2018年は不服審査可能な好機 全国どの自治体でも門戸開く

課税ミスによって納め過ぎた額は取り戻すことができる。ただ、地方税法上、固定資産税に関する不服申し立てができるのは、固定資産税の評価額を替える年(評価替え年度)。2018年度はその年度に当たる。

評価額に不服がある場合、納税義務者は納税通知を受けた日の翌日から90日以内に固定資産評価審査委員会に不服審査を申し出ることができる。その審査で不服が認められれば、2018年度の評価額は正され、納め過ぎた額との差は還付されることになる。

課税団体そのものが課税ミスを認めれば、過去にさかのぼることも不可能ではない。佐藤氏は「地方税法の規定から原則としては過去5年分に限られます。ただ、自治体によっては還付不能金の返還に関する要綱などを設けており、その適用を受けられる条件を満たしていれば最長20年までさかのぼることも可能です」と解説する。

家屋の評価との関連でもう一つ注意しておきたい点がある。それは、「償却資産」に対する固定資産税である。

償却資産とは、事業用の資産のうち、土地・建物以外のものだ。機械や備品、内装や内部造作などが挙げられる。償却資産は、税金を納める側が内容を申告することになっている。

留意したいのは、土地建物として、すでにカウントされているケースだ。例えば、ある資材が「固定資産評価基準」で床仕上げに含まれていたとすると、その資材は家屋に含まれているわけだ。

「仮にその資材を償却資産として申告すれば、二重課税になってしまいます。そもそもその資材が家屋として評価されているかどうかは、あらかじめ知らされません。家屋として評価されている資産を知らされていないにもかかわらず、納税者に償却資産の申告義務を課していることは問題です」(佐藤氏)

具体的に何が償却資産に当たるのかの判断は、家屋として何が評価されているかという点と密接に関係する。それをはっきりさせるためにも、家屋がどのように評価されているのか、その実態を確認しておく意義は大きい。

まず確認すべきは、家屋の評価が適正か否かという点である。今年は、固定資産税評価の詳細を確認する手続きを踏める好機。不動産の保有コストを、固定資産税・都市計画税という切り口からあらためてチェックしてみてはどうだろうか。

建物鑑定の固定資産評価の適正化業務(家屋・償却資産)約7000棟分のデータベースを基に分析・鑑定

建物鑑定では過去十数年にわたって、家屋に関する固定資産評価の適正化業務を続けてきた。調査実績は約1万棟。そのうち約7000棟分の家屋に関してはデータベースを作成し、それを基に新たな分析・鑑定依頼に応えてきた。この約7000棟のうち、家屋や償却資産の固定資産税が還付・軽減されたケースは約600件にのぼるという(下表参照)。固定資産税評価額は固定資産税や都市計画税に加えて、不動産取得税や登録免許税の課税標準にもなっているため、それらの還付・軽減にもつながっている。

対象は、延べ床面積2000m²以上または評価額2億円以上の家屋。用途は、事務所や商業施設、医療施設、ホテルなどで、共同住宅は対象外とする。まず課税根拠資料を取り寄せ、それを分析・鑑定した結果、適正化の可能性が見込めるものに関して、次のステップに進む。そこでは竣工図面や工事内訳書を基に検証し、適正化の見込みがあるものに関して、自治体への是正申し入れに向けた手続きに入るという流れだ。建物鑑定代表取締役の佐藤雅宣氏は「過大評価による納め過ぎで還付金が生じた場合には家屋評価額の5~10%程度が還付されるというのが、一つの目安です」と話している。

●建物鑑定による固定資産評価の適正化業務の主な実績
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東急リバブル 執行役員 ソリューション事業本部 事業戦略統括部長 東 和輝
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東急リバブル 執行役員 ソリューション事業本部 事業戦略統括部長 東 和輝

近年、国内企業においては、企業不動産(CRE)を経営資源と位置付け、不動産投資の効率性を向上させようとするニーズが高まっている。その際、事業用不動産としての価値を最大限に高めるためには、固定資産税などの所有にかかる税金など、不動産運営にかかる費用を適正に把握し、見直す必要がある。

事業用不動産コスト診断サービスの流れ

東急リバブルは、事業用不動産の運営にかかる費用の最適化を提案する「事業用不動産コスト診断サービス」を提供している。東京23区および全国の政令指定都市にオフィスビルや賃貸マンション、商業施設などの事業用不動産を保有する個人・法人を対象に、不動産の費用を無料で診断するものだ。診断する項目ごとに専門の事業者と連携して費用の最適化を提案している(左図)。なかでも、固定資産税の見直しによるコスト削減効果は大きく、多くの企業から関心が寄せられている。診断サービスの対象となる不動産の規模は、延べ床面積1000m²以上の事業用不動産(固定資産税診断は2000m²以上、上下水道料金は3000m²以上)だ。

東急リバブルの東和輝氏は「このサービスを通じて、より充実した不動産投資・運用が実現できるように企業をサポートしていきたい」と話す。個人向け住宅仲介の印象が強い東急リバブルだが、事業用不動産に関しても幅広い事業を展開している。企業の経営戦略のサポートも積極的に手掛けており、企業の価値向上に広く貢献している。

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