現場力をいかし、「健康経営」に 取り組む企業を「食」から支える

Think2

健康増進効果をアップさせる
企業内健康イベントとのコラボメニューも提供

今回の取材の際、「Care 4 you ®」と並んで人気を集めていたメニューに「オムウォークランチ」がある。

オムロングループでは、毎年11月から翌年の1月まで、全社員が活動量計をつけて、3ヶ月間の活動量の合計をチームごとに競う「オムウォーク」というイベントを行っている。2009年から続く同社の名物イベントで、これにより歩くことや運動への意識を高め、社員の健康増進を図る取り組みである。

そして、「オムウォークランチ」は、このイベントと連動して社員食堂で提供される期間限定のランチセットで、「ウォーキングの効果をアップさせるために提供していただいているメニューで、代謝を促す食材や調味料を使い、カロリーも600kcal程度に抑えるようにお願いして、エームサービスの管理栄養士さんにメニューを開発してもらったもの」(山本氏)だという。

「オムウォークランチ」のメニュー例、「甘辛だれの皮なしチキンソテーBOWL」。
皮を除いて、一度蒸したチキンを使うことでカロリーをカット。
甘辛だれに使われたスパイスに代謝を促す効果がある

山本氏によれば「メニュー開発時に何人かの社員による効果検証を行った結果、2ヶ月間で3kgの減量につながった人もいた」というが、こちらも味のよさやその効果から、ほぼ毎日売り切れが続いている状態だ。

お昼の時間は部署ごとに3グループに別れており、食堂の混雑緩和の工夫がされている。

「このように企業様のニーズに合ったオリジナルメニューを提供するのも、当社が均一化され、水平展開するビジネスモデルとは一線を画し、『オンリーワンのホスピタリティサービス・カンパニー』を目指すという考えを持っているからに他なりません。オムロン ヘルスケア様においては、『オムウォーク』という素晴らしい取り組みに対して、食堂運営を預かる当社が『食』からお役に立てるように、創業から40年間積み上げてきたノウハウをつぎ込んで取り組んでいるのが『オムウォークランチ』なのです」とエームサービスが柔軟な対応を重要視する背景を山村社長は説明する。

さて、山本氏に「健康経営」における今後の抱負を尋ねると「オムロンには『我々の働きで我々の生活を向上し、より良い社会を造りましょう』という企業理念があります。その理念の下で『ソーシャルニーズの創造』『絶えざるチャレンジ』『人間性の尊重』という3つの価値の提供を掲げています。それを実現するためには、まず社員、組織が健康でなければなりません」と前置きした上で、

社員食堂が果たす役割について

社員、組織が元気で生き生きと働ける職場環境づくりやサポートをこれからも行っていきますが、その中で社員食堂が果たす役割も大きいと考えています

との答えが返ってきた。

一方、そのようなニーズに対して、エームサービスは現場力で応えていくと山村社長は強調。

エームサービスのサービスの強み

我々の強みは現場力とそれを支える人財です。それによって、『どこでも同じ』という画一的なものではなく、多様化・高度化するお客様のニーズに対しひと手間ひと工夫を加えたホスピタリティサービスが提供できると考えています

ということだ。

同社が、セントラルキッチンでの一括調理ではなく、現場調理にこだわるのも、「クライアントのニーズに寄り添いたい」という思いがあるからに他ならない。また同社には約950名の管理栄養士を含む、約2100名の栄養士が在籍するが、その殆どが現場の業務に携わっているという。この点について山村社長は「日々お客様と対峙しながら、メニューを作ったり、調理をする中で積み上げてきたもの――つまり学問としての栄養管理ではなく、現場に根差したノウハウを持っていることは大きい」と胸を張る。

エームサービスは、現在「Care 4 you ®」の他にも、クライアント企業の健康課題をヒアリングし、それに適したメニューラインアップを構成する「健康社食 ® プロジェクト」、管理栄養士や栄養士による栄養セミナーや特定保健指導なども実施している。

以上のように企業の「健康経営」に貢献する様々なプログラムを提供している同社だが、今後は「健康意識が高くない方々へアプローチするサービスにも力を入れていきたい」と山村社長。

「我々がクライアント企業に対して実施している調査結果では、健康意識の高い方は平均すると15%程度。この数を底上げするためには、それ以外の多数を占める方々にいかに興味をもってもらうかが課題になります。そして、そのような方々には、あえて『健康』というキーワードを使わずに取り組みを進めるのが効果的だと考えています。例えば、食材を生かした調理方法と一汁三菜という献立構成で、比較的健康的な食事である和食の考え方をオペレーションに取り入れたり、見た目の鮮やかさにポイントを置いたメニュー構成で、知らず知らずの内に野菜をたくさん摂取できる『カラフルデリ ®』というプログラムを提供したり――と、今後は健康に気を使っていない人の意識を変えるきっかけになるようなサービスの展開にも力を入れていきます」(山村社長)ということだ。

社会的に「健康経営」への関心が高まる状況に対し、山村社長は「様々な業種から会員が集う中、当社は特に食分野で中心的な役割を果たしていきたい」と語る。グループ全国3,900ヶ所の事業所で、1日120万食もの食事を提供し、“「食」から日本の未来を支える”ことを標榜する同社のことである。今後、「食」の分野から「健康経営」を盛り上げる存在になることは間違いないだろう。

エームサービス株式会社

住所:東京都港区赤坂2丁目23番1号 アークヒルズ フロントタワー
TEL:03-6234-7500
WEB:http://www.aimservices.co.jp/

健康経営に取り組むことが
ステータスとなるような風土にしたい

「健康管理」(Health Management)から「健康経営」(Healthy Company)へ本フォーラムの目的は、これまで企業の人事・健保セクションで進められてきた従業員等の健康管理の在り方を経営という視点で捉え直し、健康経営の実践を通じて企業の新たな価値創造を促すという「攻めの経営」(「健康管理」(Health Management)から「健康経営」(Healthy Company)へ」に係る潮流を生み出していくことにあります。

そのため、本フォーラムでは本活動にご賛同頂く企業・団体様と協力し、下記に示す4つの活動フィールドにフォーカスを当て、企業価値向上に向けた各種取り組み情報を集約・共有化し、次代に求められる健康経営のプロトタイプを構築していきたいと考えます。

具体的には、企業にとっての「社会的価値」(Social Value)、「事業的価値」(Market Value)という2つの価値領域に、「Management」(管理)と「Action」(行動)という2つの実践的要素を組み合わせ、4つのフィールドにおける健康経営の価値と意義を可視化し、健康経営の重要性をより多くの経営者層に訴求していきます。