エニタイムフィットネスが目指す健康的で心豊かな社会-すべての人にHealthier Placeを!

「人間には、他人を応援したり、応援されたり、ということが必要なのです。」土屋敦之氏×有森裕子さん

国内における24時間年中無休フィットネスジムのパイオニアとして、世界26ヶ国3,800店舗以上で利用できるエニタイムフィットネス。2016年には、知的障害者にスポーツ活動を提供する公益財団法人スペシャルオリンピックス日本とトップパートナー契約を結んだ。同法人の有森裕子理事長とエニタイムフィットネスを運営する株式会社Fast Fitness Japan の土屋敦之社長に、健全な社会、心豊かなヘルシアプレイスのあるべき姿を語り合っていただいた。

運動をすると身体以上に
メンタルの変化を実感できる

土屋 2010年に24時間営業のエニタイムフィットネスをスタートして8年目を迎えますが、近年、スポーツに向き合う人々の姿勢が変化しつつあるのを感じています。ジムに通う目的にも、運動を通じて自分に向き合う時間を大事にしているという声を多くいただきます。
 身体を動かすことが精神面にプラスに働くということは科学的にも明らかにされていますし、フィットネスジムに“自己と対話する場”としての新しい役割が求められているのかもしれません。

有森 運動をすると身体の変化以上にメンタルの変化が実感できます。何かに集中しているときには良いアドレナリンが出ると言いますが、自分が持っている機能を使うことは人間がロボットにならない限り絶対に必要なこと。肉体を鍛えることによってメンタルを整える場所は非常に大事なんじゃないかと思います。

土屋 昨年夏、熊本第一号出店を機に行なった復興イベント『ドリーム・スポーツ・パークin花畑広場』でも、スポーツが持つ人の心を元気にする力を改めて感じさせられました。有森さんにもご参加いただき、多くの地元の方々がトップアスリートと一緒に汗を流し、生き生きとスポーツに取り組んでいたのが実に印象的でした。
 震災から1年が経ち、復興の一助になればという決断での出店でしたが、運動することによってリフレッシュできた方がたくさんいらしたんでしょうね。予想以上に多くの方が運動する場を渇望されていることを実感できました。気軽に運動ができる場を提供することが地域貢献になると考えていますので、今後の事業を広げていく上で非常に意義ある契機になったと考えています。

有森 自分で自分を鼓舞するのって簡単じゃないですからね。スポーツイベントやフィットネスジムのような運動する場を通して人とコミュニケーションを取るだけでも全然違いますよね。人間は感情の生き物なので、他人を応援したり、応援されたり、ということも必要で、それは障害があってもなくても変わらないと思います。

Yuko Arimori

1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪とアトランタ五輪の女子マラソンでメダルを獲得。現在は、スペシャルオリンピックス日本の理事長などを務める。4年ごとに行われる世界大会に向けて、9月には選手選考も兼ねた夏季国内大会を愛知県で開催。

SOのアスリートが
「スペシャル」なのではない

土屋 エニタイムでは、「Get to a Healthier Place!(誰もが健康的に暮らせる、心豊かな社会を実現)」を世界共通のスローガンに掲げ、事業、社会活動を進めています。有森さんが理事長を務められている知的障害者の方にスポーツを提供する「スペシャルオリンピックス日本(以下SON)」との連携もそこから生まれたものですが、改めて有森さんがSONの活動を始めたきっかけをお聞かせいただけますか?

有森 私自身、運動する場や機会が目の前にあることに何の疑いも持たずに生きてきました。
 けれど、スペシャルオリンピックス(以下SO)は「スポーツを提供している」と説明されて、知的障害を持つ方が運動をしたいと思っても、日常的にスポーツをする機会や、その成果を発表する場が与えられていないという現実を初めて知りました。当初SOはオリンピックやパラリンピックとは違い、ナンバーワンにならなくてもいい、オンリーワンでいいと言われたのですが、SOの世界大会を初めて観戦した際に、決勝で負けたバスケットボールチームの選手たちが地団駄踏んで大泣きしているのを見て、スポーツに対する思いは彼らも変わらない、勝ちたい選手を勝たせたいと思ったのが最初のきっかけです。
 勝ちたいと思う子には勝たせる、スポーツをやりたい子には提供する、私は、SOのアスリートたちの存在が「スペシャル」なのではなく、彼らが私たちの固定概念を崩してくれるところが「スペシャル」なのだと思っています。最終的にSOの活動を通して当たり前に社会で生きる力を見いだして欲しい。そしてご家族や地域社会が、当たり前に彼らと一緒に生きていければいいと考えています。