よりよい地球の未来をつくる
センサーで地すべりの危険性を見抜く防災版IoTは15年前に始まっていた
センサーで地すべりの危険性を見抜く防災版IoTは15年前に始まっていた
日本アジアグループ株式会社
よりよい地球の未来をつくる
GPSで地表の動きを検知し
大きな被害の発生を防ぐ

集中豪雨や人為改変によって地すべりが引き起こされる前には、何らかの予兆がある。予兆を見つけ出し大きな事故や被害を防ぐ活動を支えるのが、日本アジアグループでGPS自動変位計測システム『shamen-net』を展開する国際航業だ。変位が起こりそうな場所にGPSなどのセンサーをあらかじめ配置し、ネットワーク化することで、ミリ単位という高い精度で3次元の変位をリアルタイムでモニタリングしている。

国際航業株式会社 技術本部 防災部 モニタリンググループ長 佐藤 渉

2001年にGPSを利用して開始されたこのシステムは、現在GPSだけでなく様々な方法でセンシングしている。GPSで地表の動きは計測できるが、地中の動きや地下水の流れまでは感知できないからだ。そこで、ボーリングをし、地中に水位計や孔内傾斜計を設置するなどして、多面的なセンシングを実施している。得られたデータはクラウドで共有され、遠隔地からも容易に確認できる。

「GPS衛星を使った計測は、空から地理空間情報を取得してきた歴史を持つ国際航業の得意分野です。実際の運用ではお客様の状況に合わせ、様々な技術を取り入れ、不要なものを除くことで、最適なシステムを提供しています」と同社技術本部防災部の佐藤渉はいう。

GPS自動変位計測システム『shamen-net』の概略図。それぞれの現場に応じて配置されたセンサー群からのデータを、24時間365日体制で監視センターで確認し、安全を守る

shamen-netはサービス開始から15年の間に、道路やダムなどインフラの維持管理や災害防止などの目的で、約300の現場で使われてきた。最近は、様々なセンサーを使い情報を集め、それを活用することをIoTと呼ぶが、国際航業ではIoTという言葉が普及する前から、取り組んできた。その技術は外部からも高く評価され、国際航業も参加するshamen-net研究会は山口大学と連名で、2016年3月に、第2回宇宙開発利用大賞国土交通大臣賞を受賞した。

優れた技術を使いこなすには
専門家集団の存在が不可欠

同じセンサーを使えば誰もがshamen-netのようなシステムを構築できるかというと、そうではない。現場のどこにどのようなセンサーを配置すべきか、得られた計測データが意味するところは何かなど、災害メカニズムに関する深い知識が必要だからだ。建設コンサルタントとしての経験の蓄積が生きてくる。

同社ではセンサーの低価格化にも取り組んでいる。タイやインドネシア、台湾などの国外の現場でも評価され引き合いが増えている。

また、得られる様々なデータを、防災の専門家が24時間365日体制で見守っているのもshamen-netならではの特長だ。これが、斜面・地盤の異常の早期発見につながる。実際に、監視が大惨事を防いだこともある。

国際航業株式会社 技術本部 防災部 課長 飯島 功一郎

「高速道路建設のため、切土を行っている現場で、地すべりの予兆を検知したことがあります。時刻は夕刻でした。その日のうちに人はもちろん重機なども現場から退避させ、夜間に起きた斜面崩壊による被害を防ぐことができました」と同社技術本部防災部の飯島功一郎は、shamen-netが役割を果たした一例を挙げる。

地球温暖化が進んだことで、集中豪雨が発生する地域が国内に増えた。また、災害大国である日本では、地震で被害を受けた土地に多くの雨が降り、二次災害を招く可能性も高い。リスクに応じて、防災に力を入れる必要がある。

「国内の土砂災害で亡くなる方をゼロにしたいと考えています。また、より多くの方のお役に立てるよう、国内で培ったノウハウを国外にも広げていきたい。今後も技術開発とコストの削減に取り組んでいきたいと考えています」(佐藤)

shamen-netの普及は、より広い地域に暮らす多くの人たちの安全と安心をサポートする。

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