翌日、平井氏に同行した我々が訪れたのはウィーンを本拠地として世界規模での貴金属保管サービスを展開するGVS社の本社である。平井氏は我々に訪問の意図を説明した。
「ブリオン・ジャパンの新事業立ち上げに対して、私達は信頼できる貴金属保管業社のパートナーを求めていました。その理由はブリオン・ジャパンとして独自に金現物を調達し、安全に保管する事が新規事業では必要不可欠となるからです。
GVS社は2003年に設立された比較的若い貴金属保管業社ですが、ウィーンだけでなく、エストニア・ボストン・シンガポール・フランクフルトスイスにおいて保管庫を持ちサービスを展開する大手貴金属保管業者です。
彼らの面白い所は一般の方に向けてゴールドバーだけでなく金貨や銀貨を売買するリテール部門とコンサルティング部門から事業をスタートし、現在では世界規模での貴金属売買および金保管業社として成長した所だと思います。
CEOのヘルムートズース氏は”インターネットの時代だからこそ、クライアントとのフェイストゥフェイスの付き合いと情報共有こそがもっとも重要である”との考えで事業を立ち上げ、今日までその考えを実行する事で信頼と事業を築き上げた人物で、私達がパートナーに求める資質を全て満たした企業がGVS社であったと言えます。
今日はミーティングの前にズース氏にも時間をいただいているので、ヨーロッパの金現物投資の状況や人々がどの様に感じられているのかも伺えると思います」