キーパーソンに聞く

腕時計のトレンドとマーケティング戦略

今年の新作発表から見えてきた「機械式レディスウォッチへの注力」や「低価格帯モデルの拡充」といった腕時計のトレンド。
ここでは、業界のキーマンたちに、その現状と、それに対応するマーケティング戦略について聞いた。

文=安藤夏樹

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ボーム&メルシエ
プロダクトマーケティングディレクター
マリー・シャソット氏

衝撃を与えた
「マイクラシマ」の価格戦略

 アクセシブルな価格帯の本格ラグジュアリーウォッチを提供する。ボーム&メルシエは、独自のマーケティング戦略で腕時計業界に確固たる地位を築き上げてきた。今年の新作ではさらにその戦略を加速。「マイクラシマ」は、クオーツながら10万円前後という価格帯を実現し話題を呼んだ。プロダクトマーケティングディレクターのマリー・シャソット氏は、その戦略についてこう語る。
「ここ数年はややハイレンジな商品を投入してきましたが、購買力が弱まっている今、一度原点に立ち返る必要があると考えました。そこで、新たにエントリープライスの商品を追加。初めてのラグジュアリーウォッチとして購入しやすい価格で、しかもスイスメイドにこだわったのが『マイクラシマ』です」
 ボーム&メルシエではレディスウォッチにも力を入れている。
「この3年でレディス時計市場のパイは確実に大きくなりました。この傾向は今後も続くでしょう。ただし、ハイエンドな機械式複雑時計へのニーズが高まるとは思っていません。もしダイヤ付きでマザーオブパールの文字盤のクオーツ時計と、機械式時計のどちらを選ぶかと言われれば、本音では前者でしょう。女性の数だけニーズはある。今後は、いろいろな選択肢を持つことが重要だと思います」

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