日経ビジネスonline
日本アジアグループ株式会社
Vol.3 経済成長の負の遺産「土壌汚染」を熱とバイオの力で根本的に解決する
工場の操業は続けたまま
足元の有害物質を除去する

降った雨は土に染み込み、海へと注がれる。そのとき、土が汚染されていると、水も汚れ海も汚れ、地球環境を悪化させる。それだけではなく、人体の健康へ悪影響を及ぼす。この問題を放置しないように、国際航業はこれまでに累計9000件以上の土壌浄化に関わってきた。国際航業は、国連の掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の実現を多面的に遂行する日本アジアグループの基幹企業だ。

土壌汚染は経済成長の“負の遺産”と言われる。有害物質に対する理解が深まる前に重工業が発達したことが、対策を後手に回らせたのだ。現在、問題となっている土壌汚染の大半は、1950年代に十分な処理をされないまま廃棄された物質によって引き起こされている。特に、工場で油汚れの洗浄に使われてきたVOC(揮発性有機化合物)による土壌汚染は深刻な問題だ。VOCには発がん性があるからだ。

この問題を根本から解決するには、土壌の汚染状況を正確に把握すること、そして適切な対応が欠かせない。

「従来は、汚染された土壌を掘削除去する方法が主流でした。しかしその場合には、その土地での事業活動を休止する必要があります」と国際航業で土壌汚染対策の技術を担う佐藤徹朗は言う。

国際航業株式会社  技術本部 環境保全部 環境ソリューショングループ グループ長 佐藤 徹朗

そこで、掘削除去に代わる方法としてこの十数年で注目されてきたのが、原位置浄化と呼ばれる、掘削を伴わず土壌を浄化する方法だ。掘削に伴う操業停止を避けられ、事業活動への影響は最小限に抑えられるという特長を持つ。特に、汚染された土壌や地下水を微生物によって浄化するバイオレメディエーションと呼ばれる方法は、コストと環境負荷が少ないことから期待されてきた。

「ただし、問題もありました。リバウンドです。粘土層の土粒子間に吸着されているVOCは除去しきれず、浄化工事が完了して何年か経過してから、その存在が顕在化することが珍しくないからです」と佐藤徹朗は説明する。それゆえ「土壌汚染対策は永久に続けなくてはならないものと諦める企業も少なくありませんでした」と営業の佐藤洋幸は言う。

 国際航業株式会社 営業本部 法人営業部 環境サービスグループ 担当課長 佐藤 洋幸
企業に求められるのは
環境・社会・経済を統べる視点

では、どうしたら粘土層に潜むVOCをおびき出すことができるのか。国際航業は熱に注目した。

「土壌の温度を上げることで粘性の高い土粒子間に強く吸着しているVOCの気化や地下水への溶出を促進できます。そうすれば、それを吸引したり揚水したりすることでVOCを除去できます。また、土壌の温度上昇は、微生物の反応速度を高めます」と佐藤徹朗。

■電気発熱法の原理

浄化する土地に複数の井戸を掘りそこを電極として電流を流す。VOCの吸着が多い粘土層は電気抵抗が低いためここに電流が集中して温度が上昇し、効率的にVOCを気化または水溶させる

熱は電気で起こすため、この浄化方法は電気発熱法と呼ばれる。複数の井戸を掘りそれを電極とすることで地中に電流を流し、温度を上昇させるのだ。若手の瀬野光太は「粘土層のため、これまで原位置浄化を諦めていたサイトにおいても、電気発熱法により浄化が可能になります。今後、浄化実績を増やしていきたい」と語る。

工場を持つ企業には今、“サステナブル・レメディエーション”が求められている。これは、環境、社会そして経済の3つの側面を重視し、総合的に最適な土壌汚染対策を進めるというものだ。

「掘削除去による土壌浄化に半年から1年かかる土地の場合、バイオレメディエーションでは2年から3年かかります。しかし、電気発熱法を組み合わせればその期間は1年から2年に短縮できます。それにこの場合は、事業をとめずにすみ、掘削した土の運搬や焼却にエネルギーを使う必要もありません」(佐藤徹朗)

電気発熱法とバイオレメディエーションを組み合わせるという人の知恵は、負の遺産を後世に引き渡さないためのサステナブル・レメディエーションを実現し、地球環境をよりよく変える。

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