「変革の時代に
新たな視点を提供する」

「財務×オペレーション」で
ターンアラウンド2.0を実践する

グローバル経済における未曾有のパラダイムシフトが進む。企業を取り巻く環境は激変し、どの企業も再生局面に陥ってしまう可能性はゼロではない。そんな中、日本企業が持続的な成長を遂げるためには、どのような発想の転換が求められるのか。KPMG FASの中村吉伸氏と稲垣雅久氏に話を聞いた。

KPMG FAS
マネージングディレクター
ディールアドバイザリー
稲垣 雅久
KPMG FAS
執行役員/パートナー
ディールアドバイザリー
公認会計士
中村 吉伸

事業再生は次なるステージへ

日本における本格的な再生市場の形成は、バブル崩壊後の1990年代後半に遡る。大企業の倒産、産業再生機構や著名な経営者、外資などによる再生の行方を、世間は固唾を呑んで見守った。しかし「企業にターンアラウンドのノウハウが定着したとは言い難い」と中村氏は指摘する。

「従来のターンアラウンドは、財務状況の悪化が進んだ終盤に行われ、財務リストラ一辺倒だった。一方、地理的要因や破壊的テクノロジーによる変革で競争環境は常に激変し、かつての超優良企業ですら再生局面に陥る現在、企業は、常に成長と再生を繰り返さなければ生き残れなくなりつつある。ターンアラウンドが常態化している、といっても過言ではありません」(中村氏)

こうした中、企業に求められるターンアラウンドも大きく変わりつつある。早い段階で、適切な打ち手を講じ、他力の活用も視野に入れて主体的かつスピーディーに取り組む。こうした事業再生の進化形を、KPMGでは『ターンアラウンド2.0』と定義。混迷の時代を生き抜くために、全ての企業が取り組むべき必須課題と位置付ける。

ターンアラウンド2.0を成功させる鍵は、「財務×オペレーション」。掛け算で考える視点を持ってほしいと中村氏は語る。

「企業価値を財務KPIにブレークダウンするだけでなく、財務KPIをオペレーションKPIと、さらにオペレーションKPIを改革施策と連関させた経営管理フレームワークを導入することが重要です。そうすることで、財務とオペレーションが両輪となり経営と現場が一体となってターンアラウンドを強力に推進できます」(中村氏)

そのために実践すべきことは3つ。まずは、重要課題に集中すること。財務上影響の大きい重要課題を特定し、そこに焦点の合った改革施策を採用する。つぎに、確実に効果につなげること。改革施策をオペレーションKPIおよび財務KPIを通じて確実な効果(キャッシュ・利益・コスト)につなげるよう設計し、オペレーションKPIごとに責任者を明確化する。さらに、この経営管理フレームワークを共通言語・羅針盤と位置付けること。向かうべき方向を社内で共有し、実行段階をモニタリングし、軌道修正することで、ターンアラウンドを経営から現場まで浸透させる。

「財務×オペレーション」での経営

改革施策は構造的に捉えよ

オペレーションに関して「抜本的な改革施策に踏み込めている企業は多くない」と、稲垣氏は指摘する。KPMGではオペレーションを「財務計画を達成するための事業活動すべて」と定義し、オペレーション戦略、戦術、業務、インフラの4階層で捉えている。

「包括的・構造的に捉えることが重要。そして上の階層から下に向かって改革を進めるのが最も効率よく最大の効果を出せる」と、稲垣氏は語る。

例えば商品の絞り込み。研究開発や販促・広告宣伝コストの集中投下が可能になり、生産効率も向上、需要予測がシンプルになるため在庫圧縮や業務コスト削減にもつながる等、さまざまな効果が期待できる。

しかし実際には上の階層には手をつけず、下の階層で改革を対症療法的に進めたり、虫食いになっている企業が多いという。「各社、業務改革や情報システム導入には熱心ですが、商品、顧客、価格の見直しといった上の階層の施策になると、実際には先送りにしているケースが少なくありません」(稲垣氏)。導入が難しい施策ほど、早期に検討が必要であろう。また上の階層の改革ほど、感情論を廃し、徹底してデータに基づいた議論をすることも重要と言える。「ビジネスに不調の兆しが見えてから検討に着手するのではなく、商品別・顧客別の利益等をウォッチしながら常に見直す姿勢が望まれます」(稲垣氏)

「M&Aや提携においても『財務×オペレーション』の視点が重要」と中村氏は語る。「実行段階での失敗を見ると、事業戦略との整合、オペレーション側の関与・検討が課題であることは明らかです」(中村氏)

こうした認識のもと、KPMG FASは、財務・オペレーションの専門家がワンストップで、ターンアラウンドの戦略立案から実行段階までを支援している。また、財務・事業の変革・最適化や、M&Aによる事業再編などに係るサービスを一気通貫で提供。世界152カ国に広がるネットワークを活かし、クロスボーダーでの再編・リストラクチャリングにも対応している。

「事業再生はもはや対岸の火事ではありません。M&Aも含めて、ターンアラウンド2.0とは経営力強化のための日常的な戦略、企業経営そのものとの視座で取り組んでいただければと思います」(稲垣氏)

オペレーション・ピラミッド
KPMG
http://kpmg.com/jp/azsa
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