日本経済を変える第一歩となる統計調査「経済センサス‐活動調査」の意義とビジネス活用価値

平成28年6月1日、日本全国すべての企業と事業所を対象とした「経済センサス‐活動調査」が実施される。
「経済の国勢調査」とも称されるこの統計調査の意義や役割、そして結果の活用方法について、
調査を行う総務省統計局の會田雅人統計局長に話を聞いた。

調査結果は民間企業にも利用価値あり

——さて、平成24年2月に実施された前回の「経済センサス‐活動調査」ですが、その結果はどう利用されたのでしょうか。

會田局長:行政における利用としては、「国民経済計算」の基礎データとなったことがまず挙げられます。また、政府における中小企業対策(各種の補助金等)や防災計画の策定、地方消費税の地方公共団体への配分等にも利用されています。地方では、地域産業振興のための基礎データになっています。

——民間企業が「経済センサス」の調査結果をビジネスに活かすためには、どのようなコツがあるとお考えですか。

會田局長:「経済センサス」自体、若い調査ですから、あまり名前も知られていないかもしれません。一口に調査結果といってもその量は膨大です。ですので、まず何が知りたいのか、目的を明確にして、それにあった統計を見つけることが重要だと思います。逆に言えば、膨大だからこそご自分の業種なり、やりたいことに関連した調査結果は必ず存在すると思います。必要な情報の取捨選択は必要ですが、利用価値は非常に高いといえます。

——具体的にはどのような活用法が考えられますか。

會田局長:例えば、自ら営んでいる産業分野の市場規模や業界の状況が分析できますし、同じくらいの規模の企業の平均的な経理状況なども分かります。従って市場における自社のポジションなどを知ることも可能です。また、「経済センサス」は全数調査ですので、市町村別の結果のみならず、町丁・大字別の結果など、小地域の統計も提供しています。「経済センサス」単独での利用も、人口の全数調査である「国勢調査」の結果と組み合わせての分析も可能ですから、顧客層の分析を基にした新規出店など経営戦略の基礎資料として活用できるのではないでしょうか。現在は「e-stat」という統計のポータルサイトなどもあります。このサイトにより、統計を見ることも、表計算ソフトなどを使って利用することも簡単かつスピーディにできるようになりました。このように統計を利用する環境は整っていますので、是非お役立ていただきたいと思います。

調査項目の簡素化などでより回答しやすく

——今回の調査から変更したことはありますか。

會田局長:今回の調査では、比較的ご高齢の経営者の方が多い個人経営の事業所について、調査項目を大幅に簡素化した個人経営専用の調査票を新たに導入いたします。これにより個人経営の事業所の方の回答者の負担を大きく軽減できるものと考えています。なお、個人経営専用の調査票の記入にあたっては、昨年度の確定申告書の写しがあるとスムーズにご回答いただけるようになっておりますので、事前にご用意いただければと思います。また、近年の情報通信技術(ICT)の急速な進展を踏まえ、すべての事業所、企業からインターネットで回答いただけるようにしました。もちろんセキュリティ対策も万全ですし、24時間いつでも回答可能なので、是非ご利用をお願いいたします。このような調査方法の見直しによって、提供する調査結果の正確性と迅速性の向上を図りつつ、ご回答いただく方々の負担がなるべく少なくなるようにしていきたいと考えております。

——読者にメッセージをお願いします。

會田局長:「経済センサス‐活動調査」は、我が国の経済活動全体を把握する唯一の統計調査であり、この調査なくしては、日本経済がどうなっているかは把握できません。日本経済の「いま」を把握することによって、行政施策の立案や経営計画の策定などに役立ちますし、多様な視点での日本経済の分析、検証ができるという意味で非常に有意義です。まさにこの調査が「日本経済を変える第一歩になる」と考えています。日本の経済活動の姿を明らかにし、確かな未来に繋げていくため、皆様のご回答をお願いいたします。そして、せっかくご回答いただく調査ですから、結果につきましても是非有効にご活用していただければと思います。また、最後になりますが、平成28年熊本地震で被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。被災地域における調査につきましては、現在、熊本県とも相談しており、現地の状況を確認しつつ、関係機関と調整の上で実施したいと考えておりますので、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

平成28年 経済センサス活動調査 キャンペーンサイトはこちら

総務省統計局長

會田 雅人

埼玉県出身
昭和32年11月25日生まれ58歳
昭和58年東京大学大学院工学系研究科修了、旧総理府へ。
総務省統計局総務課長、総務省統計局統計調査部長を経て現職。

INDEX

  • 第1回インタビュー 総務省統計局長 會田 雅人氏
  • 第2回インタビュー 統計家 西内 啓氏