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MA・SFA・・・乱立するツール、分断する組織。マーケティングとセールスの深い溝はどう解消する?

現在、すでに多くの企業で導入が進んでいるMAやSFA。以前と比べて導入のハードルは低くなったものの、導入後に「マーケティングとセールスの不整合」の問題に直面している企業も多い。そこで、「Oracle Marketing Automation(Oracle Eloqua)」や「Oracle Sales Cloud」などのマーケティング製品群を開発・提供し、コンサルティングを実施している、日本オラクル株式会社 クラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション・プロダクト本部の本部長である原智宏氏に、解決策を伺った。

顧客行動の変化でデジタルが重視されるようになったB2Bセールス。一方で課題も。

近年、B2Bの顧客行動が変化しているといわれている。そして、その変化につれて購買プロセスも大きく変化しているという。原氏は、そのB2Bの顧客行動の変化を、次のように語る。

「B2Bの購買担当者の意識変化にともない、購買プロセスもデジタルマーケティング中心に移行しています。購買担当者はより消費者のように振る舞い、消費者のような購買体験を期待するようになりました。実際、71%の経営層は、消費者のような購買体験を期待し、それが購買判断に影響すると回答している調査結果があります。B2B顧客であっても、事前調査からパーソナライズ化された購入までのやり取りを期待したり、仲間からの口コミで情報を得たりするなど、「個人顧客」のような振る舞いをしています。
さらに、従来の営業主導だった購買プロセスも、デジタルマーケティング主導に変化しています。これまで「認知・理解」の一部のみ、担ってきたマーケティングも、今では、「認知・理解」のみならず、「購買検討」の途中段階にまで手を延ばしています。
このことから、B2Bの領域においても、B2Cと同じように、いかに「One to One」な対応を行うかがカギとなってきており、この「One to One」を自動化する手段として多くの企業で活用されはじめているのが『MA(マーケティングオートメーション)』です。
ただし、BtoBの領域においてはデジタルで完結できないため、どこかで営業に引き渡す必要が生じてきます」

原氏によれば、ここで多くの企業は「マーケティングとセールスの不整合」に直面するのだという。

「マーケティング部門は、売上に対しての貢献度を可視化できない、キャンペーン投資対効果を数値化できないなどの課題のほか、マーケティングのメッセージと営業のプレゼン内容に不整合がある、MQL(有望な見込み客リスト)に対して営業が行動するかどうかがテリトリー・業界知識・予算達成度合いによって左右される、営業が受注してもフィードバックがないなどの不満を抱えています。
一方で、営業部門はリードの不足、マーケティング部門から渡されるリードの精度が低い、リードがHotかどうか判断できないなどの課題を抱えています。また、マーケティング部門で勝手に、今期の最重要案件先に対して不適切なメールを送信されたといって不満を持つケースもあり、MQLに対しては営業自身でキャンペーンを実行したいなどの思いのズレもあるようです」

また、次のような課題もあると、原氏は指摘する。

「マーケティングでリードが獲得できても、営業が売りたい商材に適しているか確認しないと意味がありません。また、誰も担当していない、誰の成績にもならないテリトリーに対して、どんなに高品質のリードを作ったところで誰も追いかけません。基準に関しても 営業が大勢いれば、リード基準はゆるくてもいいですし、営業が少なくて商談サイクルが長いものであれば、マーケティングがもっと長く引っ張ってもいい。このリードの基準を合意して定めることが重要です。いずれにしても、MAだけ導入しても仕方がないことがおわかりでしょう」

「マーケティングとセールスの連携」を実現するために心得るべきポイント

前述のように「マーケティングとセールスの連携」には課題が山積みだが、それを実現することでもたらされる価値は非常に大きい。それでは「マーケティングとセールスの連携」を実現するために何が求められるのだろうか。
まずはそれらを阻んでいる3つの要因について見ていこう。

1.システム面
「MAとSFAを両方とも活用している企業は多いです。しかし、例えば部署ごとの導入など、それぞれが個々に始めていくケースが多かったためか、いざ連携しようとしても上手くデータの受け渡しができていないという問題があります」(原氏)

2.意識面
「マーケティングとセールスが、見込み客に対する共通認識を持っていないことです。基準を設けても、その基準になっている理由を営業が知らない・納得性がないなどで、なかなか双方が擦り合っていかないという意識面の問題です」(原氏)

3.人材面
「マーケティングとセールスの2つのプロセスを紐づけ、結び付けていく強力なリーダシップのある人がいない・配置されていない、最新デジタルマーケティングのノウハウがある人材がいない・人材育成の仕組みや機会が不足しているといった問題も生じています」(原氏)

これらを解決するためには、あるものがベースになるという。

「このマーケティングとセールスの連携が図れていない理由1~3を改善するための、ベースとなるものが『数字での理解』です。連携のためには、数字での理解の上で、経営レベルでの関与をさらに高めることが必要不可欠。デジタルマーケティングの重要性を数字で示し、組織・人材を強化していくことが必須となってきます。数字に基づいてマーケティングとセールス間で相互理解を図ることによって、はじめて社内で正しく意識づけ・動機づけを行っていくことが可能となります」

数字を理解することに重きを置くとすれば、やはり求められてくるのが、データの品質、すなわち「正確性」だ。しかし、原氏によれば、この正確性については、多くの企業が不足している点だという。

「多くの企業はMAやSFAを個別に始めているため、システム同士が上手く同期できていません。そのため情報にタイムラグが生まれてしまい、一貫したカスタマーエクスペリエンスの提供に支障をきたしてしまうのです。
このデータの品質を担保するには、製品面でも、サービス面でも連携が図れるかどうかを予め考慮し、ツール選びを行う必要があるでしょう」

「マーケティングとセールスの連携」に強みを持つオラクルが明かす先進的事例とは?

この「マーケティングとセールスの連携」を支援するのが、MAのグローバルトップベンダーともいえるオラクルだ。
強みは「データの品質」「豊富な実績から培ったグローバルベストプラクティス」「コンサルティング力」にある。実際に、オラクル自社自身も大きな成果を上げている。

「弊社では、マーケティングとセールスの連携の取り組みを行う前は次のような課題がありました。まず顧客に対して、『パーソナライズされたコミュニケーションができていない』『顧客のライフサイクルに応じたナーチャリング』ができていない。また、マーケティングとセールスの連携については、『マーケティングが営業に確度の高いリードを迅速に提供できていない』こと、さらに営業部門としても、『営業プロセスの可視化と改善ができていない』という課題がありました」

オラクルでは、このような課題の本質的な原因である「マーケティングとセールスの連携」について、自社のMAとSFAをベースに、次のような流れで改善策を進めたという。

1.マーケティングとセールスが、事前にプラニングとアプローチを話し合い、共有する
(成長率などの市場分析、戦略施策やシナリオなどの実行計画など)
2. マーケティングとセールスが共に、見込み客の購買ステージの基準やプロファイル、
案件ステージの基準など、あらゆる基準を決め、合意する
3.データ品質を高める環境を作り、マーケティングとセールスが、常に同じ正しいデータを
見る

「大切なのは、顧客に対して常に一貫したカスタマーエクスペリエンスを提供することです。そのためには上流のマーケティングと下流の営業が分断されている問題を解決する必要がありました。そこで、計画から戦略立案、見込み客ステージ基準、営業への引き渡し基準などを、マーケティングとセールスが直接ディスカッションし、明確に定めていきます。例えば顧客の属性と行動によって細かくスコアリングし、営業にコンテンツの効果を可視化して見せることで、Hot客を一目でわかるようにすることなどです。
そして、その連携のベースとなるデータ品質の向上と環境の整備も行いました。
結果、KPIから見た効果として、メール会員登録が約2倍に増加、メールのオープンレートが1.96倍に増加、営業のクオリファイドリード数が約20倍に増加、約90%のリードが3時間以内に営業へ展開されるといった効果を出すことができました」

オラクルでは、他社においても、基本的には同じような流れでマーケティングとセールスの連携をサポートし、成果を上げている。

原氏は、今後の展望として、次のように語る。

「チャネルが多様化し、タッチポイントが多岐に渡るようになった今、デジタルでも対面でも、一貫したカスタマーエクスペリエンスを提供することは、すべての企業にとって至上命題ともいえる課題です。オラクルでは、今回お伝えしたようなマーケティングセールスの連携に留まらず、CRMやサービス領域までの一連のプロセス全体を、より意識されないような形でシームレスに連携していきたいと考えています。
また、MAにしてもSFAにしても、導入ハードルが大分下がってきた今、今後トライされている方も増えていくと思います。そうした方々に対して、上手くいっているユーザーを他のユーザーに紹介していくといった取り組みにも注力したいですね」

【メッセージ】
「SFAやMAツールを個別に導入したものの、効果が見えていない」「導入しようとしているが、そのステップが正しいか自信がない」「先進的事例を知って、どういった取り組みを行っていけばいいのか理解したい」という方は、ぜひお気軽にお声がけください。
また、ホワイトペーパーでは、本記事でご紹介したオラクルの自社事例に加え、導入企業様の事例もいくつか公開しておりますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。

Professional Profile

日本オラクル株式会社 クラウド・アプリケーション事業統括
ソリューション・プロダクト本部
本部長 原 智宏(はら ともひろ)

1974年生まれ。慶応義塾大学商学部卒。
日本ヒューレット・パッカード(株)にて、製造、流通・サービス、通信など様々な業種、企業を対象にITアーキテクト業務に従事。
2010年より、日本オラクル株式会社でエンタープライズ・アーキテクトとして、お客様のアーキテクチャ・トランスフォーメーションを支援する業務に従事。
2013年より、テクノロジー事業統括・テクノロジーソリューション本部 流通サービス公益メディア・ソリューション部 部長。
2015年6月より、現所属においてオラクルのアプリケーションビジネス全体の戦略企画及び製品展開を推進。
オラクル認定エンタープライズ・アーキテクト (Oracle Certified Enterprise Architect (OEA))