2017年 マーケティング&セールスの最新潮流とトレンド

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  2. 急速に進むモバイルシフト 市場へのインパクトを本当に理解していますか?

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消費者のスマホ活用が広がる一方、自社ビジネスのためにアプリをどのように使っていくかは“手探り状態”という企業が多い。そこでスマホアプリ活用の現状とともに、スマホアプリをビジネスにおいて成功に導くための秘訣について、世界最高水準のアプリ市場データと分析ツールを提供するApp Annieの日本・韓国リージョナルディレクター滝澤琢人氏にうかがった。

拡大するスマホアプリ市場

App Annieのデータを見ると、スマホアプリ上で費やされる時間は2年で約2倍となっている。さらに、スマートフォンとタブレットの普及台数は、2015年時点で約27億台、2020年には約62億台へと2倍以上に増加すると予測しており、当然アプリストア経由での収益やアプリ内広告からの収益額もこれにともなって伸びていくと予測している。また、従来、スマホアプリ市場を牽引してきたのはゲームや音楽、映像などアプリストアを介した有料コンテンツへの課金であったが、最近では小売業や外食のようなサービス業、銀行、消費者向けブランドを持つ製造業など、アプリストアでの課金を伴わない領域までアプリが浸透してきている。つまり、あらゆる分野の企業がスマホアプリへの注力を迫られているということだ。

企業がアプリを活用するメリットと課題

例えば、良品計画では、カタログ機能や店舗チェックインによるポイント付与、そして在庫確認など顧客のショッピング体験をサポートする各種機能を提供するアプリ「MUJI Passport」を展開している。「MUJI Passport」では、キャンペーンやセール情報をプッシュ通知で送ることで、実店舗への送客という効果を上げているほか、チラシ廃止にもつながり、年間数億円規模のコスト削減になっているという。

この例でもわかるように、モバイルアプリでは、パソコンを前提としたWebマーケティングとは異なるタイミング、手法での顧客へのアプローチが可能になる。これは、企業にとって大きな魅力だろう。常に持ち運んでいる端末であるとともに、位置情報なども含めた顧客データを蓄積している端末だからこそ、より適切なタイミングで適切な情報を伝えるということが可能になる。さらにはアプリを通して顧客に新たな価値を提供することで、新たな収益の柱を生み出す可能性もある。

一方で、アプリを投入してみたものの効果が上がらないというケースも多々耳にする。その原因を分析していくと次の3点にいきつくことが多い。

1.市場を把握できていない
市場の変化や競合環境、顧客のニーズを理解していないまま企画を立てている。ちゃんと市場を見ていないと、潜在的な競合に気づかずに、いつのまにか顧客を奪われているということがある。

2.目的・KPI設定が不明確
「他社がやっているからうちもやってみよう」というように、目的(アプリを通して事業へどのように貢献するのか)が明確でないため、投資の根拠や投資対効果の見積もりも曖昧になっている。結果、成功したかどうかも測ることができない。

3.運用・改善をせずに放置している
目的やKPI設定が不明確なこととも関連するが、どこにむかっているのかが明確でないので、アプリを作ってみたが運用もせずに放置している、また、改善しようにもどこから手をつけていいかわからない。

それでは、企業がアプリを活用するためには、どうすればよいのだろうか?

アプリ活用を成功に導く秘訣とは?

アプリを成功させるために求められるのは、データによる裏付けだ。例えば、同業他社のアプリを分析する場合、アプリストアのランキングからアプリの人気はなんとなくわかるかもしれない。しかし、実際にどのくらいのユーザーがアクティブであり、どのくらいの頻度で起動し、どのくらいの時間活用しているかや、ユーザーの属性まで把握していないと、本当に市場を理解することは出来ず、有効な施策の立案や適切なゴール設定はできないだろう。

こういった状況で役に立つのは市場を俯瞰して見ることができるデータだ。俯瞰的な市場データを活用すれば、これからアプリに取り組む企画段階で「対象とする市場にどのようなアプリが存在しているのか」「それがどういったユーザーにどれくらい使われているのか」といった情報を踏まえて、自社アプリの目的やゴールを定め、その目的やゴールを達成するためのサービス・機能を考えることで、「ユーザーに使われるアプリ」を開発できるようになる。

また、既にアプリをリリースしている企業も、アプリの市場データがあれば、競合の状況を参考にしながら、機能のアップデートやマーケティング施策の精度をたかめることができる。

世界のアプリ市場を「データで見える化」する
App Annie Intelligence

アプリビジネスを支援するサービスは多いが、市場全体を俯瞰できるデータを提供している企業は多くない。App Annie Intelligence を使えば、世界中でリリースされているあらゆるアプリをモニタリングできるため、他社がどのような機能追加やマーケティング施策を行ったのかを定期的にチェックし、その施策に対するユーザーからの評価やレビューの変化、また実際の利用者数、利用時間の変化なども把握できる。収益トップパブリッシャー100社の94%が、App Annieを採用しており、アプリ市場分析におけるディファクトスタンダードとも言える存在になっている。

2016年には、アプリのユーザー獲得のためのマーケティング施策をサポートするMarketing Intelligenceをローンチした。Marketing Intelligenceでは、WebでいうところのSEOにあたるASO(アプリストア最適化)を行うために必要なキーワード情報や、競合の広告クリエイティブ、その広告キャンペーンが実施された時期といったデータも提供しており、アプリのライフサイクル全体を視野に入れたサービス展開を始めている。

既にアプリをリリースしている企業にとっても、これからアプリを開発する企業にとっても、データに裏打ちされたマーケティングを行える点は心強いはず。今後も大規模な成長をとげるアプリ市場にとって、App Annieはなくてはならない存在といえるだろう。

Professional Profile

App Annie
日本・韓国リージョナルディレクター
滝澤 琢人(たきざわ たくと)

1996年に起業家としてキャリアをスタート。インターネットのインフラサービス、オンラインゲーム、Eコマース、デジタルメディア分野で17年間、新規事業の立ち上げを経験。2014年3月にビジネスデベロップメント部門のマネージャーとしてApp Annieに入社し、同年10月に日本のカントリーディレクター就任、2016年から日本・韓国担当のリージョナルディレクター(現職)。

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