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デザイン思考の先にあるもの

vol.1

DESIGN THINKING

拡大するデザイン

田中一雄

GKデザイン機構代表取締役社長/JIDA理事長

さらに拡大する
デザインの手法、視点、領域

 現在、「デザイン」という言葉は、右図にまとめたように6つにひろがっています。そのひろがりは「手法」「視点」「領域」という3つの点でさらに拡大し、今日的なデザインを形づくっているわけです。「手法」の拡大の一例が「デザイン思考」であり、「視点」の拡大は「ソーシャル・イシュー」に象徴されます。そして、「領域」の拡大の具体例としては、私たちが手掛けた「富山ライトレールのトータルデザイン」がわかりやすいかもしれません。これはロゴや車両デザインだけでなく、サイン計画、広告計画、色彩計画など、交通システム全体の“あり方”を総合的にデザインした事例で、自治体、民間事業者、市民をつなぐことでデザインの領域が拡大し、新たな価値を生み出すことに成功しました。

 講演会などで企業の経営者の方にお会いすると、デザイン思考という言葉は聞いたことがあっても、「それって何?」という認識の方がまだまだ多いという印象を受けます。デザイン思考は魔法の杖ではありませんが、新たなソリューションやイノベーションを生むためのきっかけとして、いまの時代に合った有効な手法であることは間違いありません。たとえ必ずしも素晴らしいブレークスルーを生む保証はなくても、そこにはみんなで考えを共有するという安心感や納得感があります。経営者の方にはデザインは貴重な「経営資源」だということを、改めて理解していただきたいですね。

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赤字路線の再生策として導入された「富山ライトレールのトータルデザイン」計画は、SDA大賞経済産業大臣賞やグッドデザイン賞金賞、ブルーリボン賞ほか数多くの賞を受賞した。その成功の背景には、一方通行にデザインするのではなく、ライトレールをとりまくデザインに地元の企業やデザイナー、市民たちの主体的な参加を促すことで求心力が高まった集合知的なプロセスにあると田中氏は考える。

ヒトとシステムの間を想えば
そこにデザインが宿る

プロユースの計測・制御製品において
これまでいくつもグッドデザイン賞を受賞してきたYOKOGAWA。
その評価の理由は、ユーザーの安全を守りながら
使い勝手に優れた信頼されるデザインを実現したこと。

新たな技術をYOKOGAWAデザインとともにユーザーに届ける。
ヒトとシステムの可能性をひろげ、新しい価値を創造するために。
それがYOKOGAWAの想い、“Co-innovating tomorrow”。

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