実験が証明した「地震に強い家」脅威の耐震性能の秘密に迫る

家族が長く快適に暮らせる住まいを実現するために不可欠なのが、住宅の安全性への配慮。地震大国の日本ではとりわけ「耐震性」は見過ごせないテーマだ。住宅メーカー各社はどこも自社製品の高い耐震性をうたっているが、その根拠は素人にはなかなか理解しにくい。そんな中、住友林業は日本で初めて※1東日本大震災の地震波を3階建て実物大モデルに加振し、巨大地震への強さを実証した。同社の商品開発を統括する坂牧俊哉氏に話を聞いた。

※1 2016年7月現在。住友林業調べ。

実証された「ビッグフレーム構法」の強さ

住友林業株式会社 住宅事業本部 技術商品開発部長 一級建築士 坂牧 俊哉氏

茨城県つくば市にある国立研究開発法人土木研究所で住友林業が行った実験が興味深い。実際のプランを想定して設計された3階建て実物大モデルに地震波を加振する振動実験で、万が一の大地震が発生した場合に、実際にどの程度の耐震性能を発揮するかを検証したものだ。実験は巨大地震への強さ、そして繰り返し発生する強い余震への強さを確認すべく、震度7、そして震度4~6弱が繰り返し加振された。坂牧氏は実験の詳細を解説する。

「同じ震度7でも揺れの性質は様々です。実験では東日本大震災の震度7を2回、阪神・淡路大震災の震度7を20回、合計22回加振しました。観測史上最大級の東日本大震災の最大加速度2699gal※2の揺れを余裕でクリアし、瞬間的に最大加速度の1.2倍となる3406galが入力されましたが、躯体(くたい)に損傷は発生しませんでした。さらに、巨大地震と強い余震が繰り返し発生することを想定し、震度4~6弱の加振を繰り返し、加振は合計246回にも及びましたが、躯体の耐震性が維持され続けることが確認されました。実は躯体がどのように損傷するかも検証したかったので壊れるまで加振を続けたかったのですが、全く壊れることなく実験の制限時間を迎えてしまったのです。熊本地震においても当社のビッグフレーム構法の家の損傷はごく軽微なものでした。耐震性を信頼し、あえてビッグフレーム構法の家にとどまって安全確保に努めたオーナーの方もいらしたと聞いています」

過酷な実験に驚異的な粘り強さを発揮したのが、ビッグフレーム構法を採用した住宅だ。ビッグフレーム構法とは同社が独自開発した日本初の木質梁(はり)勝ちラーメン構造のこと。ラーメン構造は柱や梁の接合部が剛接合された頑丈な構造で、高層ビルなどにも使われるもの。ラーメン構造といえば上下階を貫く通し柱に梁を掛ける柱勝ちが一般的だが、梁勝ちラーメン構造であるビッグフレーム構法は柱よりも梁が優先されるため通し柱の制約がない。よって大空間・大開口を実現でき、また、プランの自由度も高い。優れた耐震性と開放的な住空間を両立するこの画期的な構法を可能にしているポイントとして、坂牧氏は2つのテクノロジーを挙げる。

※2 gal(ガル):地震の揺れの大きさを表す加速度の単位。1gal=1cm/sec2

ビッグフレーム構法の振動実験の様子。実情のプランを想定して設計された3階建てモデルで検証した。
木質梁勝ちラーメン構
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通常5倍もの幅の太い柱を強固に一体化

ビッグフレーム構法

「ビッグフレーム構法はビッグコラムとメタルタッチ接合で作る強靭(きょうじん)な構造です。ビッグコラムは木造軸組工法で一般的に使用される柱の5倍以上となる幅560mmの太い柱を主要構造材として使います。地震発生時などに建物を支える耐力壁の強さを壁倍率という数値で表しますが、ビッグコラムの壁倍率は22.4。これは建築基準法最高倍率の4倍以上に相当します。壁倍率5の壁が横から力を受けて4mm変形するときに、ビッグコラムは0.9mmしか変形せず、より大きな力に耐えることができます。そして、もう一つのポイントであるメタルタッチ接合はビッグコラムと梁を接合するテクノロジーです。大きな表面積で木材と接地することで高い引張り強さを発揮するフィンボルトを独自開発。フィンボルトによって構造材に埋め込まれたジョイント金物相互を直接接合することにより、ビッグコラムと梁を高い精度で強固に一体化します。フィンボルト一つとっても強度を出すための最適な形状を模索し、いろいろな樹種や金物形状など何千本という実験を行い、試行錯誤してビッグコラムのポテンシャルを生かす接合金物の最適な組み合わせにたどり着きました」

構造材に埋め込まれたジョイント金物相互を直接接合することにより、柱と梁、基礎を高い精度で強固に一体化。フィンボルトは大きな接地面で木材と強固に接合する。
一般的な筋かい工法と比べると 木造軸組工法の筋かい耐力壁(幅1365mm+910mm)と同等の性能を、幅560mmのビッグコラムで確保できるため、より広い開口がある開放的な部屋をプランニングできる。
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革新的なビッグコラムとメタルタッチ接合が実現するビッグフレーム構法は、国が定める住宅性能表示制度における地震への強さを表す耐震等級で最高等級3を標準的に取得。ビッグフレーム構法が画期的なのは、防災拠点と同程度の耐震性となる耐震等級3をクリアしながら大開口や大空間を設けたプランニングを可能にしている点だ。

テラス空間を豊かに カーポートとして活用

「一般的な木造軸組工法の筋かいを用いた耐力壁に比べ、ビッグフレーム構法は幅約5分の1のビッグコラムで同等の耐震性を確保できます。リビングの2面に大きな窓を設けて自然光にあふれる空間をつくることも可能。2階を1階より大きく張り出して軒をつくることもでき、軒の下はカースペースやテラスとして活用するなど、ライフスタイルに合わせて自由な空間を生み出せるのがビッグフレーム構法の魅力です。各階の柱の位置を合わせる必要がないため、要望の多い二世帯住宅のプランにも容易に対応できます。子供が独立した際には、間仕切りを取り払って趣味の部屋にリフォームするなど間取りの可変性が高い点も見逃せません。安心・安全であることはもはや当然のこととして、心地よく暮らせること、そして快適さが何十年も続くことが大切だと思います」

高い耐震性と心地よい空間を両立し、しかもそれをぬくもりあふれる「木の家」で実現する住友林業のビッグフレーム構法。「どのようなプランを実現できるのか?」「耐火性能はどうなのか?」「メンテナンス性への配慮は?」など興味は尽きない。実際の家づくりのために不可欠なさらなる情報もぜひチェックしてほしい。

大開口のある開放感
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