これまで紹介してきたように、さまざまなメリットを持つインクジェット印刷は、多彩な分野で活用されているが、今後特に躍進が期待されるのが、装飾・加飾と言われる分野。建材やインテリア、自動車の内装などから食品まで、さまざまなメディアに模様やロゴなどを印刷する分野である。

日本での活用はまだこれからだが、アメリカやヨーロッパでは既に利用が進んでおり、たとえばタイルの生産量は、いまやインクジェット印刷による装飾が、従来工法を上回っているという。

装飾・加飾分野では、さまざまな用途にインクジェット印刷が活用されている。たとえば建材やインテリアの分野でいえば、前ページで紹介した壁紙の他に、床材やカーペット、カーテンやロールスクリーン、各種家具類、さらにはガラスまで、従来では難しかったビビッドで印象的な写真やイラストなどを印刷できる。

これらを利用することで、従来限られたカタログなどで選ぶしかなかったインテリアに、まったく新しい選択肢が登場することになる。自分だけの特別な空間を作りたいと望む顧客に、魅力的な提案が可能になり、顧客満足度の大幅な向上が期待できる。

他にも、スマートフォンのケースや自転車のフレームといった金属や、クッキーやマカロンなどの食品にも印刷可能。イラストやメッセージを小ロットで印刷できるので、結婚式の引き出物やパーティーのおみやげなどに最適だ。変わったところでは、インクジェット印刷によるラテアート(カフェラテの表面に模様を描くこと)まで可能。印刷面とノズルが非接触だからこそ可能になる技である。

いま、この装飾・加飾分野で躍進を続けるのが、リコーである。

スマートフォンのケースやマカロンにもインクジェット印刷は活用されている。

※上記の画像はすべてイメージ画像です。

多彩なインクに対応できる
ヘッドが強み

リコーは、30年以上前から産業用インクジェットヘッドを開発・製造してきた。その豊富な実績と蓄積された技術力により、そのヘッドは多くのプリンターメーカーで採用されている。産業用インクジェットプリンターメーカーは世界で100社以上あるが、プリンターの心臓部であるヘッドを製造できるメーカーは限られる。

また、インクジェット印刷は、多彩なメディアに印刷することから、対象物に合わせてインクを変える必要がある。建材に利用するなら耐候性・耐光性に優れていなければならないし、布、金属、樹脂、ガラスなど特性が異なる素材に美しく安定して印刷するためには、必要に応じてインクも変える必要がある。もちろん、食品なら食べても安全でなければならない。

インクジェットヘッド「RICOH MH5220」

リコーのヘッドは、このような多彩なインクに柔軟に対応できることが最大の強み。ヘッドにヒーターを組み込み、最高80℃までインクを加熱し吐出できるタイプもある。このため、粘り気が強いインクにも対応できるのだ。また、ステンレス製なので剛性が高く、インクに対する耐食性に優れ、寿命も長い。

リコーは、ヘッドに加えてインクも開発。さらに、オフィス用商用印刷向けのインクジェットプリンターも長く手掛けている。ヘッド、インク、この2つを加えたプリンターの3つをすべて手掛けている会社は世界的にも限られており、すべてに高い知見を持つことは、大きな強みだ。

今後、建材・住宅関連メーカー向けの装飾プリントサービスを始める予定。少量でも相談できるので、新製品のバラエティを増やすなど、興味のある企業は試してみてはいかがだろうか。

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