日本経済を変える第一歩となる統計調査「経済センサス‐活動調査」の意義とビジネス活用価値

平成28年6月1日、日本全国すべての企業と事業所を対象とした「経済センサス‐活動調査」が実施される。
「経済の国勢調査」とも称されるこの統計調査の意義や役割、そして結果の活用方法について、
調査を行う総務省統計局の會田雅人統計局長に話を聞いた。

日本の全産業の経済活動を網羅的に把握

——日本経済の実態を調査する「経済センサス」の目的と意義についてお聞かせください。

會田局長:「経済センサス」を創設する前は、各府省が実施する統計調査の対象が所管業種に限られていたほか、それぞれの調査の年次や周期が異なっていました。このため、産業ごとに統計の年次が不揃いで、国民経済に占めるウエイトが高い第3次産業分野の統計の整備も不十分な状況でした。また、事業所・企業の事業の多角化などの状況を捉えることが不十分であるという指摘もありました。そこで全産業分野の経済活動の状態を同一時点で網羅的に把握することを目的として「経済センサス」を創設したのです。

——今年6月1日に実施されるのは「経済センサス‐活動調査」ということですが、「経済センサス」にはどのような種類があるのでしょうか。

會田局長:「経済センサス」は、「経済センサス‐基礎調査」と「経済センサス‐活動調査」の二つの基幹統計調査で構成されています。「基礎調査」では親会社、子会社の関係など多角化の構造などを調査し、「活動調査」では、売上や費用など事業所、企業の経済活動の実態を調べます。

なお、「活動調査」は、経済産業省と共管で実施いたします。

——これまでに実施した「経済センサス‐基礎調査」「経済センサス‐活動調査」からどのようなことが明らかになったのでしょうか。

會田局長:現在、平成21年と平成26年に「経済センサス‐基礎調査」を、平成24年に「経済センサス‐活動調査」を実施したところです。これにより分かることはいろいろありますが、例えば「経済センサス‐基礎調査」では、企業の親子関係を調べていることから、企業グループの数(前回調査:23,159)や最大何階層(前回調査:5)の親子関係があるかが分かりました。また、「経済センサス‐活動調査」では、同一時点での全産業合計の売り上げ(前回調査:約1336兆円)などが分かりました。

——調査によって、東日本大震災の復興の状況が明らかになったそうですね。

會田局長:東日本大震災の約1年後に実施した平成24年の「経済センサス‐活動調査」と、その約2年半後に実施した平成26年の「経済センサス‐基礎調査」の結果を比べると、事業所の数が、33道県で減少する中、被災した3県(岩手県、宮城県、福島県)は増加しており、震災からの復興が着実に進んでいることがデータとして分かりました。このように、大災害の前後及び復興状況を具体的なデータとして提供することも統計の責務の1つです。東日本大震災に限らず、阪神・淡路大震災においても、統計が表す時々の状況は、注目を集めると共に、政策にも反映されました。

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総務省統計局長

會田 雅人

埼玉県出身
昭和32年11月25日生まれ58歳
昭和58年東京大学大学院工学系研究科修了、旧総理府へ。
総務省統計局総務課長、総務省統計局統計調査部長を経て現職。

INDEX

  • 第1回インタビュー 総務省統計局長 會田 雅人氏
  • 第2回インタビュー 統計家 西内 啓氏