コラム Vol.1

データで見るニッポンの医療費①

少子高齢化による人口構成の歪みで
国民皆保険は危機的状況

 出口が見えない少子高齢化問題。現状は65歳以上1人を現役世代2.4人で支えている格好だが、このまま高齢化が進むと、2050年には65歳以上1人を現役世代1.2人で支えなければならなくなる。現役世代の負担が膨らむ中で、長らく日本国民の健康と安心を支えてきた「国民皆保険制度」の存続そのものも危ぶまれている。

総人口は2008年から約80万人減少し、
生産年齢人口の割合も低下

 わが国の税収は依然厳しい状況にある(図1)。所得税と法人税はバブル期をピークに、景気のあおりで上下動しながらも減少傾向にあり、揮発油税や相続税などの税収は軒並み横ばい。唯一の頼みは消費税という状況だ。危機的に社会保障の財源が不足している大きな要因は、少子高齢化にある。

2013年10月1日現在、わが国の総人口は1億2729万8000人。2008年のピークから約80万人の減少だが、国立社会保障・人口問題研究所によれば、今後も人口は減少し続け、2030年には1億1662万人、2048年には9913万人、2060年には8674万人になるとの推計値を発表している。

 人口の減少は社会の活力を削ぎ、加速度的に経済活動が縮小する危険性を秘めている。急激な人口減少に対応するため、政府は「50年後も人口1億人を維持」との数値目標を掲げる方針を示した。そのために出産・子育ての支援を拡充するなど、出生率を高めるための環境を整えるという。政府が人口の具体的な数値目標を提示するのは初めてのことだ。

 さらに悩ましいのは、年齢構成比に大きな歪みが生じていることである。現在、わが国の人口の内訳は、年少人口(0〜14歳)1639万人(2012年に比べて15万7000人減)、生産年齢人口(15〜64歳)7901万人(同116万5000人減)に対し、65歳以上の人口は3189万8000人(同110万5000人増)となっている。図2に示す通り、年少人口の割合は過去最低の水準を更新し、生産年齢人口の割合低下も歯止めがかからない状況にある。

一方、65歳以上の人口は1950年以降一貫して増加し、国民の4人に1人を占めるまでになった。現状は65歳以上1人を、20〜64歳の現役世代が2.4人で支えている状況だが、このまま高齢化が進むと、2050年には65歳以上1人を現役世代1.2人で支えなければならなくなる。こうした人口構成比の歪みは年金、医療保険、介護保険、雇用保険、生活保護などの社会保障費に、直接的かつ大きな影響を及ぼす。

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