キーパーソンに聞く

腕時計のトレンドとマーケティング戦略

今年の新作発表から見えてきた「機械式レディスウォッチへの注力」や「低価格帯モデルの拡充」といった腕時計のトレンド。
ここでは、業界のキーマンたちに、その現状と、それに対応するマーケティング戦略について聞いた。

文=安藤夏樹

intvw02

ヴァン クリーフ&アーペル
コミュニケーションディレクター
ジャン・ビヤネメ氏

機械式の可能性を広げる
オートマタの美

 今年もオートマタ(自動人形)を搭載したユニークなコレクションを発表したヴァン クリーフ&アーペル。中でも文字盤上で蝶が舞う「レディ アーペル パピヨン オートマタ」が注目を浴びた。「開発には6年を費やしました。時計を置いているときでもパワーリザーブが残っている間は、蝶がランダムに動きます。でも、腕にしているとさらにアクティブに動く。ある意味で、人間と共生する“コネクトウォッチ”と言えるかもしれません」と言うのはコミュニケーションディレクターのジャン・ビヤネメ氏。ヴァン クリーフ&アーペルでは、まずストーリーを考え、それを実現するのに最適な職人を選ぶという。
 ヴァン クリーフ&アーペルはこれまで、数々の名作レディスウォッチを生み出してきた。ビヤネメ氏は昨今のレディスの機械式化についてどう考えるのか。
「確かにその傾向はありますが、それが長く続くかには疑問があります。女性の場合、何よりもまず美的感覚に訴えるものがあるかどうかが重要。中にどのような機械が入っているかにはそれほど関心はないのではないでしょうか。時を示すだけであればクオーツで十分なのです。我々は複雑な機械を使ってストーリーを紡ぐ。宝飾だけではなし得ない美を実現させるのがオートマタなのです」

PC向けページを見る