特集3

社員が生き生き働く会社に変える経営このスイッチから押せ

中小企業の経営者が抱く“本当”の悩みとは、人材育成や事業効率化とは別の次元にあるのかもしれない。それは、数年後に自分の会社がこうなっていて欲しい、という青写真に対して手が打てていない漠然とした不安なのではないだろうか。経営理念との乖離を埋めるにはどうしたらよいのか? 「THE 中小企業スペシャル」のシリーズ3回目は、社長の焦りに近いそんな悩みを解決する具体策について迫ってみる。

図

経営課題の解決は、人材育成から!?

中小企業に限らないが、経営者は目の前の経営上の問題を片付ける一方で、会社をどのように成長させるかという長期ビジョンにも取り組まなければならない。その描いたビジョンの通りに事が運べばいいが、なかなかそうはならない。

その理由として考えられるのが、「会社が掲げた理念に対して、それを実行できる人材がそろっていない」ということだ。

言葉を変えれば、優秀な人材が集まらない、あるいは優秀な人材が力を発揮できる環境がない、ということになる。企業は人であるとも言われる。会社の将来のために、打つべき手は何だろうか。

例えば、今の20代は休みを取れるか、残業時間は多いのか少ないのかをとても気にする。仕事とプライベートはきっちり分けたいという要求は社長の想像をはるかに越えて強い。より優秀な人材を集め、力を発揮してもらうためには、労働環境を根本から見直す必要がある。

こうした変革は、実はそんなに難しいことではない。一言でいうと「社員が生き生きと働ける会社づくり」を推進する「働き方改革」である。

社員の要求を満たしたり、社員が能動的に動ける環境や文化を整えたりすることは、社員の「働き方改革」のキッカケとして重要なポイントだ。しかしながら、働き方改革の本質はそうした個々の事象への対応ではない。働き方改革を通して社員が「能動的に動ける文化を醸成」し、社員一人ひとりが「経営者視点」を持つことが「働き方改革」の本質ではないだろうか。

「会社の成長」と「社員の成長」を働き方改革は実現できるのか!?

これまでの改革はトップダウンで行うことで効果が発揮されてきたが、働き方改革は必ずしもそうではない。社員が実際に抱えている課題を、社員が経営者とともに解決する過程を通して「能動的」「経営者視線」を持つキッカケとなっていくことは、特集1の日本綜合経営協会の事例でも紹介している。

では、社員の実際に抱えている課題とはどんなものであるか。身近な実例を見てみよう。

アイコン非効率その1:場所の制約メールをチェックするためだけに会社に戻る

メールはビジネスにおける重要なコミュニケーションツールだ。だが、会社でしかメールが見られないと、ビジネス上様々な不具合が発生する。外出時に重要なメールのレスポンスができなかったり、メールチェックのためだけに外出先から会社に戻らなければならなかったり、そのために残業になったり…。

メールと同様の問題として、社内の共有ファイルサーバーには、社内のイントラネットからでしかアクセスできないことが挙げられる。そのため、例えば出張先でサーバー上の見積書を取り出したり、共同で進めている企画書を修正したりといったことができない。

こうした環境を変えるだけで、働き方は大きく変わる。

【解決 虎の巻1】どこにいても、仕事はオフィス内と変わらぬレベルでできるようにせよ

マイクロソフトのクラウドベースのメールシステム「Exchange Online」を導入すれば、PC、スマホ、タブレットなどデバイスを問わずメールや予定表、連絡先にアクセスできる。セキュリティの専門家チームの監視と99.9% の稼働率保証を誇り、電話サポートも24 時間年中無休で提供される。メールシステムを自前で構築するのに比べて、「Exchange Online」なら投資対効果の点で高いメリットを得られる。

また、クラウド上のオンラインストレージなら、日々蓄積されるファイルを社内外問わずに共有できる。自社内のストレージより拡張性に優れ、情報も共有しやすい。マイクロソフトの「One Drive for Business」であれば、WordやExcel、PowerPointなどのOfficeソフトで作成したファイルを簡単にオンライン上に保存できる。しかも、高いセキュリティレベルが確保されているので、モバイルからでも安心して利用できる。

アイコン非効率その2:時間の制約キーマンとなかなか時間が合わない

企画を進めるために周囲の意見も聞きたいことはよくある。だが、キーマンに限って忙しくて席にいないことも多い。メールは埋もれがちで読んでもらえない可能性もあるし、直接会話したいこともあるだろう。

また、キーマンを含めてプロジェクトのメンバー全員で会議をする場合、日時を合せるだけでも大変だ。拠点間が遠い場合、会議のための出張旅費がかさむことも経営上は問題となる。

誰もがどこからでも気軽に会議に参加できて、持っているデータも画面上で共有できるような方法があれば、時間と場所を超えた議論ができるはずだ。

ちょっとした相談や会議がもっと手軽にできると、仕事は大きくはかどる。

【解決 虎の巻2】いつでもどこでも誰とでも相談や会議ができるようにせよ

スケジュール管理に便利なのが、「Exchange Online」 の予定表だ。自分以外の社員の予定も確認できるので、キーマンのちょっとした空き時間を見つけて相談に行くことも簡単になる。

「Skype for Business」はワンクリックで同時に6名までと会話できるので、離れた場所にいる人とテレビ会議が簡単にできる。モバイルでも利用できるので、出張先からでも会議に参加できる。さらに、デスクトップのコンテンツやアプリケーションを共有できるので、議論も深めやすい。あるグローバル企業では、メンバー間での知識の共有や意思疎通を図り、迅速な課題解決を可能にするとともに、社内のコミュニケーション手段をSkype for Businessに統一したことで、年間約1000万円のコスト削減を実現している。

アイコン非効率その3:情報共有の制約社内の情報共有に苦労している

社内での周知事項やプロジェクトの進捗など、プロジェクトチームのメンバーが知っておくべき「情報」の共有がスムーズにできていないと、作業の手戻りが発生したり、余計な負担を招くことにもなりかねない。メールでやりとりする方法もあるが、過去のメールを探すのに苦労したり使い勝手がいいとは言えない。情報共有には、ポータルサイトなどの活用が最良だ。

【解決 虎の巻3】スムーズな情報共有ができるようにして、本業に集中できるようにせよ

チーム単位のプロジェクトを強力に支援するのが「SharePoint Online」だ。SharePoint Onlineでは、チーム向けのポータルサイトが簡単に作成できるので、チームメンバー間の情報共有を図れ、チームの活動状況の把握、コンテンツの検索と共有など容易に行える。

働き方改革を支援するクラウドサービス

すべてのソリューションがOffice 365として連動

これらのソリューションがすべてクラウドサービスである「Office 365」のスイート製品として提供されている。普段使いなれているWordやExcelの延長線上で自然な形で活用できる。

個々のソリューションは、クラウド内で単体プランとしても購入できるが、Office 365 スイート製品の一部として複数購入すると割安だし、個々のソリューションの連携もスムーズなのでより使い勝手がよくなる。

導入数あるいは導入ソリューションはまずは小さく始めて、活用状況やニーズに応じてソリューションを拡張していけるのは、クラウドのメリットだ。また、専門のIT担当者を必要としないのも大きなメリットだ。まさに中小企業にぴったりのソリューションといえるだろう。さらに、サーバーなどのハードウエアの用意が不要な分、自前で構築するのに比べて投資額が少ない点も多くの企業にとってメリットだろう。

気軽に始めて、働き方改革を順次進めて、さらにIT活用を広げていく。こうしたサイクルを作り上げることが、中小企業を大きく成長させていくはずだ。