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ITインフラ刷新をビジネスチャンスに

今やビジネス戦略と企業情報システムは不可分な関係にあり、適切な IT の利活用が企業の収益向上に直結するものとなっている。だからこそITインフラをその時代のビジネス環境や市場動向に適応させ、アップデートしておく必要があるのだ。2020年1月14日、その要となるサーバー OS、Windows Server 2008/R2 の延長サポートが終了する。これを絶好の機会と捉え、今後のビジネス戦略のプラットフォームとして築き上げることこそが、企業の未来を左右する重要な分岐点となる。そうした企業スタンスについて、日本マイクロソフト 執行役員 コンシューマ&デバイス事業本部 デバイスパートナー営業統轄本部長 梅田成二氏に話を伺った。

まず自社システムの現状を正確に把握すること

―2020年1月に Windows Server 2008/R2、Windows 7 の延長サポートが終了します。まず何から着手すべきでしょうか。
梅田:私たちの調査によると2017年末の時点で、全国で稼働する約250万台のサーバーの概ね20%が Windows Server 2008/R2 です。これは年間のサーバー出荷台数に匹敵する数です。延長サポート終了まで2年を切ろうとしている今、危機感を持つべき現状だと思います。
これから先、東京五輪が開催される2020年までに、年号の変更や消費税アップなど、ビジネスへの影響が大きくシステム改修が必要とされる世の中のイベントが目白押しとなっています。それらを踏まえながら慌てることなく移行を完了するためには、まず自社で稼働中の当該サーバーの台数やバージョン、さらにそれぞれの上で動いているアプリケーションは勘定系なのか、情報系なのか、制御系なのかなどを明確に把握しておくことが大前提となります。
―まず自社のITインフラの現状を棚卸しする、ということですね。
梅田:その通りです。きちんとした棚卸しを行うことで、それらを新しいオンプレミスのサーバーに載せ替えるのか、クラウドに移行するのか、さらに仮想化を図るのかなど、セキュリティやコスト、利便性などを加味した上で、最適な移行先の検証が進んでいくからです。システムの移行は通常でも2年を要するといわれています。しかし、例えば年号変更は2019年5月に迫っているのですから、そこに合わせようとすると、もはや悠長に構えてはいられません。今すぐに準備を始めるべきでしょう。

企業ITインフラのマイグレーションカレンダー

Windows Server 2008/R2 の延長サポートが終了する2020年1月14日までには、年号変更や消費税アップなど大きな社会的イベントが存在する。システム移行をどのタイミングで実施すべきか早急な検討が必要だ。

「明日の利益を生むための投資」として捉える

―今回のシステム更新は、企業戦略の上にどう位置づけていくべきでしょうか?
梅田:ぜひ、ビジネスチャンスと捉えて頂きたいと思います。多くのお客様は、2014年当時、Windows Server 2003 や Windows XP からの移行をご経験されていると思います。しかし前回はハードウエアの入替という側面が強かったのも事実です。これに対して今回は、システムを取り巻く環境が大きく異なっていること、つまり技術革新が著しいという点が大きく異なっています。例えば、AI の急速な進化があり、スマートフォンやタブレットなどシステムにアクセスするデバイスのバリエーションも拡大し、モビリティやユーザインタフェースも大きく変化しています。こうした状況下で、システムの老朽化も加速度的に進んでいるのです。
逆に言えば、今こそ企業の IT 環境を、今後のビジネス拡大に備える次世代のプラットフォームに進化させる絶好の機会、最大の機会なのです。
―より積極的にビジネス拡大につなげる基盤に変えていこう、ということですね。
梅田:そうです。今回のシステム更新を単なるコストとして後ろ向きに捉えるのは間違いです。むしろ「明日の大きな利益を生むための投資」として、積極的に考える姿勢が重要です。出費でしかないコストと投資の違いは、新たな利益を生むための施策であるか否か、という点です。言い換えれば、このタイミングで適切に実施されたシステム更新は、新しい時代のビジネスモデルをドライブする基盤になっていくのです。かつて、メインフレームからクライアントサーバへ、さらに Web システムへとシステムプラットフォームが推移する中で、常に新たなビジネスモデルが生まれ、それにいち早く取り組んだ者だけが、時代を制する先行者メリットを享受してきたことを、思い出していただきたいと思います。

第一級経営課題としてのセキュリティ対策が必須

―近年はセキュリティ対策の重要性もますます高まっていると思いますが。
梅田:2020年の東京五輪に向かって、サイバー攻撃はますます巧妙化し、その数も激増していくと想定されます。サイバー攻撃とそれに起因するサーバーダウンや情報漏洩、さらに攻撃の踏み台にされ、知らぬ間に自社が加害者になってしまうなど、サイバー攻撃の脅威がもたらす業務へのダメージや、高額化する損害賠償に伴う収益の圧迫は、多大なものとなります。
IT インフラの刷新をビジネスチャンスへの投資と捉えるならば、同時に不要な利益損失を防ぐ「守り」も固める必要があります。経済産業省が2017年11月に更新した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン( V2 )」の中でも「セキュリティ対策の実施をコストと捉えるのではなく、将来の事業活動・成長に必須なものと位置づけて投資と捉えることが重要である」と明確に打ち出しています。セキュリティ対策を経営の最重要課題として、事業計画の中に位置づけていただきたいと思います。
― Windows Server 2016 は、セキュリティ面でも大きなアドバンテージがありますね。
梅田:Windows Server 2016 は、最新のサイバー攻撃手法に対抗するセキュリティ機能を標準搭載しており、不正なコードの実行を未然に防いで、外部からの攻撃に対して高精度の防御を実現します。もちろん、内部からの情報漏えいを防ぐユーザー認証機能なども一層強化されています。 さらに、グローバルなナレッジを結集して、企業情報システムに対する新たな攻撃をリアルタイムに検出・分析・対処する Windows Defender ATP ( Advanced Threat Protection ) が Windows Server 2016 で利用できるようになりました。通常は即時対処できない新種のマルウエアについても、不審な挙動を察知し、瞬時に全世界の Windows Server 2016 に対処情報を共有することで被害の拡大を防ぐのです。これは通常のウイルス対策ソリューションなどでは決してできない対応です。
それを支えているのが、マイクロソフトがワールドワイドにセキュリティの実態を調査し、その知見を蓄積し続けている『インテリジェント・セキュリティ・ グラフ』の存在です。約3500人のセキュリティ・スペシャリストが日々膨大なデータを分析し、サイバー攻撃の脅威に立ち向かっています。グローバルなその知見をフル活用できるのが、最新の Windows Server 2016 なのです。

(『インテリジェント・セキュリティ・ グラフ』の詳細はコラム参照)

ITインフラの移行先を賢く吟味し、切り分ける

―移行にあたっては、どのような選択肢がありますか?
梅田:OS 更新に伴う新システム移行については、自社内にサーバーを保有するオンプレミス、データセンターに移管するクラウド利用、さらにその両方において、物理的なサーバーの内部に論理的な複数のサーバーを築く仮想化など、様々な選択肢の組み合わせが考えられます。ここで大切なのは、冒頭で申し上げた“棚卸し”を踏まえて、自社で利用中のアプリケーションの重要度や活用度、収益への貢献を熟考する姿勢です。その上で、自社のローカルなサーバーに残すのか、クラウドに載せるのか、リソースの最適配分を考えて仮想化を図るのかなどを吟味すべきでしょう。最近ではオンプレミスとクラウドを組み合わせて使う“ハイブリッドクラウド”も多くの企業が活用している形態です。
クラウドとの親和性については、Windows Server 2016 では物凄く強化されています。2011年の東日本大震災以降、ディザスタリカバリーやデータバックアップなど、万が一の事があった時にどう企業の資産を保全するかをあらゆる経営者の方が考えてこられたと思います。それを適正なコストで確実に実現したいと考えた時に、Windows Server 2016 と Microsoft Azure のようなクラウドとの組み合わせは、非常に親和性がいいソリューションになると思います。
―最後に、企業経営者の皆様へのメッセージをお願い致します。
梅田:日本の人口が減少しつつある中、生産性に目を向けると先進諸国の中でも非常に低い水準に留まっています。人口も減り生産性も低いままでは、一企業だけでなく国としての先行きが非常に危ういものになってくるでしょう。一つ一つの企業が何らかのイノベーションを起こし、国力を上げることに貢献していかなければなりません。そのために IT をどう活用していくかは、企業を経営していく人達にとって大きなテーマになってくると考えます。
そうした状況下で今回の Windows Server OS のサポート終了は、これから先の企業を支える IT インフラがどうあるべきかを考え直す大変良い機会だと思います。ぜひ、これをきっかけにして、収益を生む次世代のビジネスを支えるプラットフォームはどうあるべきか、その上でどんなテクノロジーを使うべきかをご自身、並びに、お客様のビジネスを十分に理解したパートナーさんと一緒に検討され、2020年以降のビジネス成長につなげていただければと思います。
Windows Server 2016 の最新情報はこちら
https://www.microsoft.com/ja-jp/cloud-platform/windows-server
Windows Server 2008 移行ポータルはこちら
http://aka.ms/ws08mig/