テレビコマーシャルの「穴」を埋めた資生堂のモバイル動画

動画広告といえば、これまでその主戦場は圧倒的に「テレビ」だった。
企業は、自社商品のブランディングやセールスプロモーションの手段として、テレビコマーシャルを活用してきた。

それが、メディアの「モバイルシフト」が進むと、テレビのみならず、スマホやタブレットが、動画広告にユーザーが接触する重要な「場」となる。

時代の変化を受けて、Facebookでは、テレビコマーシャルの機能を補完する、新しいモバイル動画広告の「場」をクライアントに提供し始めた。フェイスブック ジャパンでHead of Vertical Industryを務める鈴木 大也氏は、解説する。

「インターネットの発達で、メディア消費のスタイルは多様化し、テレビの視聴時間は相対的に減りました。テレビをまったく見ない人も増えています。多数のユーザーを抱えるFacebookを活用すれば、テレビを見ない人にも動画広告を見せることが可能となります」

それだけではない。Facebookの動画広告を利用すると、クライアント企業は、テレビコマーシャルではできなかった、よりきめ細かなマーケティングが可能となる。「テレビコマーシャルが負ってきた企業の広告機能をFacebookが補完できるというわけです」と鈴木氏は言う。どういうことか。

まず、人々の「スキマ時間」に動画広告を配信できる。

テレビを視聴するのは、大半の場合、自宅のリビングなどでくつろいでいるときだ。逆に言えば、テレビコマーシャルを見てもらうチャンスは、「視聴者が自宅のリビングでテレビをつけているとき」に限られる。

スマホが普及したいま、多くの人々が自分の好きな時間、好きな場所で、気軽にFacebookを利用している。つまり、いままでテレビコマーシャルが到達し得なかったタイミングで、動画広告を配信できるわけだ。

ただし、スマホではFacebookばかりではなくさまざまなオンラインサービスにアクセスできる。他のサービス上で動画広告を配信するのとFacebookで動画広告を配信することにどんな違いがあるのだろうか。

Facebookは、これまでに蓄積してきた数千万単位のユーザーのビッグデータを保有している。このデータを解析することで、クライアント企業のニーズに合わせ、見込み顧客にターゲットを絞り、動画広告を直接届けることが可能となるのだ。

Facebook上で展開される動画広告は、テレビコマーシャルでは到達し得ない層にもアプローチできる。その結果、さまざまなシナジー=相乗効果を生む。
イベント中のトークセッションで紹介された資生堂「マキアージュ」のブランディング施策はその好例。Client Partner Managerの佐藤 太泰氏は説明する。

同施策では、テレビコマーシャル放映後にアンケート調査を行い、年代と地域に分けて、該当商品の認知が進んでいない層にターゲットを絞り、Facebook上でテレビコマーシャルと同じ動画広告を配信した。

その結果、Facebookの動画広告でリーチできた層のうち、テレビコマーシャルを見ていなかった割合は38%にも及んだ。「マキアージュ」の動画広告を視聴した層の約4割が、テレビコマーシャルだけではリーチできなかった層、Facebookを活用してはじめてリーチできた層、ということになる。
また、ブランド認知率の向上度は、テレビ単体では5.6ptだったのに対し、テレビとFacebookを併用すると8.9ptと、さらに3.3ptも向上した。
このように、テレビとFacebookを併用することで、動画広告のマーケティング効果は格段に増したと資生堂ジャパン株式会社 コミュニケーション統括部 中條 裕紀氏は語る。