターの協力体制が欠かせない

川 鍋 「日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2016」を開催する背景や目的について、改めて教えてください。

青 柳 福祉や教育をはじめとした社会問題は、これまで税収を再分配する形で行政が対応してきました。しかし、複雑化する現代の社会課題は、もはやそうした手段では対応しきれません。これからは行政や企業、NPO、研究機関などが有機的に連携して取り組んでいく必要があると考えます。ただ、現実には各主体の取り組みは個別の対応になりがちで、そうしたセクターを超えた協力体制の事例はほとんど生まれていないのが現状です。
 各セクターが手を取り合い、それぞれの得意分野を生かすための議論を促し、新たなアクションを生むきっかけにしてほしい。それが、「日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2016」開催の目的です。

川 鍋 日本の人口はこれからも減っていきますし、高齢化の進展は避けられません。問題はますます高度化していきますね。

青 柳 おっしゃる通りです。重要なのは、今ある社会の状況を受け入れたうえで、どうつくりなおしていくかだと思います。悲観的になることなく、前向きな議論ができる場にしていきたいですね。

ソーシャルイノベーターの選考を通じて社会活動に競争原理を働かせる

CAPTER 02 ソーシャルイノベーターの選考を通じて社会活動に競争原理を働かせる

川 鍋 今回のイベントは、まさに日本財団にしかできない支援のかたちだと感じます。提供される事業資金の金額を最初に聞いたときは、思わず私もノミネートしようかと思ったくらいです(笑)。社会起業家を対象としたこうした場は、私が知る限り他にありません。一部のビジネスコンペなどで要求されるのはあくまで短期的なリターンです。
 一方、ソーシャルイノベーション支援制度には、大規模な事業資金の支援が受けられるベネフィットがありながら、早急なリターンが求められないという素晴らしい性質があります。ただし、その分きちんとした選考があるのが特徴的ですね。選考を通じて第3者の視点が入り、緊張感が生まれて社会起業家が鍛えられる。社会活動に競争原理を働かせるところにこのイベントの新しさ、独自性があると思います。

青 柳 ありがとうございます。社会活動の担い手たちは、自分たちができる範囲を自分たちで決めてしまっている節があります。選考の過程がその殻を破るきっかけになればいいですね。今回選定した10組のソーシャルイノベーターにはお金を渡して終わりではなく、資金面以外でもバックアップしていきたいと思っています。

社会課題の解決こそが新しいビジネスにつながる

CAPTER 03 社会課題の解決こそが新しいビジネスにつながる

青 柳 手元の資金でどれだけ社会にインパクトを与えられるかという意味では、ビジネスにも通じる部分がありますね。

川 鍋 本質的には同じだと思います。社会の要請を受け、社会に役立つことをして、残った利益をまた社会に還元していく。それが企業のあるべき姿であり、社会課題の解決こそが新しいビジネスにつながります。どうせ働くなら、社会の役に立つ仕事をする方がより自己実現に近づくことは間違いありません。

青 柳 御社が提供している「陣痛タクシー」などのサービスは、まさにその実践といえるのではないですか。

川 鍋 そうですね。陣痛タクシーに対する乗務員のモチベーションは非常に高いものがあります。数あるタクシー会社の中から当社を就職先として選ぶ動機にもなっているようで、もはや当社の看板ともいえる存在です。
 いざというときにすぐにタクシーを呼べる安心感はとても大きいと、利用される妊婦さんからは高い評価をいただいています。タクシーは公共交通機関ですので、これからも公の視点は大切にしていきたいと考えています。

青 柳 御社の取り組みの素晴らしさは、本業を通じて社会に価値を提供している点にあると感じます。大きな企業ほどCSR活動に熱心な傾向がありますが、意外と本業とは無関係の取り組みをしているケースが少なくありません。
 企業の担当者にとって、今回のイベントは自社で行っている社会貢献の取り組みやパートナーを見直す機会にもなるはずです。本業として社会に貢献できるビジネスを検討する場として、ぜひ活用してほしいです。

日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2016 詳細はこちら日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2016 チケット申し込み

日本財団

9月28日~30日開催
日本財団ソーシャル
イノベーションフォーラム
2016

日本財団は、これまでのアプローチでは解決が困難な社会課題に対し、ソーシャルイノベーションのハブとしての役割を実行するため、各セクターからの参加を募った大型イベント「日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2016」を開催
時期:2016年9月28日~30日
場所:虎ノ門ヒルズフォーラム
参加人数:延べ2,200名

フォーラム詳細

日本財団とは

ボートレースの収益金や寄付金を活用し、子ども、障害者、高齢者、災害などの分野で社会貢献活動を行っている公益財団法人。国内外の様々な社会課題解決に向け、企業や行政機関との連携事業にも力を入れている。

日本財団公式サイト

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