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IoT時代における企業のありかた

村井純

慶應義塾大学 環境情報学部長・教授/
IoT推進コンソーシアム会長

vol.4

IoT

IoTと
モノづくりの未来

日本のモノづくりは
IoTと相性がいい

 世界的に見ても日本ほどサービスやモノのクオリティに対して厳しい国はありません。だって新幹線の到着が3分遅れただけで謝る国なんて、他にないでしょう(笑)。でも、コンシューマーサイドが声をあげるのことはとても大事なことです。というのも、IoTの時代にはデータが新しくサービスをつくるわけですが、インターネットやIoTは双方向のコミュニケーションですから、コンシューマーが望まないものを企業はつくれないし、もしつくったとしてもそれは新しいサービスとして成立しない。つまり、日本の製造業の特徴であるクオリティと品質管理にこだわったモノづくりは、常にコンシューマーの要求を満たそうとしているので、IoTやインターネットと組み合わさりやすいのです。

 今後は世界もそういう流れになっていくはずですから、私は日本の製造業は品質のいいものをつくり続けていけばいいと、楽観的に考えています。匠の技や品質管理のしつこさ、クオリティへのこだわりといったものは、たとえデジタル時代になって新しいサービスを始めたからといって、何ら変わるものではありません。日本の企業が世界の標準品質をどんどん上げていくような方向で活躍すれば、日本の製造業の優位性も増すし、さらに世界の技術の発展に貢献できるようになると思います。

 そして、日本の企業がIoTを産業の面でもっと活用していくためには、あらゆる役割分担を担う産官学が連携していく必要性が、これからはどんどん高まっていくでしょう。全然タイプの違う企業が力を合わせることで新しい力が発揮できるし、多様な力を連携させていかなければ、ますます複雑化していく問題は解決できません。あるいは別の捉え方をするならば、インターネットやIoTの発展は、そうした連携の基盤を提供するためにあるともいえるでしょう。

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村井氏が会長を務める「IoT推進コンソーシアム」は、企業、業種の枠を超えて産官学でIoTの利活用を促進するための組織。当初700社ほどだった会員数も2400社近くまで増えた。2016年10月には、アメリカの「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)」、「オープンフォグ・コンソーシアム」とIoT分野での協力に関する覚書も締結し、技術の国際標準化などに向けて連携していく予定だ。

ヒトの知と技を高める
「デジタル匠」という可能性

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熟練技能者たちが長年の鍛錬や実体験で獲得してきた「匠の技」。

YOKGOAWAが提唱する「デジタル匠」は、 今日の匠の暗黙知をIoTで蓄積・分析・評価することで形式知化し、 新たなデータとして利活用すること。 それは、ヒトの知や技を途絶えさせないだけでなく、 意思決定の行動プロセスをさらなる高みへと引き上げる。

ヒトとデジタルが共生する持続可能な世界へ向けて。
“Co-innovating tomorrow”を掲げ、YOKOGAWAは踏み出しています。